あなたも身に覚えがない?お金がない人には共通した特徴があった

常に「お金がない」といつもぼやいている人、あなたの周りにいませんか?そういう人は月末になると決まって借金を申し込んできたり、待ち合わせをしても30分くらい平気で遅れてきたりして、人をイライラさせることもしばしばです。

じつはこれらはお金がない人に共通してみられる特徴です。でも、他人事だと笑っていられませんよ!無駄遣いは人間の脳に組み込まれてしまっている「本能」だからです。大なり小なり人間は無駄遣いをしてしまう生き物なのです。いまお金がない人もそうでない人もつい無駄遣いをしてしまう理由をはっきりさせて、お金がたまる体質に変化させてみませんか?

お金がない人はお財布にこんな特徴が!財布からわかること

長年家計診断の仕事をしている人によると、お金に対する考え方は財布に現れるそうです。お金がない!と年中言っている人の財布の特徴は

①ボロボロ、汚れがひどい
②お札とレシート、割引券が分別されていない

といったことが多いそうです。こんな財布だと、自分の財布に今いくら入っているか把握できません。支払いは財布にお金があるからとりあえず大丈夫という程度の感覚です。

これを毎日のように繰り返した結果、給料前なのに財布は空っぽ、同僚にお金を借りたり、会社の貸与制度を利用するはめになります。

常にお金に困っている人は財布以外にもこんな残念な特徴があります。

  • レシートはもらわない
  • 特売品を買いに行くと、ついほかの物も
  • 誘われたらお金がなくても飲み会に参加する
  • 遅刻が多い
  • 老後のことより目先の利益を優先する

どうもちょっとだらしがなくて、すぐ誘惑に負けてしまう、目の前のことしか考えられない人が多いようです。

これだからお金が溜まらない!お金がない人の考え方は

こういうタイプが今すぐにお金がない状況を脱却しようとするのはかなり大変です。

意志が弱くて目の前の利益しか考えられないので、せっかくファイナンシャルプランナーなど専門家に相談してお金の使い方の計画を提案されても、一週間と続かない人が多いのだそうです。

こんな人はお金の価値を軽く見すぎているため、こんな困ったお金の使い方をしてしまいます。

小さな支出を支出として捉えられない

もともとルーズな性格ですから、数百円~1000円単位の小さな出費は深く考えずに使ってしまいます。考えて使っていないのでお金を使ったという記憶が残りにくく、使った覚えがないのにお金がないという状態がになるのです。

困ったことにこういうタイプの人は変に楽観的で給料日前にお金がなくなったとしてもあまり慌てません。というのも、「なくなったら借りればいい」という考えているからです。こういう人は、現金がない場合は平気でカードで支払いをします。ただでさえ現金がないのに無計画にカードを使うのでいつまでたってもお金がないままです。

お金を出す前に「本当に自分に必要な物か」を考えられるようになるといいのですが…。

見栄はり、負けず嫌い

こういう人は一見人当たりがよく、付き合いのいい人が多いので友人は多いほうです。しかし、付き合いがいい人は他人の目を気にしすぎる傾向があります。たとえば、友人がブランド物を買うと、うらやましくて自分も買ってしまったり、海外旅行に誘われたが、お金がないことを知られたくないので借金して行ってしまったりと金銭的に無理を重ねてしまいます。

こういったことを繰り返していると、最終的にリボ払いを日常的に利用するようになったり、消費者金融でお金を借りるようになってしまいます。ここまでくるとどんなに返済しても借金が減らず、生活が破綻してしまいます。

人と比べることなく、他人が何を買ってどこへ行こうと「自分は自分」という価値観が持てるとようになるといいのですが、価値観を急に変えるというのは難しいようです。

人間が無駄遣いしやすいのは進化の過程に原因があった

1990年以降、行動経済学という学問が注目を浴び急激に発展してきました。従来の経済学と大きく違うのは、「理性」と「感情」が深くかかわっていることです。

それまでの経済学は常に合理的、理性的に経済活動が行われていることが前提となっていましたが、経済行動学は感情に振り回されやすい生身の人間がとる行動とその結果を考察することに重点を置いています。

