銀行のローンには様々な種類があり、目的や利用条件などによっても利用出来るローンが変わってきます。
しかし、それぞれのローンについて、利用条件や申請時に必要な書類、金利などの詳細はあまり知らないという方は多いと思います。
フリーローンとカードローンの違いは?
消費者金融と銀行のカードローンはどこが違うの?
そんな疑問も含めて、この記事ではそれぞれのローンの特徴や詳細を解説しつつ、「お金を借りる際に知っておきたいポイント」を解説していきます。
銀行によってローンの種類や取り扱い内容は変わりますが、銀行で取り扱われることの多いローンは以下の5つです。
このように、銀行には利用目的があらかじめ限定されている住宅ローンや教育ローン、マイカーローンといった目的別ローンの他、フリーローンやカードローンなどの利用目的が自由なローンがあります。
一般的に、フリーローンやカードローンより目的別ローンの方が、金利が安いという特徴があります。
ここからはそれぞれローンについての詳細を解説していきます。
「住宅ローン」は以下の様に土地や建物を購入したり、増改築目的に利用することの出来るローン商品です。
項目 | 住宅ローン |
---|---|
利用目的 | 住宅や土地の購入、建築・増築、リフォーム、贈与による購入、他社の住宅ローンからの借り替えなど |
利用者の条件 | 年齢や勤続年数、年収など長期に渡って安定して返済出来ることを利用条件としている商品が多い |
金利 | 変動金利と固定金利からどちらか選択(0.4~6.6%) |
担保・保証人 | ローンを利用する土地や建物の抵当権、保証人は原則不要 |
借入限度額 | 50万円~1億円 |
必要書類 | 本人確認書類、収入証明書類、使用目的を証明できる書類 |
リフォームはまた別の商品としてあったり、若い方向けの商品があったりなど銀行に寄っても様々なバリエーションがあります。
住宅ローンの特徴は、ローンを利用する住宅や土地を担保にしてお金を借りる点です。
そのためローンを借り入れる際、抵当権書き換えの登記費用や保証料、事務手数料などローンで利用する金額とは別に費用が発生することになるので注意してください。
この担保があることで貸し倒れのリスクが少なく、返済も長期化しやすいことから他のローンに比べて金利も比較的安めに設定されています。
また、金利は変動金利か固定金利か選べるようになっており、固定金利では「〇年間は金利を固定、その後は再度固定金利か変動金利にするか選択」といった商品が多いです。
変動金利は今後の金融情勢によっては金利が安くなることもありますが、金利上昇のリスクもあるため、安定して返済計画を立てやすい固定金利の方が安全ではあります。
その他、借り入れ審査時には勤続年数や年収など、長期に渡り継続・安定して返済できるかどうかを確認されるので、利用目的を示す書類の他に源泉徴収票や納税所など年収を確認できる書類の提出がほぼ必須となっています。
土地や建物の契約書や住宅の値段が分かるパンフレットなど、利用目的を証明するための書類も必要なので、必要書類の用意はあらかじめ余裕をもってしておきましょう。
「教育ローン」は学校の授業料や入学費用、教科書の購入費、部活動の遠征費など学校に関する費用として利用できるローンです。
ただし、銀行によっては以下のように塾や予備校の費用、留学資金、学校の寮費などにも利用出来るなど、学業に関わること全般に利用できることもあります。
項目 | 教育ローン |
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利用目的 | 入学金、授業料、合宿・修学旅行費、予備校・塾の学費、留学資金、寮など独り暮らしの際の資金など |
利用者の条件 | 年齢や継続した収入の有無が条件としてあげられる。学生の保護者か本人(成人した社会人に限る)が利用可能 |
金利 | 変動金利(3.0~4.5%) |
担保・保証人 | 担保・保証人は原則不要 |
借入限度額 | 10万円~500万円 |
必要書類 | 本人確認書類、(収入証明書)、使用目的を証明できる書類 |
基本的には学生の保護者が借り入れることが多いですが、成人済みで社会人となっている方が勤めながら専門学校や大学に通う際に利用することも可能です。
もちろん元金の返済は進まないためその分返済期間は伸びてしまいますが、在学中は何かと物入りになることも多いため、元金分の返済が厳しい時には銀行に相談して返済額を見直してみて下さい。
また、担保や保証人は原則不要ですが、ローン商品によっては担保を設定することで借入限度額を増やせる商品も存在します。
在学期間や必要金額が多くなりがちな医学部や専門技術などを学ぶ学校にも利用できるように、相談に応じて上限額や借入期間などを増やせる商品もあるため、様々な商品を比較検討してみてください。
