お金がない時に買う食材は栄養のバランスをポイントに選ぼう

お金がない時は、どうしてもインスタントラーメンや、ご飯にふりかけなど簡単なもので済ませてしまいがち。1日、2日ならそれでもかまいませんが、何日も続くと体を壊してしまいます。

今はおいしい加工食品が安く手に入りますが、おなかはいっぱいになっても必要な栄養はとれません。お金がない時だからこそ食べ物の栄養を知って、買う食材を厳選する必要があります。

お金がない時こそ栄養のバランスがとれた食事を心がけよう

お金がない時の食事は、いかに安く抑えて量を増やすことに頭がいってしまいますが、食事はただおなかがいっぱいになればいいというものではありません。

2014年の厚生労働省の国民栄養調査によると、低所得者ほど炭水化物に偏った食事をしいて、肉や野菜などタンパク質、ビタミンといった健康に欠かせない栄養が不足しがちだという結果がでたそうです。

実際、低所得者の食生活はインスタントラーメンやスナック菓子など炭水化物と油分が多く、カロリーは高いけど栄養のないものが多くなる傾向があります。自分で食材を調理することもなく、運動量も少ない肥満が多い傾向があります。実は、これは日本だけでなく世界的な傾向です。

野菜やタンパク質を摂る量が少なくなると糖尿病などの生活習慣病を発症する確率が高くなります。充分な栄養も摂れていないので疲れやすく、家に引きこもりがちに…という悪循環を生んでしまいます。

食費を安く抑えようとすると、値段が高めの野菜にはどうしても手が出にくくなります。野菜の収穫量は天候に左右されるので、価格を安定させるのは簡単ではありません。

天候不順の年は野菜の出荷量は少なくなり値段が高騰してしまいますが、少し工夫すればやりくりはそれほど難しくありません。

お金がない時の食材選びのコツ

金欠の時はダイエットついでに食事を抜くという人もいるようですが、これもお勧めはできません。必要最低限の栄養がきちんととれない食生活を長く続けると、今度は肥満とは別の栄養失調をおこして健康を損ねてしまいます。

おなかがすくとイライラして精神的にも不安定になりますから、仕事や勉強の効率も下がってしまいます。ただおなかをいっぱいにするだけの食事も、空腹を我慢するのもどちらも日常生活に悪影響を与えることになるのです。

食費を安く抑えながらも、栄養のバランスを考えた食材選びをする必要があります。食材を選ぶときは

  • 比較的価格が安めで安定している
  • 存在を主張しすぎず料理のバリエーションを簡単にふやせる
  • 食べても飽きない
  • 調理の失敗が少ない
  • おいしい

を基準にして、自分の好みに合った肉、魚、野菜、をバランスよく選ぶといいでしょう。

最低限知っておきたい、お金がない時に買いたい食材とは

では、お金のない時に買いたいお勧めの食材をジャンルごとにあげてみましょう。

健康の基本!タンパク質

タンパク質をまったく取らずに健康を維持することはできません。最低限の食材は常備しておきましょう。

鶏胸肉

鶏もも肉は100g140円くらいですが、鶏胸肉は100g75円ほどと、約半分の値段です。さらに低脂肪、高タンパク低カロリーなのもうれしいですね。

大豆加工食品

大豆は「畑の肉」とよばれるほど、タンパク質が豊富です。脂肪分も少ないのでダイエット中の人でも安心して食べることができます。豆腐は味が淡泊でほかの食材の味の邪魔をしませんから、ハンバーグなどの肉料理の嵩増しにも使えます。

同じく大豆から作る納豆は、タンパク質だけでなくビタミンB2も豊富です。血栓の予防、骨粗鬆症・動脈硬化を防ぐ働きもあるともいわれています。お金がない時以外でも積極的に取りたい食品です。

卵も価格が安くて栄養豊富なのでつねに冷蔵庫に常備しておきたい食品です。ゆでても焼いてもおいしく食べられるので、料理のバリエーションも豊富です。ただ、焼くよりはゆで卵のほうが腹持ちはいいそうです。

サバ水煮缶

青魚であるサバはタンパク質だけでなく、DHA・EPAも豊富にふくまれています。鯖缶は1缶200円~300円程度で買えますし、日持ちしますから安い時に買いだめしておくといいですね。サバ缶は汁にも栄養がたっぷり含まれていますから、残さず使い切りましょう。炊き込みご飯、パスタ、サラダなどいろいろ応用がきくのもうれしいですね。

