カードローンは無担保、保証人なしでお金を借りられる反面、安定した収入や返済能力を求められます。
そのため、他社借入の件数や金額に関しても申告を求められ、審査の対象となります。
しかし、この他社借入はどのようにカードローンなどの審査に影響してくるのか?
また、他社借入とは住宅ローンなども含まれるのか?など、詳しいところはあまり知らない方も多いと思います。
そこで本記事では、カードローンにおける他社借入について解説するとともに、他社借入が多くなってしまった方向けの解決策なども紹介していきます。
カードローンに申し込む際、他のカードローン会社などをすでに利用している場合は、他社借入の件数や借入残高を申告する必要があります。
他社借入の件数や借入残高はカードローンの審査でも重要な項目であり、審査結果にも大きくかかわってきます。
というのも、カードローンは無担保・保証人なしのため、万が一貸し付けた分が返ってこないとなると、保証会社ともども大変な痛手になるからです。
そのため借入残高にもよりますが、他社借入をしている件数が多いほどお金に困っていると判断され、カードローンの審査を通過するのが難しくなります。
あくまでも目安となりますが、一般的に他社借入件数が審査に及ぼす影響は以下のようになります。
他社借入件数 | 審査への影響 |
---|---|
1件 | 特に問題なし |
2件 | 返済遅延・滞納などがなければ問題なし |
3件 | 要注意。審査も厳しくなってくる |
4件 | 収入や返済状況などの条件が相当良くなければ難しい |
5件 | 新規借り入れはほぼ不可能 |
他社借入は1、2件ほどで返済も滞りなく行われていればさほど問題になりませんが、3件目を超えるあたりから審査はぐんと厳しくなります。
3件以上の借り入れがあり新規のカードローンを検討している方は、まず1つでもいいのでローンの完済をしてから申し込むことをオススメします。
では、ここで他社借入として申告すべきなのはどんなローンなのでしょうか?
以下よりそれを説明していきたいと思います。
カードローンの他社借入で申告する必要のある借り入れは、各カードローン会社によって細かな違いはありますが、無担保タイプのローンだけのことが多いです。
と言うのも、無担保タイプのローンを複数借り入れていた場合、どれか1つの返済が立ち行かなくなっただけで、連鎖的に他のローンの返済も滞る可能性が高いからです。
無担保タイプのローンとは以下のようなローンのことを指します。
これらの内、カードローン会社に申告すべき借入金額は、借入上限額ではなく、現在の借入残高になります。
そのため、カードローンを3社契約していても、そのうち現在も返済を行っているのが1社だけであれば、他社借入件数は1件となり申告する金額もまだ返済が終わっていない金額のみとなります。
上記の担保などを必要としない目的別ローンとは、銀行などで取り扱っている担保不要の教育ローンや自動車ローンなどです。
同じ目的別ローンでも、自動車や持ち家を担保に入れるタイプの自動車ローンや住宅ローンは、返済が上手くいかずとも担保があるので他の返済に影響及ぼす可能性が低く、申告不要の場合がほとんどです。
ただし銀行のカードローンの場合、有担保タイプの目的別ローンも申告対象に含まれることもありますので、申込時はカードローン会社のルールをしっかり調べておきましょう。
また、クレジットカードはキャッシング枠で利用している金額のみの申告で、ショッピング枠で利用している分については申告対象に含まれません。
これは分割払いやリボ払いも同様で、クレジットカードのみならず信販会社を通してスマートホンや家電などの分割払いをしている場合も特に申告の必要はありません。
他社借入を申告するのは返済能力の有無を確かめる役割もありますが、消費者金融のカードローンは「総量規制」に引っかかってないか確認する目的もあります。
総量規制とは、2010年6月18日より施行された貸金業法の規制で、『貸金業者よりキャッシングで借り入れできる金額は、原則年収の3分の1まで』というものです。
つまり年収300万円の方は、消費者金融からの全ての借り入れを合わせて上限100万円までしか借りることができません。
ただし、この総量規制も「年収の1/3までの貸し付けであれば問題なし」としているだけなので、実際に借りられる金額は年収の1/3より少なめになる場合がほとんどです。
この総量規制が適用されるのは、貸金業法が適用される消費者金融のカードローンのみです。
そのため、銀行のカードローンや有担保型のローンは総量規制の対象外になっており、消費者金融によっては、そういった事情から他社借入の申告に銀行カードローンを含めない会社もあります。
年収300万円の人が別の消費者金融で追加の借り入れをしようとした場合、1社目で借入上限額80万円のカードローン契約を結んでいた場合、完済していようと2社目以降のカードローン会社と結べる契約は上限20万円以下となるわけです。