教育ローンも利用目的を証明するための書類は必須となっていますが、年収を確認出来る書類は商品によって、一定の金額を超えた借り入れをする人のみ提出しなければいけないなど様々です。
ただし、多くの場合提出が必須になっているので、あらかじめ銀行のホームページなどで必要書類はしっかり確認しておくことが大切です。
「マイカーローン」は、主に車の購入に利用することのできるローンです。
項目 | マイカーローン |
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利用目的 | 新車・中古車の購入、修理・メンテナンス、車検費用、カーナビなどのオプション・諸経費、免許取得の費用など |
利用者の条件 | 年齢や継続した収入の有無が条件としてあげられる。学生は利用不可 |
金利 | 変動金利(1.9~4.5%) |
担保・保証人 | 担保・保証人は原則不要 |
借入限度額 | 10万円~500万円 |
必要書類 | 本人確認書類、(収入証明書類)、使用目的を証明できる書類 |
車を購入する店舗やディーラーで組めるローンもありますが、銀行のマイカーローンの方が低金利の場合が多いためオススメです。
また、こちらも銀行によっては修理・車検費用、カーナビなどのオプション費用、免許取得のため教習費用に利用できるなど、車に関すること全般に利用できるものもあります。
自動車以外にもオートバイなどの購入費用にも充てることが出来るものもあるので、どこまで利用できるのかローンの概要はしっかり確認しましょう。
継続した収入があればアルバイトやパートの方でも利用できることがありますが、大学生などの学生はローンを利用することが出来ません。
マイカーローンも商品によって異なりますが、収入や利用目的を証明する書類の提出はほぼ必須となっていますので注意しましょう。
「フリーローン」は、利用目的は決まっておらず自由に利用できるローンのことです。
項目 | フリーローン |
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利用目的 | 原則自由(事業性資金、ギャンブルは除く) |
利用者の条件 | 年齢や継続した収入が条件としてあげられる |
金利 | 変動金利や固定金利様々(0.5~14.0%) |
担保・保証人 | 担保・保証人は原則不要 |
借入限度額 | 10万円~500万円 |
必要書類 | 本人確認書類、(収入証明書類)、使用目的を証明できる書類 |
フリーローンは主に、利用したい銀行に該当する目的別ローンが無かった時、家電の買い替えや旅行、エステ、ジム料金など、様々な目的に使用するために利用する場合が多いです。
ただし、事業性資金やギャンブル利用などは禁止されているので、起業などの資金としては利用できません。
また、目的は自由とはいえ使い道を申請するための書類は必要なので申し込みをする際はきちんと用意をしたうえで申し込みましょう。
さらにこのフリーローンは銀行によっても、担保の有無や借り入れ上限額、金利などが大きく異なります。
また、利用目的を証明する書類は提出必須の場合が多いですが、年収が確認できる書類の有無や条件は商品によって異なります。
一定金額以下であれば提出不要な銀行、フリーランスなどの場合のみ提出を求める銀行など様々ですので、こちらも事前にしっかりと確認が必要です。
「カードローン」は利用目的は原則自由で、ローン専用カードを使って借り入れを行うローンのことです。
項目 | カードローン |
---|---|
利用目的 | 原則自由(事業性資金、ギャンブルは除く) |
利用者の条件 | 年齢や継続した収入が条件としてあげられる |
金利 | 変動金利(2.0~14.5%) |
担保・保証人 | 担保・保証人は原則不要 |
借入限度額 | 10万円~800万円 |
必要書類 | 本人確認書類、(収入証明書類) |
カードローンも事業性資金やギャンブルを除き、様々なことに利用できます。
また、担保や保証人は必要なく、一度審査に通れば発行されたローン専用カードを利用して何度でも借り入れをすることが可能です。
他のローン商品と比べると少々金利は高めですが、コンビニなどの提携ATMを利用して手軽にキャッシングが出来る、契約時にすぐ借り入れをしなくとも自身の好きなタイミングで出来るなど、利便性が高いことが特徴です。
カードローンに関しては、利用目的を証明するための書類は必要ありません。
さらに、収入を確認できる書類も51万円以上の借り入れでなければ不要とする商品が多いです。
ただし、フリーランスや自営業の方は電話での在籍確認が出来ない代わりに収入証明書の提出を求められることもあるので、事前に準備しておいた方が安全です。
ここまで、各銀行ローンの特徴を説明してきましたが、フリーローンとカードローンの違いは何でしょう?