お財布にやさしい安い野菜編

健康を保つには野菜も絶対にわすれてはいけません。安い野菜の組み合わせを工夫して、栄養のバランスをとるようにしましょう。

もやし

安い時は1袋20円もしないときがあります。にも拘わらず、ビタミンC、食物繊維、カリウムなど健康に欠かせない栄養がたっぷり含まれているお財布にも体にもやさしい食材です。味にも癖がないのでいろいろな使い道があります。使い切れないときは深めの蓋つき容器に水を入れて保存しましょう。水を1日一回取り換えれば1週間ほどは持ちます。

キャベツ

キャベツも量の割には値段が安く、お金のないときの強い味方になる野菜です。ビタミンC,ビタミンU、カリウム、カルシウム、食物繊維が豊富です。炒め物、スープ、お好み焼きなどいろいろな料理が楽しめます。

にんじん

にんじんも1本100円しないうえに長持ちするのでお金のない時にはありがたい野菜です。皮にカロテンが多く含まれているので、皮をむかずに調理するのがいいようです。ゆでるよりは油でいためたり上げたりするほうが栄養の吸収がいいようです。ほかにもカリウム、食物繊維を含みます。

じゃがいも

主成分はでんぷんですが、カロリーはご飯の約半分。意外ですがビタミンCも豊富で、しかも加熱しても壊れにくいので果物より効率よくビタミンCがとれます。ほかにもビタミンB1、ナイアシン、カリウムもふくまれています。

野菜は保存方法をちょっと工夫するだけで意外と長持ちする

野菜はできるだけ多くの種類をとったほうが栄養のバランスがいいのですが、日持ちしないものも多く、買うのを躊躇してしまうこともあります。しかし、その野菜に合った保存法するだけで意外と長く保存することができます。

野菜は「畑で育った状態」で保存すると日持ちするそうです。たとえば葉物野菜は葉先を上にして立てて保存すると鮮度が長く保てます。

じゃがいも、玉ねぎ、かぼちゃなど、は原産地が暑い地域なので冷蔵庫での保存は適していません。直射日光のあたらない、風通しの良い場所で常温で保存しましょう。

大根やかぶのように葉と根が一緒になっている野菜は、葉に栄養をとられてしまうので、買ったらすぐに切り分けて別々に保存すると長持ちします。

キャベツは心から傷んでくるので、ちょっと手間ですが、芯をくりぬいて濡らしたキッチンペーパーを詰めてビニール袋に入れて冷蔵庫で保存すると長く鮮度を保てます。

火を通してから冷凍保存しておくと、調理の手間も省けて自炊がしやすくなります。それぞれにあった野菜の保存を研究しましょう。

ミネラルの宝庫、海藻

海藻は種類によって含まれる栄養も違ってきますが、マグネシウム、ヨウ素、カルシウム、鉄、亜鉛などのミネラルにビタミンB群、食物繊維が多く含まれています。最近の研究では内臓脂肪を減少させる効果も期待できるとか。

海苔や乾燥わかめ、ヒジキは日持ちしやすく、調理も簡単で腹持ちもいいので常備しておくといいでしょう。

お金がない時に食材を少しでも安く買うコツとは

食材を少しでも安く購入したいなら、買うタイミングや店選びも大事です。

店によって安いもの、高いものもありますし、時間帯によって大幅に値下がりする食品もあります。なじみのスーパーは2、3件あるといいでしょう。

また、メーカーにこだわらないのであればスーパー独自のブランドのものを選ぶと安くかうことができます。また、おなかがすいているときに買い物に行くと、あれもこれもとつい、目移りして余計なものを買ってしまうことがあります。

買い物に行くときは空腹はさけましょう。

また、いまある食材を覚えておいて、組み合わせやすい食材を適量買うと余計なお金を使わずにすみます。安いからと言ってあれもこれも買い込むと、結局使わずに捨ててしまうことになります。品切れの心配のない食品であれば、買いだめする必要はありません。

どんなにお金がなくても食事をおろそかにすると、健康をそこね、仕事や生活に支障が出ます。

今あるお金できちんとした食事がとれるよう工夫しましょう。