お金を借りたい、でも収入が減ってしまってカードローンの審査に通るかわからない、と悩んでいる方も多いのではないでしょうか。
カードローンの審査に通るには、収入を得ていることが必須なので不安になってしまいますよね。
また既にカードローンを利用している方でも、収入が減ると借り入れ限度額が減額されてしまうこともありますから、仕事が減って収入が少なくなってしまった方はとても不安だと思います。
このような場合、無理にカードローンの申し込みをするよりも役所に相談すれば、支援が受けられることがあるのをご存知でしょうか。
今回の記事では、役所でお金の相談をするにはどうしたら良いのか?ということについて紹介していきます。
給料が減って生活が苦しい、失業してしまって収入がない、働きたいのに仕事がない…そんな時、役所で相談をすれば支援してもらえることがあるのをご存知でしょうか。
申し込みを受け付けている窓口は、あなたの住んでいる市区町村社会福祉協議会や労働金庫です。受付は、窓口の他に郵送でも可能です。
自分の住んでいる地域の社会福祉協議会がどこにあるかわからない、という場合はインターネットで「各都道府県 社会福祉協議会 窓口一覧」などのワードで検索してみましょう。
検索すると、全国の社会福祉協議会の窓口(ホームページのURLと住所、電話番号など)を調べることができます。
調べたら、連絡してみましょう。窓口では申し込みに必要な申請書や説明書などを受け取れます。(申請書は、自宅にプリンターなどのある場合は厚生労働省のページからダウンロードも可能です。)
しかしながら所得が減ったから、と言って誰でも貸付が可能なわけではなく、厚生労働省のページには以下のような「貸付対象世帯」が紹介されています。
低所得者世帯 | 他の金融機関からの借り入れも困難であること |
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障害者世帯 | 身体障害者手帳、療育手帳、精神障害者保健福祉手帳など障害者手帳の交付を受けていること |
高齢者世帯 | 65歳以上の高齢者がいる世帯 |
また貸付資金には以下のような種類があり、それぞれに貸付条件などが決まっています。
申し込む場合は、「これに申し込みたい」と自分で決めて申し込むわけではなく、専門の職員が「どれに当てはまるか?」あなたの相談を聞いた上で、サポートしてくれます。
順番に紹介していきましょう。まず総合支援資金は、主に生活のために利用できる資金で、「生活支援費、住宅入居費、一時生活再建費」に分けられます。
総合支援資金 | 利用使途/限度額など |
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生活支援費 | 生活再建までに必要な生活費用/(二人以上)月20万円以内、(単身)月15万円以内・貸付期間は原則3ヶ月(最長で12ヶ月) |
住宅入居費 | 敷金や礼金など住宅の賃貸契約を結ぶのに必要な費用/40万円以内 |
一時生活再建費 | 生活の再建に一時的に必要で、日常生活で賄えない費用、就職のための技能習得費用など/60万円以内 |
次に福祉資金は、福祉用具などの購入のための費用や、障害者用の車の購入のためなど福祉的なことに利用できる資金で、「福祉費、緊急小口資金」に分けられます。
福祉資金 | 利用使途/限度額など |
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福祉費 | 技能習得に必要な経費、住宅の増改築に利用する経費、福祉用具や介護サービスにかかる経費、災害を受けた場合に臨時で必要な経費、冠婚葬祭にかかる経費、日常生活に一時的に必要な経費/最大で580万円以内(資金の用途による) |
緊急小口資金 | 緊急かつ一時的に生活が苦しくなった場合に、貸し付ける小額の費用/10万円以内 |
教育支援資金は、子供の教育のために利用できる資金で、「教育支援費、就学支度費」に分けられます。
教育支援資金 | 利用使途/限度額など |
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教育支援費 | 低所得世帯の家庭の子供が高校や大学又は高等専門学校に修学するのに必要な経費/(高校)月3.5万円以内(高専)月6万円以内(短大)月6万円以内(大学)月6.5万円以内※特に必要と認められればこの上限額の1.5倍まで貸付可能 |
就学支度費 | 低所得世帯の家庭の子供が高校や大学又は高等専門学校に入学する際に必要な経費/50万円以内 |
最後に、不動産担保型生活資金は高齢者に対して貸付を行うサービスで、居住用不動産を担保として生活資金を貸し付けています。「不動産担保型生活資金、要保護世帯向け不動産担保型生活資金」に分けられます。
不動産担保型生活資金 | 利用使途/限度額など |
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不動産担保型生活資金 | 所得の低い高齢者世帯に対し居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける/土地の評価額の70%程度で月30万円以内。貸付期限は借受人の死亡時まで又は貸付元利金が貸付限度額に達するまで |