どちらも使用目的は決まっておらず、自由に使えるローンということでどちらを選べばいいか分からないという方もいらっしゃると思います。
フリーローンとカードローンには、主に2つの違いがあります。
まず大きな違いは、フリーローンはカードローンとは異なり何度も借り入れをすることが出来ません。
つまり審査の結果、借り入れ上限額が100万円となっていても、20万円分しか利用しなければその分しか借りることが出来ず、追加で借り入れをしたい場合はもう一度審査を受ける必要があります。
一方、カードローンは一度審査に通ってローン専用カードが発行されれば、借り入れ上限額まで何度でも追加審査なしで借り入れを行うことが出来ます。
また、追加の借り入れを行う際も銀行まで行かずともコンビニの提携ATMから借り入れを行えるなど、フリーローンより手軽に借り入れを行うことが出来ます。
そのため、まとまった金額を一度に借り入れるのであればフリーローンを、必要になった時に都度都度借り入れを行いたい場合はカードローンを選ぶことをオススメします。
次に、フリーローンはカードローンに比べて借入限度額が低く設定される傾向にあります。
しかし、金利はフリーローンの方が低い場合が多く、ちょっとした金額をなるべく安く借り入れたい方に向いているローンと言えます。
カードローンはフリーローンに比べて金利は高いですが、フリーローンより借入限度額が高くフリーローンの限度額以上の借り入れをしたい場合に利用する方もいます。
ただし、金利や借入限度額は銀行や商品によっても異なるため、利用する際はしっかりと下調べを行ったうえで申し込みを行うようにしましょう。
また、カードローンを検討している方の中には、銀行と消費者金融のカードローンの違いが気になっている方もいるのではないでしょうか?
なんとなく、銀行のカードローンは審査が厳しいイメージがあると言われますが、結論から言うと審査の厳しさは銀行も消費者金融も変わりません。
銀行と消費者金融のカードローンの主な違いを以下にまとめてみました。
比較項目 | 銀行カードローン | 消費者金融カードローン |
---|---|---|
信用情報機関 | JBA | CIC・JICC |
金利 | 低め(主に2.0~14.5%) | 高め(主に3.0~18.0%) |
借入限度額 | 規定の利用限度額まで | 年収の3分の1まで |
審査時間 | 最短で翌営業日(即日融資不可能) | 最短で30分程(即日融資可能) |
以下で、これらの違いについてもう少し詳しく見ていきたいと思います。
そもそも、銀行と消費者金融の根本的な違いとして、照会する信用情報機関と適用される法律が異なります。
カードローンでお金を借りる際、カードローン会社は信用情報機関に登録されている利用者の信用情報を照会して融資額などを決めています。
信用情報というのは、クレジットカードやローンの利用履歴、返済・支払い状況、利用残高などの取引情報のことです。
銀行は『JBA』、消費者金融は『CIC』、または『JICC』という信用情報機関に加盟しています。
信用情報は各信用情報機関でそれぞれ保管されるため、信用情報機関間で共有されることはほとんどありません。
そのため、照会する信用情報の違いから、「消費者金融カードローンでは審査に落ちたが、銀行カードローンは審査に通った」ということもあり得ますし、逆もあり得ます。
ただし、返済遅延や滞納、自己破産、カードの強制解約などの金融事故情報は必ず共有され、全ての信用情報機関で一定期間保管されてしまいますので注意してください。
また、銀行は『銀行法』、消費者金融は『貸金業法』といったように、適用される法律も異なります。
特に消費者金融では、2010年6月18日より施行された貸金業法の『総量規制』によって、「貸金業者よりキャッシングで借り入れできる金額は、原則年収の3分の1まで」と決まっています。