銀行のカードローンはこの総量規制は適用されないため、法的には年収1/3を超える貸し付けも問題ありませんが、やはり返済を鑑みて年収1/3ぐらいを目安に貸付金額を決めているカードローン会社も多いです。
そのため、2社め以降のカードローンに申し込む際は何社からどれぐらい借り入れしているかも需要ですが、各契約の借入上限額もしっかり確認しておきましょう。
このように、新たなカードローンを借り入れる際は必ず申告しなければならない他社借入ですが、実はカードローン会社は申告が無くても利用者がどこからどれだけ借りているのかが分かります。
カードローンやクレジットカード、信販会社を利用したスマホや家電の分割払いなどにおける契約情報や支払い状況などの記録は、各会社の所属する信用情報機関で情報が保管されています。
そのため、信用情報機関に利用者の信用情報を照会すれば、利用しているローン契約や返済状況などを分かってしまうのです。
では、なぜわざわざ利用者に申告させるのか?
それは、利用者が信用できる人物なのか、かつ自身の返済状況をしっかり把握できているかを見るためでもあるからです。
無担保、無保証人のカードローンは、担保などの絶対的な返済の当てがない分、利用者とカードローン会社との信頼の上契約が成り立っています。
なので、いくら収入が高くても最初の申し込みの段階から虚偽申告をするような人は、本当に返済する気があるのか不安になりますよね?
また、自身の借入件数や返済すべき金額が把握できていないお金にだらしない人では、返済時に遅延や滞納などのトラブルが発生する確率も高くなります。
このような事情から他社借入については、審査に通りたいからと金額などを低く見積もることなく、正確な数値を申告しましょう。
また、嘘をつくつもりはなくとも間違った数字を申告してしまっても、カードローン会社はそれが故意か不注意によるものか判別がつきません。
多少の間違いなら即審査落ちとはなりませんが、借入金額や他社借入の件数が大きくずれているようなミスをしてしまう人では、これまた信用が出来ませんよね?
カードローンの申し込みをする時には、申し込み事項を見直したうえで提出をし、万が一誤った内容を送ってしまった時は速やかにカードローンの電話窓口などに相談しましょう。
ここまでカードローンの審査に関わる他社借入について説明してきましたが、カードローンの審査で問題ないとされるのは、申告すべき他社借入が約1、2件の時がほとんどです。
3件ならばまだ貸し付けをしてくれる会社もあるでしょうが、4、5件となるとまず現在の借入をしっかり返済することを考えたほうが良いでしょう。
しかし、返済をするといっても他社借入が3件以上になってくると金利や毎月の返済額、返済日を管理するのも大変になってきます。
そんな時は、各カードローン会社で取り扱っている「おまとめローン」も視野に入れてみて下さい。
「おまとめローン」は、銀行や消費者金融から借り入れしたお金を借り替えによって返済を1本化する借り入れ方法のことです。
おまとめローンを利用する際も、通常のカードローン同様審査が必要です。
審査の結果、おまとめローンが利用できるとなったら、おまとめ元の業者より借入先に直接返済すべき金額が支払われます。
利用者は、その立て替えてもらった金額を今度はおまとめ元の会社に返済していくような形になるのです。
あくまで返済を1本化することに特化したローンなので使い道は限定されますが、返済をまとめることで様々な利点もあります。
ここからは、そんなおまとめローンについて解説していきます。
まず、おまとめローンの最大の利点は、バラバラだった返済日や返済先を1本化することで返済の管理がしやすくなることです。
例えば、現在3社から借り入れをしていて、A社は毎月10日に1万円、B社は毎月15日に5,000円、C社は25日に3,000円返済しているとします。
これらを完璧に管理できていれば問題ありませんが、返済が多様化するとどこにいくら返済したか分からなくなりうっかり返済日を過ぎてしまった、というように返済の遅延・滞納をしてしまう危険性が高まります。
これをおまとめローンで1つにまとめることによって、毎月20日に18,000円返済するだけでよくなるといったように、返済額や返済日の管理がしやすくなります。
この時、毎月の返済額なども相談の上で変更したり出来るので、今までの返済額はとても払いきれないという方や、1度に大きな金額を返済するのは大変という方も安心です。
さらに、元々利用していたローン契約よりおまとめローンの金利の方が安ければ、総返済額を抑えることも出来るのも嬉しい点でしょう。
また、クレジットカードやカードローンの審査で、他社借入の項目で特に注目されるのは金額よりも借入件数の場合が多いです。
「3人から借金をしているAさん」と「1人から借金をしているBさん」がいた場合、金額の大小はともかく、「複数人から借金しているAさんの方がお金にだらしないかもしれない」と思いませんか?
