40代は子育て、親の介護と何かとお金のかかる時期です。そろそろ自分の老後も心配になってきますが、出費が思いの方が多く、思ったように貯蓄ができない!と悩むことが多い年代でもあります。
また、長引く不景気で非正規雇用で働き続ける40代も多く、お金のない40代は年々増加しているといわれています。いまこれを読んで「自分も!」と思っているなら、これを読んで少しでも収入の増える方法を探してみましょう。
ある銀行の調査によると、40代の貯蓄額の平均は2018年は316万円だったのが、2019年は196万円と、120万円も減少しているという結果が出ています。ちなみに、貯蓄額が100万円未満の人は60.5%、貯蓄が全くないという人は23%になったそうです。
40代は働きざかりといわれる世代で、社会的地位、収入ともに安定期にある人が多いとみられる世代ですが、貯蓄額が100万円未満の人が半数を超えるというのはかなり衝撃的な数字です。なぜ40代はそんなにお金がないのでしょうか。
子どものいる40代の家庭は食費や光熱費だけでなく、子どもの教育費がかなり増える時期でもあります。中学私立に通わせると6年間で700万円以上の出費になるといわれています。6年間公立で通したとしても300万円近くかかるといわれています。
大学に進学すれば、毎年の学費はかなり上乗せされます。医者などの高度な教育を受ける場合は3,000万円以上かかるケースもあるようです。
また40代は、親のそろそろ親の介護が始まる年代でもあります。お金が比較的かからないといわれている在宅介護でも平均月5万円、重度の認知症の場合は13万円以上の出費を強いられることもあります。有料の老人ホームに入所した場合は月20万円~25万円の出費になるといわれています。この状態が何年も続けば、貯蓄どころではないのもうなずけます。
また、40代はバブル絶頂期に学生時代を過ごしたため、身近な大人が自分の欲しいものに惜しげもなくお金を払うのを見てきています。
40代のお金の使い方は普段は節約してもここぞという時には多額の出費も惜しまないという傾向があるようです。
これもお金がなかなか溜まらない一因になっているといわれています。
40代は就職氷河期世代ともいわれています。バブルがはじけた1991年は、不幸にも40代後半の人が学業を終えて世の中に出ていく時期でもありました。しかし、景気後退で新卒の若者を雇える余裕のある企業はごく少数派で、就職浪人が溢れました。4年大卒の女性はとくに厳しかったようです。
この時期に正社員になれず非正規雇用がずるずる続き、気が付いたら40代になっていたという人がとても多い世代です。非正規や派遣社員にボーナスはありませんし、契約が打ち切りになれば次の仕事を探すまでに時間がかかり、その間は収入が途絶えます。失業保険を受けても、貯金に回す余裕はありません。そこへさらに追い打ちをかけるのが年齢の壁です。40代に近づくにつれ雇用先も減っていき、ますます収入が減っていきます。
非正規雇用のまま40代を迎えてしまった人の収入が少ないのは言わずもがなですが、運よく正社員で働いている場合でも金銭的に恵まれているとは限りません。30年以上続く不景気のため、正社員の給料も頭打ちとなっています。また、サービス残業やブラック企業の横行で体や精神に異常をきたし、休職や退職を余儀なくされる人が多いのも一因となっています。
40代になると、自分の老後のこともそろそろ考えなくてはいけない年代です。しかし、上記のような理由で老後の生活資金をためることがままならない人が多いのが現状です。年をとってお金を稼げなくなると、頼みのつなは年金だけになってしまいます。が、少子高齢化が進んでいる日本では年金だけで生活していくことはまず不可能と言っていいでしょう。
現在の日本の年金制度は現役世代が年金生活者を支える仕組みとなっています。
しかし、年金生活者が年々増える一方で現役で働いている世代の人口は減る一方です。
いまの40代が老人になった時を想像すると、かなり暗い気持ちになる人も多いのではないでしょうか。
とはいえ、ただ絶望しているだけでは何も変わりません。40代は若いとは言えませんが老人になるまでには時間的余裕はまだまだあります。貯蓄をすこしでも増やすために役立ちそうなことを今から少しずつ実行していきましょう。
手っ取り早く収入を増やすなら、やはり本業とは別にもう一つ仕事を持つ方がいいでしょう。
海外では仕事を2つ以上持つというのは当たり前の国も多いのですが、日本でもようやく副業を認める企業が出てきました。退職金を払う余裕のある企業が少なくなってきていますし、会社が倒産したら収入のあてもなくなってしまいます。これからの時代、収入を会社からの給料だけに頼るのは危険です。
収入の入り口が複数あれば、どこかの入り口が塞がってしまっても別の入り口からの収入でどうにか生活を維持できる可能性が高くなります。
アルバイトでもいいのですが、最近はインターネットが発達しているので、家に居ながらにして収入を得る手段が増えました。また、インターネットは趣味や遊びを収益に変えることができます。手先が今日であれば趣味で作ったアクセサリーなどをインターネットで売ることもできますし、廃版になって市場には出回っていない本やCDを売る『せどり』も手軽に始めることができます。
小学生の人気職業でもあるYouTuberは一見40代以上には難しそうですが、家族の介護のため、十年以上無職の男性が日常を淡々とつづった動画が幅広い世代の共感を受けて人気YouTuberになった例もあります。人の共感を得るには、必ずしも突飛なことをする必要はないようです。
どんなにお金がなくても、これだけは自分の生活からは外せない!というものは誰にでもありますが、ふとしたきっかけでやめることになっても意外と生活が変わらなかった、むしろ生活の質が向上したという例が多いのも事実です。
ゲームの課金、海外ドラマなどのの配信サービスがいい例です。ゲームやドラマを見ていた時間を読書やスキルアップのための勉強に充てれば副収入を得るチャンスもひろがり、一石二鳥です。
タバコやお酒も一日では大した額になりませんが、一か月、半年単位で計算してみれば、結構大きな出費になっていることに気づくはずです。
タバコ、飲酒は健康を害する原因になります。余計なお金を使わない生活には健康な体作りが欠かせません。深刻な症状が出てきたら医療費もかさんできます。別のストレス解消法を見つけましょう。
また、ポイントカードやクレジットカードもポイントを増やすために必要のないものをつい買ってしまう原因になります。いま持っているカードが本当に必要かどうか一度しっかり見極めましょう。
ポイントをためるより、まずは余計なものを買わないことが一番の節約になります。
長く経済の低迷が続く中、満足のいく収入を得るのは容易ではありません。しかし、何もしなければ収入が上がることがないのも事実です。まずは自分の今の生活としっかり向き合って自分にできそうなことを考えてみましょう。
週に一度、2、3時間だけ今までとちがったアルバイトをしてみる、といった簡単なことでもいいのです。場合によってはボランティアからはじめてもいいでしょう。意外と自分に合った仕事を見つけられるかもしれません。無理はいけませんが、少しずつ自分のできることの幅を広げていきましょう。