出産・子育てでライフスタイルの変化を経験する女性は、短くとも長くとも仕事から離れる期間が訪れます。
子育てが一段落したときや、生活費に余裕が欲しいとき、仕事をしてお金を稼ぎたいと考える主婦は多いものです。
とはいえ、一度職場から離れた主婦にとって、家事・育児との両立や年齢など、不安に思ってしまうのも事実。
ここでは、「家で働く仕事」と「外で働く仕事」に分け、それぞれのメリットとデメリットを比較しながら、適した仕事を探っていきます。
さらに、主婦でも稼げる仕事として、8つの仕事を取り上げています。
主婦業のかたわら、就職や転職を考えている人に向けて、分かりやすくご紹介しますね。
主婦が働いて稼ぐには、大きく分けて以下の2つの方法があります。
「家で働く」とは、いわゆる在宅ワークです。ほかにも、サロンやカフェなど、自宅で開業してできる仕事もあります。
「外で働く」とは、企業などに就職し、働きに出る方法です。時間の空いたときだけパートとして仕事をする働き方もあります。
どちらが合っているのかわからないという人は、それぞれが持つメリットとデメリットを確認しておきましょう。
子育て中や介護中など、さまざまな理由で外に出て働くのが困難な場合、家で稼ぐ方法があります。
インターネットの普及で、いまや場所を選ばずにできる仕事も増えてきました。
家で稼ぐには、インターネットを通じて商品を販売したり、自宅で開業してお客さんを呼んだりするなど、様々な手段があります。
【家で稼ぐ4つのメリット】
それぞれのメリットについて詳しく見ていきましょう。
家で稼ぐ場合は、自分自身で働く時間を決めることができるため、時間に拘束されずに空いた時間で仕事ができます。
たとえば、赤ちゃんのお世話をしながらライター(WEB上の記事を書く仕事)をする場合をみてみましょう。
授乳やおむつ替えで毎日大変ですが、空いた時間にパソコンを開いて仕事が始められます。
赤ちゃんがぐっすり眠っているなど、時間が空いてママの体力も十分あるときに、自由に働けるのが魅力です。
家で稼ぐ仕事では、自分が働く時間を、自分である程度調整できる場合がほとんどです。
一方、アルバイトやパートのシフト制だと、週ごとや月ごとに働く日や働く時間をあらかじめ決めて働きます。
そのため、「今週はたくさん働いて稼ごう」、「今月は子どもの冬休みがあるから勤務時間を減らそう」と思っていても、自分の都合で収入を増やしたり減らしたりするのが難しいのが現状です。
家で稼ぐ場合、一日の勤務時間を自分で調整しながら働けるので、収入の調整がしやすいのです。
家で仕事をする場合、面と向かって人と接するのが苦手な人でもできる仕事があり、人間関係での悩みが減らせるというメリットがあります。
たとえば、不要品販売で稼ぐなら、便利なフリマアプリを使用して、スマホ一つで取引相手と連絡がとれます。
アプリによっては匿名で取引ができ、知らない人と関わるのが不安…という方でも安心です。
家で稼ぐ仕事には、インターネットを通じてできる仕事が多く、面と向かって人と関わるのが苦手な人でも働きやすいのが魅力です。
ただし、自宅をカフェやサロンにして開業するといった場合は、接客する場面も出てきます。
人との関わりを持ちながら自宅で働きたい人には、お店の開業が向いているかもしれません。
家で稼ぐ仕事は、メリット1でご紹介したように、「時間の拘束がない」ところがメリットとして挙げられました。
育児中の主婦は、冠婚葬祭、子どもの行事や集まり、病気や入院など、急な予定が入ることもしばしば。
そんなときにも、時間に拘束されず、予定に合わせて仕事がしやすいというメリットがあります。
家事や育児をしながら仕事をする主婦にとって、プライベートと両立しながら仕事がしやすい点は、大きな魅力です。
それでは次に、家で稼ぐデメリットについて見ていきましょう。
【家で稼ぐ3つのデメリット】
それぞれのデメリットについて、詳しく見ていきましょう。
家で稼ぐ仕事は、ある程度自由な時間で働ける反面、収入が不安定になりがちです。
ブログやアフィリエイトの広告収入で、月の目標金額を決めて、同じ時間作業をしていても、なかなか目標金額に届かない時があります。
また、自宅でカフェやサロンを開業しても、お客さんがたくさん来てくれたのは最初だけ…というように、持続的に安定した収入が見込めない場合もあります。
