ローン初心者必見!お金を借りる際に利息について知っておくべきこと

子どもが生まれたので家を購入したい。大学院に行くのにお金が必要。生きていくうえで、どうしてもまとまった額のお金が必要な場面は誰にでもあります。

ローンを借りてこつこつ返済していく選択をする人もいるかと思いますが、ローンには必ず利息が付きます。利息の総額がいくらになるか計算できますか?きちんと把握した上で利用しないと後で大変なことになりますよ!

お金を借りる前に利息の仕組み、返済方法をしっかり勉強しましょう。

まずは基本中の基本!そもそも利息とは何なのか

利息は貸した側がの立場からの呼び方です。利子もよくつかわれますが、利子はは借りた側からの呼び方です。しかし、厳密に使い分けられているわけではなく、金融業にたずさわっていないかぎり、呼び方に関しては深く考える必要はありません。

利息はお金を貸したことに対する手数料です。額は借りた金額、借りる期間などによって違ってきます。金融機関でお金を借りるさいには必ず審査が入りますが、大手企業会社員や公務員など、社会的地位も収入も安定した職業に就いている人は貸し倒れリスクが低いとみなされ、利息は低めに設定されます。

一方、収入が低く安定しないパート勤めの主婦やフリーター、年収が多くても毎月の収入が不安定な自営業は利息が高めに設定される傾向があります。

利息・金利にかかわる2つの法律その違いとは

利息・金利は貸す側が勝手に決めていいというわけではありません。金融業者は法の決めた範囲内以上の利息をつけてお金を貸すことは禁じられています。利息・金利に関する法律は

① 利息制限法
② 出資法

の2種類があります。

利息制限法の利息の上限は

  • 10万円未満……20%
  • 10万円~100万円未満……年18%
  • 100万円以上……年15%

となっています。

これ以上金利を取られることは絶対にありません。

出資法は

上限 年20%まで

と決められています。

これ以上の利息で貸し付ける業者は間違いなく違法業者です。絶対にかかわらないようにしましょう。

これら2つの法律の違いは刑事罰があるかないかです。

利息制限法に刑事罰は適用されませんが、出資法は刑事罰の適用になります。ただし、刑事罰がないから、利息制限法に違反していても営業をつづけていいわけではなく、借りた側から民事裁判を起こされれば、超過した利息は無効となり、返還しなくてはなりません。

利息が超過しても罪に問われない?出したグレーゾーン金利とは

現在は利息制限法も出資法も上限は年20%と統一されていますが、以前は出資法の上限は29.2%となっており、利息制限法の上限とかなり差がありました。これを利用して、利息制限法よりも高い利息で貸し付けるというやり方が金融業界では、あたりまえのようにまかり通っていました。。

これを「グレーゾーン金利」といいます。利息制限法上では超過しているものの、出資法の上限内であれば刑事罰に問われず、借りた側は本来払わなくていいはずの利息を「みなし弁済」として泣く泣く支払い続け、返済できずに自己破産する人も少なくあませんでした。

現在は両方とも上限が20%までと定められており、実質上グレーゾーン金利は撤廃されています。

借りる前に利息の計算をしておけば余計な出費を防げる

利息は返済方法で金額が変わってきますが、ある程度は自分で計算して支払額を割り出すことができます。計算式は

利息額=元金額×金利(利率)×借入期間

利率の単位は日歩(ひぶ)、月利(げつり)、年利(ねんり)があります。日歩は100円に対する1日当たりの利息です。○銭△厘、またはは○.△銭と表記されます。月利は元金1か月あたりの利息の割合を計算したもので、%で表記します。年利は元金1年間の利息の割合を計算しています。こちらも%での表記となります。

利息の計算は年利での計算が原則です(金融業者以外でお金を貸してくれる質屋などでは月利で計算することもあります)。

分割して返済する場合、元金は毎月の返済に応じて減っていきます。それに従い、支払う利息額も少しずつ減っていくので、この場合の計算は

利息額=借入残高×利率×借入期間

となります。この利息の計算は「残債方式」とよばれています。

一方、元金と利息を合わせて毎月一定額を返済する計算を「アドオン方式」といいます。残債方式と比べて計算が簡単ですが、実質金利より低いとの誤解が生じやすいため、割賦販売法ではアドオン金利は実質年率を併記しなければならないという規定があります。

クレジットカードで分割で買い物した場合は実質年率をしっかり確認しましょう。

どっちがお得?固定金利と変動金利のメリットとデメリット

家や車など高額な買い物をする場合は銀行でローンを借りて購入し、毎月分割で返済していくことになります。銀行はローンの利率を貸付期間、借り手の経済状況などをもとに入念に審査して決めます。

担保が不要なローン、多目的に利用できるローン、返済期間が長いローンは利率が高くなる傾向があります。一方で、担保がつくローン、利用目的が限定されているローン、返済期間が短いローンは利率が低く抑えられます。

また、市場や経済の動向によっても利率は変化します。ローンを利用する人が多くなれば利率は高くなり、少なければ低くなります。

ローンの金利は借りる側が固定金利と変動金利のどちらかから選ぶことができるようになっています。固定金利は契約時の利率を変更することなく利息を支払っていくことになります。一方、変動金利は経済情勢や市中の金利などを参考にして金利が変化します。

市中の金利が低い場合はローンの金利も低いままですが、市中の金利が高騰した場合は金利も引き上げられることになるので注意が必要です。

借入期間が短いローンは変動金利になることが多いですが、住宅ローンなど長期に渡って返済する場合は、前述したように固定金利か変動金利かを借りる側が選ぶことができるようになっています。

カードローンローンは自分にあった方法を選んで返済しよう

個人向けのカードローンの返済は多岐にわたります。大きく分けると

  • 元金定額方式
  • 元利定額方式
  • 元金定率方式
  • 元利定率方式

の4種類になります。金融機関により呼び方が微妙に違いますが、利率の計算は一緒です。

元金定額方式

毎月返済する元金を一定にして、そこに利息を足した金額を返済する方法です。返済当初の負担額は大きくなりますが、借入残高が減るにつれ利息の返済額も減少します。

元利定額方式

毎月返済する元金と利息を一定額に固定した返済方法です。毎月の返済額が一定で、計算がしやすい一方で、借入残高の多い返済初期は返済額の利息分が高く、元金の返済があまり進みません。その分、返済期間が長くなり支払う利息が増えるのがデメリットです。

元金定率方式

借入残高に一定の割合をかけた金額を元金とし、そこに利息を上乗せした合計金額を返済する方法です。たとえば、50万円を借り、割合を5%とすると、当初の返済額は

50万円の利息分プラス2万5千円

ですが、返済が進んで20万円を返済する場合の利息は

20万円の利息分プラス1万円

となります。ほかの返済方法に比べ、返済期間が長くなり利息もその分多く支払うことになります。どこかで繰り上げ返済をしたほうがいいでしょう。

元利定率方式

借入残高に一定の割合をかけた金額を元金と利息の返済分とする方法です。50万円を借りた場合、割合を5%とすると、その月の返済額は5万円になり、返済が進んで借入残高が20万円になったときのj返済額は1万円となります。

元金定率方式と同様、返済期間が長くなり、利息の支払いが増えるので、こちらもどこかの段階で繰り上げ返済を考えた方がいいでしょう。

生活の質を向上させる、夢をかなえるためにお金を借りることは決してわるいことではありません。しかし、借りたお金は利息をつけて必ず返済しなくてはなりません。自分の収入と支出をしっかり把握して、無理のない借入をするようにしましょう。