労金でお得にお金を借りる!抑えるべきポイントとは

住宅ローンや子どもの教育費、住んでいる場所によっては車の購入など、人生では要所要所でまとまったお金を借りる必要に迫られることがあります。当然、金融機関に融資を申し込むことになりますが、金利はなるべく少なく抑えたいところです。

そんなときは労金で融資を受けることも選択肢の一つとして考えてみてはどうでしょうか。銀行に比べなじみが薄い労金ですが、銀行より低金利で借りることができます。すでに他行から借りているローンの借り換えも低金利で可能になり、返済の負担を軽減することができます。

まずは、ろうきんと銀行のローンの違いを理解しておこう

労金とは労働金庫の略称ですが、ろうきんとひらがなで表記されることがほとんどです。労働金庫は労働金庫法にもとづいて労働組合と生活協同組合(生協)が運営をしている金融機関です。

業務内容は預金やローンの貸付など銀行とほぼ同じですが、ひとつ大きな違いがあります。それは、営利を目的としないことです。ろうきんは労働組合や生協の会員がお互い助け合うために作られた福祉金融機関という位置づけで、1950年から発足しました。

労働組合と生活協同組合がお互いを助け合うために出資して運営していますが、銀行に出資しているのは株主であり、銀行の利益は株主に還元されています。

労金は47都道府県すべてに店舗があり、店舗総数は620店舗あります。店舗以外にも平日の夕方や休日にローンの相談を受け付けるローンセンターなどがあり、労働組合員、生協会員以外でも利用可能です。一定の収入があれば、パートや派遣、両親の承諾があれば学生でも利用することができます。

ろうきんのローンの種類と特徴を理解しておこう

労金のローンは地域によって少しづつ違いがありますが、主に

  • カードローン(マイプラン)
  • 自動車ローン
  • 住宅ローン
  • 教育ローン

の4種類があります。

カードローン(マイプラン)

マイプランは使途目的自由なので急な出費やまとまった額のお金が必要になった時に便利です。(事業資金、投資目的、負債整理としての利用は禁止)一度契約しておけば繰り返し利用できます。融資可能額は10万円〜500万円までです。融資可能額は審査によって違ってきます。

マイプランの一番の魅力は低金利にあります。銀行のカードローンの金利は3%〜15%が相場ですが、マイプランの金利は3.875%〜8.475%とかなり低めにおさえられています。ただし、金利は所属している会員によって変わるので注意が必要です。

  • 会員種別
  • 金利
  • 団体会員
  • 年3.875%〜7.075%
  • 生協会員の組合員
  • 年4.055%〜7.255%
  • 上記以外の一般の金利
  • 年5.275%〜8.475%

団体会員は、労金に出資している会員のことです。借りる本人が直接出資していなくても勤務先の労働組合が加入していれば金利が適用されます。

企業、国家公務員、地方公務員の団体に所属している人が対象です。

生協会員の場合は所属している生協が労金に出資して生協組合員融資制度を導入していれば組合員とその家族が利用できます。現在生協会員の人は、利用する前に問い合わせてみましょう。

団体会員、生協会員以外で利用できるのは、労金の対象地域に住んでいる、または地域内の企業に勤めていることが必須条件となります。ただし、利用するさいには年会費無料の「ろうきん友の会」の加入と個人会員として1,000円以上の出資が義務付けられています。

マイプランは以下の条件を満たすと金利を3.2%下げられる可能性があります。

  • 労金に給与口座や年金振込口座をつくる
  • 労金で財形貯蓄をおこなう
  • インターネットバンキングを利用する
  • 30歳未満である

利用できる条件は以下になります。

  • 申し込み時の年齢が満18歳以上、満65歳未満
  • 勤続1年以上で、150万円以上の安定した収入がある
  • 保証機関が定める保証基準を満たしている

以上の条件を満たしていればパートやアルバイトでもお金を借りることができます。親の同意があれば未成年者でも利用で可能です。該当するかどうか事前に確認しましょう。

自動車ローン

ろうきんの自動車ローンは以下のことに利用できます。

  • 車・バイクの購入費用
  • 保険
  • 車検
  • 修理
  • 車庫建設
  • 免許取得
  • マリンスポーツにかかわる費用
  • 自転車にかかわるする費用
  • 他行やディーラーの自動車ローン借換