安定的に収入を得るには、コンスタントに集客できる仕組みを作ったり、継続的に仕事に結びつく働きかけをしたり、といった努力が必要です。
主婦が家で稼ぐ仕事には、働いた時間に対してお金がもらえる時給制ではなく、作業した成果に応じてお金がもらえる歩合制が一般的です。
なかには時給制でできる在宅ワークもありますが、時給制であれば収入はコンスタントに得られやすいので、ここでは触れません。
歩合制の仕事では、作業の成果に応じて収入が左右されるため、軌道に乗るまでは、まとまった収入を得にくいのが特徴です。
クラウドソーシングを例に見てみましょう。
クラウドソーシングとは、企業などが企業以外の不特定多数の人に外部委託を行うことです。
クラウドソーシングの仕事では、アンケートに答える案件やデータ作成の案件、Web上の記事を書く案件など、さまざまなものがあります。
アンケートに答える案件では、1件5円~100円など、アンケート内容によって報酬は変わります。
もし、1件5円のアンケートを(1件につき5分かかるとして)、1時間で12件答えたとしても、時給60円という計算になります。
作業の仕方やコツがわかり、効率があがれば、それ以上に稼ぐことも可能でしょう。
このように、どのくらいの作業量でどのくらいの収入が得られるのかを、実際の作業を通して確かめながら進めていくため、軌道に乗って理想の収入を得られるまで時間がかかると言えます。
会社との雇用関係になく、委託を受けて仕事をするフリーランスや個人事業主は、自分で確定申告する必要があります。
会社に勤めていれば、会社側が行ってくれるため、元会社員だった人は「やったことが無い」という人もいます。
確定申告では、1年間の収支報告を行い、納税金額を確定します。
これを行わず、納めるべき税金を納め忘れてしまうと、付帯税(本来納めるべき税金の他に課されるペナルティ)が課されるので注意しましょう。
家で働く場合は、時間の融通がききやすい反面、不安定な収入や税務処理といった大変な面もあることがわかりました。
では、外で働く場合はどうでしょう。
育児が一段落すると、外で働く時間を確保しやすくなります。
子どもが学校や園に通っている間だけ働くなど、アルバイトやパートとして働くこともできるでしょう。
主婦が外で稼ぐメリットやデメリットには、どんなものがあるのでしょうか。それぞれのメリットとデメリットをのぞいてみましょう。
【外で働く2つのメリット】
それぞれのメリットを、詳しく見ていきましょう。
外で稼ぐ場合は勤務先と雇用関係を結んで、月の労働時間数や勤務日数の希望に合わせて仕事をします。
勤務時間を自分で自由に設定しやすい家での仕事に比べて、あらかじめ決まった時間数や日数分は必ず勤務する立場となり、安定して働けるのが魅力です。
外での仕事は、勤務先が自宅とは異なるので、生活や気持ちの面でメリハリがつきやすいのが特徴です。
また、アルバイトやパートでは、その日の勤務時間があらかじめ決められているので、ダラダラと作業をし続けることがありません。
仕事モードと家事モードの切り替えがしやすく、充実感のある時間を過ごせるところが魅力です。
では、デメリットはどんなものがあるのでしょうか。
【外で働く2つのデメリット】
それぞれのデメリットを、詳しく見ていきましょう。
外で稼ぐ場合は、自宅から勤務先までの通勤時間も重要なポイントです。
勤務先に行くまで何時間もかかっていては、その時間でできる家事や子どもとの時間が少なくなってしまいます。
「家事は休日にまとめて行う」など、限られた時間の中で家事と育児を両立させる方法を活用できれば、デメリットの解消につながります。
勤務先では、スタッフの一人として、様々な人と関わりながら仕事をします。
苦手な人や威圧的な人など、自分にとってマイナスの感情を生み出す人とも、うまく協力して仕事をしなくてはならず、苦痛に感じてしまうこともあります。
歓送迎会や飲み会の参加など、気乗りしない場合でも付き合いで参加しなくてはいけない場面に直面すると、ストレスになってしまいます。
このように、家で働く仕事と外で働く仕事では、違った特徴があり、自分が働きやすい方を選択することが大切です。
家で働くか外で働くか、自分に合った稼ぎ方は見えてきましたか?