もちろん、複数の他社借入があっても遅延や滞納をしなければ信用情報に傷は付きませんが、おまとめローンで他社借入の件数が少なくなれば、そちらの方が印象は良くなります。
返済額が少なくなるわけではありませんが、返済すべき場所が1つになることで多少なりとも気持ちに余裕が出来るのも、利点の1つと言えるでしょう。
このように便利なおまとめローンですが欠点もあります。
それが、「おまとめローンで利用している金融機関からは、おまとめローンの返済が終わるまで新たな借り入れが出来ない」という点です。
これは、おまとめローンは「借金を返済しやすくして完済を目指すためのローン」なので、新たな借り入れが出来てしまうと完済が遠退き、返済しきれなくなってしまう恐れがあるからです。
そのため、返済が終わるまでカードローンのように自由に借り入れが出来なくなっています。
ここで、「おまとめローンで利用している金融機関では借りれなくとも、他の金融機関からは借り入れをすることが出来るのでは?」と考えた方もいると思います。
結論からお伝えすると、出来る場合もありますがオススメはしません。
おまとめローンの利点で説明したように他社借入件数を少なくすることで、カードローン会社によっては審査に通りやすくこともあります。
しかし、そこで新たに借り入れた分はおまとめローンにまとめることは出来ませんし、結局おまとめローンを利用する前のように複数の金融機関に返済しなければいけない状況に逆戻りしてしまうからです。
さらに、おまとめローンは1本化されているだけで負債が減るわけではないので、借り入れが増えてしまうと返済額が膨らみ、前より厳しい返済状況になってしまいます。
そういった事態を防ぐために、おまとめローンの契約によっては自社のみならず他社からの新たな借り入れを禁止していることもあります。
契約で禁止されている場合新たな借り入れをすれば契約違反となり、現在の借入残高を一括で返済するように求められる可能性もあります。
おまとめローン利用中は今の返済に集中し、新たな借り入れは少なくとも返済が終わるまではやめておきましょう。
また、おまとめローンは元の総返済額より高くなってしまう場合もあるので総返済額や金利には注意が必要です。
おまとめローンは元々、カードローンより金利が高めに設定してある商品も多くあります。
月々の返済額も調整できるため、金利や毎月の返済額によっては返済が長期化してしまったり利息がかさんだりで、本来の返済額より高くついてしまうこともあるのです。
とはいえ、これは事前に金融会社のホームページにあるシミュレーターなどを利用して、総返済額を計算し、返済計画をしっかり立てれば防げることでもあります。
おまとめローンの利用を検討している方は、事前に現在の返済すべき金額とおまとめローンを離床した場合の返済額をしっかり比較し、分からないことがあればローンの相談窓口に尋ねるなど下調べをしてから利用するようにしましょう。
カードローンの審査などにおける他社借入のまとめです。
他社借入の件数が増えてしまうと返済の管理もしにくく、カードローンの審査にも通過しにくくなるなど良いことはありません。
そのため、他社借入はなるべく増やさないようにし、万が一増えてしまった場合はなるべく返済を優先しましょう。
状況に応じておまとめローンなども活用するのも重要ですが、カードローンで一番大事なのはしっかりと返済の計画を立てた上で、計画的な返済を行っていくことです。
これから新しい借り入れをする方も、本記事も参考にカードローンと上手く付き合っていただければと思います。