団体会員や生協会員とその家族は金利が優遇され、さらに地域のろうきんによって違ってきます。

中央ろうきんのマイカーローンの金利の例です。

申込人の種類 金利
団体会員 年2.400%(変動金利)

年2.900%(固定金利)

生協会員およびその家族 年2.600%(変動金利)
年3.100%(固定金利)
ろうきんの個人会員 年3.675%(変動金利)
年3.900%(固定金利)

住宅ローン

ろうきんの住宅ローンは自己または2親等以内の親族が居住するための

  • 住宅・宅地の購入
  • 新築資金 、新築、中古マンションの購入資金
  • 住宅、マンションの増改築、リフォーム資金
  • 住宅取得に伴う諸費用にかかる資金

に利用することができます。賃貸用の不動産の取得、リフォームなど事業性、投資目的の利用は禁止されています。

利用するための条件は

  • 申し込み時の年齢が満20歳以上、返済終了時が満76歳未満
  • 勤続1年以上で、150万円以上の安定した収入がある
  • 団体信用生命保険にご加入できる(契約社員・パート社員の方、自営業者等の方も一定
  • の条件を満たせば利用可)

となっています。

借入可能額は30 万円以上 1 億円以内で、1万円単位で借入可能です。

借入金額は審査によって違ってきます。

金利は

  • 変動金利型
  • 上限金利特約型
  • 固定金利特約型
  • 全期 間固定金利型

の4種類があります。上記4種類の金利を2つ組み合わせる「金利ミックス」 も利用可能です。地域によって違いがあるので申し込み前によく確認しましょう。

教育ローン

ろうきんの教育ローンは入学金や授業料など境域資金全般、借り換えにも利用可能な上に銀行の教育ローンに比べ低金利で、元金返済の据置期間もあるので利用しやすいのが魅力です。必要な時にいつでも借入可能なカードローン型教育ローンもあります。

労金の教育ローンは利用条件、金利が全国で統一されていません。地域の事情により利用できる条件が異なっています。こちらも利用する前に管轄のろうきんに問い合わせてみましょう。

ろうきんで借りるメリット・デメリットを理解しておこう

ろうきんは銀行のように営利目的の融資をしていないため、金利が低く抑えられているというメリットがある一方で、手続きが遅いというデメリットがあります。

銀行や消費者金融のローンは遅くとも申込から数日、早い時は即日融資も可能ですが、ろうきんのローンは種類を問わず、審査から借入まで1~2週間かかってしまいます。

また、インターネットから申し込めるローンでも、手続きのために少なくとも2回は店頭に行かなくてはならず、そのために時間を作らなければいけません。

緊急にお金が必要な人には向いていないローンと言えます。

すぐにまとまった額のお金を借りたい場合は、金利は高くなりますが、銀行や消費者金融などのカードローンを利用したほうがいいでしょう。

ろうきんで上手に借りるために注意すべきこととは

ローンを借りる前に、まずは支出額を把握して、月いくらまでの返済が可能なのかしっかり計算しましょう。ろうきんは返済計画の相談にものってくれます。

また、住宅、車など一生を左右するような大きな買い物は日頃から少しずつでも貯金をして、頭金を準備しておきましょう。

低金利でも、借りる額が多くなれば返済期間が長くなり、それだけ金利も多く支払うことになるので家計への負担が大きくなります。

教育ローンの場合は、可能であれば子ども本人にも在学中にいくらか返済させるようにしましょう。子どもが学校を卒業したあとは、親の老後資金も必要になります。現実にいくらまで借りられるのか計算して、家計を圧迫しない範囲での借り入れを心がけましょう。