「人間関係で苦労してきたから、家で働きたい…」という人は、家で稼げる仕事を、「外で刺激をもらいながら働きたい!」という人は、外で稼げる仕事を選択すると良いでしょう。
メリットとデメリットを見てきた中で、自分に合った働き方の方向性が見えてきたら、実際にできそうな仕事を見つけていきましょう。
それでは、「主婦が家で稼げる仕事」と「主婦が外で稼げる仕事」の2つについて、それぞれのおすすめの仕事をご紹介します。
インターネットの普及で、「完全在宅」や「短時間」で働ける仕事の幅が広がりました。
そのなかでも、主婦が家で稼げる仕事として、以下の4つが挙げられます。
それぞれの仕事の中身を見ていきましょう。
自宅で不要になった物を販売して稼ぐのが「不要品販売」です。
フリマアプリを活用すれば、「出品・販売・売り上げ」まで、スマホ一つで簡単にでき、利用者が増えています。
日本最大級のユーザー数で人気の「メルカリ」では、出品の仕方や配送方法まで、画面上に分かりやすく表示されるため、始めやすいのが特徴です。匿名配送で個人情報が漏れる心配がなく、安全に取引できるのも魅力です。
子育て中の主婦であれば、「子どもがサイズアウトした服」や「育児本」、「子どもが使わなくなったおもちゃ」など、家の中で販売対象となる不要品は、割と多くあることに気がつきます。
家の中の片付けが同時にできるので、在宅時間の多い主婦に嬉しい仕事といえます。
裁縫や物作りが好きな人にオススメなのが、ハンドメイド作品の販売です。
作品の制作は自宅で好きな時間にできるため、時間の自由度が高いのが魅力です。
洋服やアクセサリー、雑貨など、得意なジャンルの作品を作って販売します。
作品の販売には、minne(ミンネ)やCreema(クリーマ)といったハンドメイドアプリを活用すれば、簡単に購入者との取引ができ、売り上げにつながります。
趣味の域にとどまらず、「稼ぐ」ことを目標にするなら、「売れそうな商品の制作」と「商品の販促活動」が大切です。
たとえば、入学・入園の準備時期に「通園バッグ」などを販売し、SMSなどを通して作品を紹介する、といった流れです。
オリジナリティ溢れる作品と地道な販促活動で人気が出て、月に100万円以上を売り上げる売れっ子作家も誕生しています。
インターネットを通して仕事ができるクラウドソーシングは、パソコンが使える人にオススメの仕事です。
エクセルを使ったデータ入力や、ワードを使った記事執筆作業など、クラウドソーシングサイト上には、さまざまな仕事があります。
データ入力とは、顧客情報やアンケート結果などの情報をパソコンに入力していく仕事です。単純作業を集中して行うため、ミス無く作業をこなす集中力が大切です。
記事執筆作業は、Web上で公開される記事の執筆を行います。
執筆記事にはジャンルやテーマが決まっていて、「子育て」や「生活」など、主婦でも書きやすいジャンルを選んで執筆することができます。
報酬は、文字単価0.1~3円ほどで設定され、能力に応じて変動します。
初心者の場合は、低い単価でのスタートになりますが、「稼ぐ」ことに重点を置くなら、いかに文字単価を上げるかが重要です。
クライアントとのやり取りはメールが主となるため、面と向かって人と話すのが苦手な人でも働きやすい仕事です。
スマホやインターネットを通して家で稼ぐ他に、自宅で集客して稼ぐ仕事もあります。
自宅の一室などをサロンや教室として開放し、特技を生かして働けるのが魅力です。
改装費用や宣伝費用などの初期費用が心配という人もいますが、収入が増える(事業が軌道に乗る)までは、場所を借りて顧客を増やすという方法もあります。
ネイルや美容の専門技術がある人や、ピアノや書道、ダンスなど、人に教えられる特技のある人にオススメです。
子育て世代であれば、子連れOKの教室(フラダンス教室など)を開講することで、ママ仲間が自然と集まり、人脈と仕事を同時に得られます。
サロン系の仕事には以下のものがあります。
教室系の仕事には以下のものがあります。
上記以外にも、さまざまなサロンや教室があります。
未経験でも挑戦したい場合は、研修を受けたり開業スクールで学んだりして、経営方法について勉強しておくと安心です。
開業に際しては、税務署に個人事業の開業を申告する「開業届」を提出することが義務づけられています。
忘れずに提出するようにしましょう。
次に、外で稼げる仕事について、ご紹介します。
「毎日家にいるのとストレスが溜まってしまう…」、「身体を動かして働きたい」という人にオススメなのが、外に出て働ける仕事です。