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 | 要保護の高齢者世帯に対し居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける/土地及び建物の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)で生活扶助額の1.5倍以内。貸付期間は借受人の死亡時まで又は貸付元利金が貸付限度額に達するまで |
ちなみにこちらの不動産担保型生活資金については、いくつかの注意点がありますので、利用の際は確認しておくことが必要です。
さて、ここまで紹介してきたものは、どれも連帯保証人は原則必要となっていますが、立てなくても貸付は可能なので「連帯保証人は誰もいない」という方でも問題ありませんよ。
また貸付金利子についてですが、連帯保証人を立てる場合は無利子、連帯保証人を立てない場合は年1.5%(緊急小口資金、教育支援資金は無利子。また不動産担保型生活資金は年3%又は長期プライムレートのいずれか低い利率)となっています。
連帯保証人を立てる方が年1.5%の利息が付かないで済むというメリットがありますので、立てられる場合は連帯保証人を立てましょう。
連帯保証人を立てる場合、以下のような条件が挙げられます。連帯保証人は、もしもお金を借りた本人が返済ができない事態になった場合に、返済の義務が発生します。
連帯保証人に対しての調査や審査などは行われませんが、よく考えて決める必要があります。
ちなみに、返済が遅れてしまうと遅延損害金が発生し、こちらは残元金に対して年5.0%という利率となっています。
借り入れや支援を申し込む場合、市区町村の社会福祉協議会の窓口に行き、説明を聞いたり申請書をもらったりします。
申請書には必要事項を記入し、以下のような必要書類を揃えて提出します。審査結果は自宅に届き、借りられる状態になると、指定した口座に振り込みが行われます。(貸付まではおよそ2週間〜1ヶ月必要です)
このようにして借り入れができる「生活福祉資金貸付制度」ですが、利息が無い、または低い分、審査も厳しく簡単に誰でも利用できる、とは言い難い制度です。
このため先ほど紹介した条件に当てはまっていても、生活福祉資金貸付制度を利用できない、という可能性もあります。
ここで、生活福祉資金貸付制度の対象外になってしまいやすいケースについて挙げておきましょう。対象外になりやすい方は、以下のようなケースです。
他の世帯の生活福祉資金貸付制度の連帯保証人になってしまっている場合、貸付の対象外となってしまいます。生活福祉資金貸付制度を申請したい場合は、連帯保証人を辞める必要が出てきます。
このため「お金がないから、ただ借りて終わりにしたい」というような、いかにも「返済する気持ちがなさそう」な方は貸付の対象外とされてしまうことがあります。
生活福祉資金貸付制度で借り入れをしたいなら、定期的に行われる面接を受けたり、調査員の自宅訪問に応じるなど、福祉協議会やハローワークの行うサポートに対し、前向きな姿勢でいる必要があります。
そして、住居のない方はこの制度を受けることができません。というのも、「住居があること」がこの制度を受ける前提となっているからです。
現在住む場所のない方は、「生活困窮者 住居確保給付金」などの制度を利用し、住居を持つところから初めてみましょう。
なお、住居というと「一軒家」や「戸建て」のようなイメージが湧いてきますが、賃貸などでも問題ありません。要は、住む場所がちゃんと特定できる状態になればOKです。
借金の借り換えが目的の場合、貸付対象外とされてしまうことがあります。もしも返しきれない借金のために生活に困っている、ということでしたら弁護士や法律事務所などに相談に行きましょう。
弁護士や法律事務所での相談費用に、生活福祉資金貸付制度の貸付を利用することは可能です。
最後に、生活保護を受けている場合は、貸付対象外となってしまうので注意しましょう。これは、同じようなサービスは一度に二つは利用できない、ということですね。
今回の記事では、市区役所などでお金を借りる制度である「生活福祉資金貸付制度」について紹介してきましたが、いかがでしたか?
借り入れまでは1ヶ月以上かかることもあり、カードローンなどの申し込みに比べると長い時間がかかりますが、無利息または年1.5%くらいの利息で利用できるので、収入が減ってしまった方も安心して利用できます。
借り入れには審査がありますが、市区役所で相談を行うことで、就労訓練などその他の支援の案内もしてもらえるので「借りたい」という方は一度窓口へ行ってみましょう。
なお、相談に行く場合は必要なものもあるので、事前に問い合わせて行くと良いでしょう。必要なものの例を挙げると、以下のようなものが挙げられます。
申し込み後の申請には、申請書や住民票、返済計画書など色々な書類が必要となってきますが、担当の職員の方がサポートしてくれるので安心ですよ。
借り入れを行いたい場合は、お住まいの市区町村の社会福祉協議会や労金の窓口へ、一度相談に行ってみましょう。