理性がきちんと働いていれば、無駄遣い・衝動買いをしてお金がなくなってしまうという行動は避けられるはずですが、実際にはできない人が多いのは先述したとおりです。人間はある程度理性的な行動をとることはできますが、それには限度があり、無駄遣いを無駄遣いと認識できないことも多々あるのです。

人間が判断を下すとき、脳内では2種類のシステムが働いていることが確認されています。感情や直感をシステム1、理性や熟慮がシステム2です。脳内ではこの二つのシステムが同時進行で判断や決定を下しているのです。

これらのシステムの中で感情はとても強く働きます。経済行動学では感情を象、理性は像使いに例えられます。感情(象)がいったん暴れだすと、理性(像使い)が抑え込むことは非常に難しいのです。限定品やタイムセールといった言葉を見聞きすると、ついお財布のひもが緩んでしまうのは感情が判断しているからです。

ただ、人間が進化の過程で厳しい生存競争を生き抜いてきたことを考えると、目の前にあるものを我慢できないのは仕方のないことです。目の前においしそうな食べ物があったら、すぐに食べないとほかの生き物にとられてしまったり、腐ったりして食べられなくなってしまいます。ここで決定を下すのは感情・直感です。

しかし、文明が発達した今は非常に厄介な本能といえます。また感情や直感は間違った判断を下すこともしばしばです。間違った判断をしないためには理性を働かせなくてはいけません。

直感や感情(システム1)による間違った考えを「認知バイアス」といいます。それを理性や熟慮(システム2)で抑えられるといいのですが、実際にはかなり難しいようです。これがお金がない人の行動を決定づけているのです。

認知バイアスにはいくつか種類があり、お金のない人は「現在バイアス」が強くはたらいていると思われます。

「現在バイアス」は将来的な価値を極端に低く見積もり、目先の利益を優先してしまうため、欲しいものがあると後先考えず買ってしまうのです。

また、現在バイアスのほかにも「同調バイアス」「サンクスコスト」も無駄遣いの原因になっています。「同調バイアス」は「友達がみんな持っているから」という理由で自分も欲しくなるという考え方を指します。じつはこれも進化の過程で生まれたもので、身を守るために集団行動していたころの名残です。

「サンクスコスト」はすでに費やしたコストや時間、労力を惜しんで合理的な判断ができなくなることです。通販番組などの「今から30分以内電話すると〇%引き」といったうたい文句はこの習性を利用しているのです。無駄だとわかっている習い事も「今までお金と時間を費やしてきたのだから」とついずるずる続けてしまうのも同様です。

ただ、自分がそういった状態に陥っていると認識すれば理性が働き、無駄遣いを減らすことにつながります。

スーパーで安売りを見ても、「店の策略にせられないようにしよう」と衝動を抑えることができます。

お金がない状態を脱出したいなら、脳をあまり使わない方法で

無駄遣いが本能の一部である以上、無駄遣いを急にやめることはやはり難しそうです。

いっそ、頭をあまり使わないでお金を貯める方法を考える必要があります。

一番手っ取り早いのは給与天引きや自動積立など、毎月決まった額を強制的にためる仕組みを利用することです。

自分で貯めようとすると目の前の誘惑に負けてしまいますが、自動的に別口座に移してしまう仕組みを利用すれば最初からないも同然ですから、楽にお金をためることができます。また、最近はレシートの写メをとるだけで家計簿が作れる無料アプリも多数あります。

初心者向け、投資向けなど様々ありますから、自分に合ったものを選んで活用してみるといいでしょう。中にはポイントカードを登録すれば自動的にポイントをためてくれる便利な機能がついたものもあります。

お金がない人の残念な考え方や行動をすぐ帰るのは簡単ではなさそうですが、まずは「変える!」と決心しなければ何も始まりません。自分にできそうなことを少しずつでもいいので始めていきましょう。