主婦が働きやすい仕事として、以下のものが挙げられます。
それぞれの仕事について、詳しく見ていきましょう。
学校や園に通う子どもがいる主婦でも働きやすいのが、飲食店での仕事です。
調理場での配膳やホールでの運搬、オーダー対応など、人と関わりつつ、適度に身体を動かしながら働けます。
ランチ時の混み合う時間帯だけ働くなど、シフトを調整しやすいのが特徴です。
まかない付や育児・介護の支援制度があるなど、各種特典のある飲食店もあります。
自宅の近辺でお得な待遇のある求人を探せば、満足の得られる働き方ができるでしょう。
スーパーやドラッグストアなどでレジを担当する仕事です。
シフトの融通が利きやすく、「短時間でもOK」という求人が多いので、主婦でも働きやすいのが特徴です。
仕事を覚えて効率良く作業ができれば、時給アップにつながります。
仕事帰りには、そのまま自分の買い物ができ、通勤の時間が無駄になりません。
主婦であることを強みとして働ける「家事代行」という仕事があります。
「家事代行」は、食事を作ったり買い物をしたりと、家の人に変わって家事を行う仕事です。
時給相場は1,100~1,500円ほどで、アルバイトやパートで働くよりも高い印象です。
登録する会社によっては、さらに高い時給を支払う所もあり、給与面や待遇面でよく比較することがポイントです。
普段から家事をこなしている主婦として、さらなる技術力アップを目指し、効率良く作業を行うことで家事に対して深い学びを得られます。
普段から家事をするのが得意な人にオススメです。
主婦が短時間で稼げる仕事として、「ご近所ワーク」に注目が集まっています。
「ご近所ワーク」とは、インターネットで登録をし、空いた時間に自宅近くでできる仕事を業務委託形式で行うというものです。
「ご近所ワーク」の魅力は、短時間でも稼げること。
勤務場所の近所に住む登録者に業務委託することで、移動時間や交通費の無駄をなくし、その分が報酬に還元され、高い報酬が得られます。
30分で1500円ほどが相場で、アルバイトやパートよりも時給が良いのが魅力です。
紹介される仕事内容は、「覆面調査員」、「カーシェアリング用の自動車清掃業務」、「物件撮影」、「商品陳列」など、さまざまです。
特別なスキルや経験は必要なく、空いた時間を有効に使えるため、家事や育児に忙しい主婦でも働きやすいのが特徴です。
仕事内容の一つである「覆面調査」を例に見てみましょう。
覆面調査は、空き時間を利用して、飲食店やエステ店などのお店をリサーチし、評価する仕事です。
お店の外観や店内の雰囲気、店員の接客態度など、決められたチェック項目をリサーチしていきます。
特別なスキルを必要としないので、未経験や初心者でも始めやすいのが特徴です。
厚生労働省の統計によると、専業主婦世帯よりも共働き世帯が増えている傾向が見られます。
仕事をする主婦が増えている一方、男女別でみる家事の時間は、男性が1時間未満、女性が3~4時間と、昭和61年からほとんど変わっていません。
主婦が家事や育児をこなしながら仕事をして稼ぐには、自分に合った仕事を見つけて、空いた時間に効率良く働くことが大切です。
家で働くのか、それとも外で働くのかを、今の生活状態からよく考え、働きたい仕事に挑戦してみると良いでしょう。
家で働くメリットデメリット、外で働くメリットデメリットについてまとめたのが以下の表です。
家で稼ぐ | 外で稼ぐ | |
---|---|---|
時間の拘束 | ほとんどなし | あり |
収入面 | 収入額を調整しやすい 不安定 |
収入額を調整しにくい 安定的 |
人間関係 | 悩みにくい (人との関わりが少ない) |
悩みやすい (人との関わりが多い) |
家事や育児とのバランス | とりやすい | とりにくい |
税務処理 | 自分で行うことが多い | 雇用先で行うことが多い |
通勤時間 | かからない | かかる |
この表で、それぞれの項目で希望するところにチェックをつけていくと、自分がどの働き方に適しているのかが見えてきます。
家で働く項目にチェックが多ければ、在宅ワークや自宅開業が向いているといえます。
もう一度、家で稼ぐ仕事と外で稼ぐ仕事を見てみましょう。
【家で稼ぐ仕事】
【外で稼ぐ仕事】
働くことにブランクがあったとしても、特別なスキルを必要としない仕事も登場し、挑戦しやすくなっています。
空いた時間で無理なく稼いで、世帯収入を増やしていきましょう。