そのため、カードローンの上限額が800万円の商品でも、利用者の年収が300万円であれば、年収の3分の1である100万円までしか借り入れることが出来ません。
これは1つのカードローンに対してだけではなく、利用者がカードローンなどを他にも利用している場合、全ての借入金額を年収の3分の1までに抑える必要があります。
一方、銀行カードローンは総量規制対象外なので、借入限度額に明確な制限はありません。
しかし、審査結果によっては借入限度額を減額されるので、商品の上限額まで借りられるとは限りません。
そのため、銀行も消費者金融も根拠とする法律や信用情報は異なりますが、「申し込んでみなければ、審査に通るか分からず、借入限度額がいくらになるか分からない」という点は同じです。
そのため、銀行か消費者金融どちらのカードローンにするか迷った場合は、利用目的や使い勝手を見比べて、自分に合うと思ったものを選ぶことが重要になります。
銀行カードローンは一般的に、消費者金融カードローンより金利の安い商品が多いです。
実際に、メガバンクといわれる銀行や大手の消費者金融を比較してみると、銀行カードローンの金利が2.0~14.5%程に設定されているのに対し、消費者金融カードローンでは3.0~18.0%程に設定されています。
ローンの利息は日割り計算で、「利息=借金残高×借入利率÷365日×利用日数」という計算式で求められるため、金利が安ければその分利息も安く抑えられます。
そのため、高額を借りるときなど、返済の長く掛かりそうな借入の場合は、銀行のカードローンの方がお得と言えます。
ただし、返済期間が長くなればなるほど利息は膨らみますので、余裕がある時は繰り上げ返済を行い、できるだけ早めに返済をするようにしましょう。
消費者金融のカードローンの強みは、即日融資が可能という点です。
銀行は、2018年より返済能力を超えた借り入れによる自己破産や反社会勢力の利用を防ぐため、審査自体を強化したこともあり最短でも翌営業日~数日ほど審査に時間がかかってしまいます。
そのため、銀行のカードローンを利用するのであれば、数週間ほどの余裕をもって手続きを申し込みましょう。
「なるべく早くお金を用意しなければいけない」という火急の案件には、消費者金融のカードローンの方が向いています。
いずれにせよ、審査結果や借入限度額がどうなるかは申し込んでみなければ分からないため、これらの特徴を参考に気になったカードローンがあれば、相談窓口などに一度相談をしてみることをオススメします。
カードローンだけでなく、銀行のローンの審査は総じて時間がかかります。
提出を求められることの多い収入を確認するための書類には、源泉徴収票や納税証明書など発行に時間がかかるものもあるため、必須書類の確認も早めに行っておいた方が良いです。
特に、目的別ローンやフリーローンでは、提出してもらった利用目的の書類と申請内容に齟齬が無いか確認したり、高額な貸し付けに対して返済能力有無を確認したりと、数週間~1ヶ月ほど審査に時間がかかったりします。
さらにローンを利用する銀行の口座を持っていない場合、口座開設の手続きでさらに数週間と余計時間がかかってしまうことがあるため注意が必要です。
ですがこの時、自分が普段から口座取引をしている銀行であれば口座開設の手続きも不要ですし、その他の審査も比較的スムーズに進むことが多いです。
そのため、銀行ローンを申し込む際は、自分が普段から利用している銀行で、時間の余裕をもって申し込みを行うことをオススメします。
ここまで紹介してきた銀行ローンのポイントをまとめました。
銀行のローンでお金を借りる際は、利用目的に応じてそれに沿ったローンを利用してください。
その際、自分で事前に調べることも大切ですが、分からない気になることがあればローン相談窓口に相談をしてみるのも良いでしょう。
これらの特徴も参考に、是非自信に合ったローン選びをしてみてください。