住宅ローンや子どもの教育費、住んでいる場所によっては車の購入など、人生では要所要所でまとまったお金を借りる必要に迫られることがあります。当然、金融機関に融資を申し込むことになりますが、金利はなるべく少なく抑えたいところです。
そんなときは労金で融資を受けることも選択肢の一つとして考えてみてはどうでしょうか。銀行に比べなじみが薄い労金ですが、銀行より低金利で借りることができます。すでに他行から借りているローンの借り換えも低金利で可能になり、返済の負担を軽減することができます。
労金とは労働金庫の略称ですが、ろうきんとひらがなで表記されることがほとんどです。労働金庫は労働金庫法にもとづいて労働組合と生活協同組合(生協)が運営をしている金融機関です。
業務内容は預金やローンの貸付など銀行とほぼ同じですが、ひとつ大きな違いがあります。それは、営利を目的としないことです。ろうきんは労働組合や生協の会員がお互い助け合うために作られた福祉金融機関という位置づけで、1950年から発足しました。
労働組合と生活協同組合がお互いを助け合うために出資して運営していますが、銀行に出資しているのは株主であり、銀行の利益は株主に還元されています。
労金のローンは地域によって少しづつ違いがありますが、主に
の4種類があります。
マイプランは使途目的自由なので急な出費やまとまった額のお金が必要になった時に便利です。(事業資金、投資目的、負債整理としての利用は禁止)一度契約しておけば繰り返し利用できます。融資可能額は10万円〜500万円までです。融資可能額は審査によって違ってきます。
マイプランの一番の魅力は低金利にあります。銀行のカードローンの金利は3%〜15%が相場ですが、マイプランの金利は3.875%〜8.475%とかなり低めにおさえられています。ただし、金利は所属している会員によって変わるので注意が必要です。
団体会員は、労金に出資している会員のことです。借りる本人が直接出資していなくても勤務先の労働組合が加入していれば金利が適用されます。
企業、国家公務員、地方公務員の団体に所属している人が対象です。
生協会員の場合は所属している生協が労金に出資して生協組合員融資制度を導入していれば組合員とその家族が利用できます。現在生協会員の人は、利用する前に問い合わせてみましょう。
マイプランは以下の条件を満たすと金利を3.2%下げられる可能性があります。
利用できる条件は以下になります。
以上の条件を満たしていればパートやアルバイトでもお金を借りることができます。親の同意があれば未成年者でも利用で可能です。該当するかどうか事前に確認しましょう。
ろうきんの自動車ローンは以下のことに利用できます。
団体会員や生協会員とその家族は金利が優遇され、さらに地域のろうきんによって違ってきます。
中央ろうきんのマイカーローンの金利の例です。
申込人の種類 | 金利 |
---|---|
団体会員 | 年2.400%(変動金利)
年2.900%(固定金利) |
生協会員およびその家族 | 年2.600%(変動金利) 年3.100%(固定金利) |
ろうきんの個人会員 | 年3.675%(変動金利) 年3.900%(固定金利) |
ろうきんの住宅ローンは自己または2親等以内の親族が居住するための
に利用することができます。賃貸用の不動産の取得、リフォームなど事業性、投資目的の利用は禁止されています。
利用するための条件は
となっています。
借入可能額は30 万円以上 1 億円以内で、1万円単位で借入可能です。
借入金額は審査によって違ってきます。
金利は
の4種類があります。上記4種類の金利を2つ組み合わせる「金利ミックス」 も利用可能です。地域によって違いがあるので申し込み前によく確認しましょう。
ろうきんの教育ローンは入学金や授業料など境域資金全般、借り換えにも利用可能な上に銀行の教育ローンに比べ低金利で、元金返済の据置期間もあるので利用しやすいのが魅力です。必要な時にいつでも借入可能なカードローン型教育ローンもあります。
労金の教育ローンは利用条件、金利が全国で統一されていません。地域の事情により利用できる条件が異なっています。こちらも利用する前に管轄のろうきんに問い合わせてみましょう。
ろうきんは銀行のように営利目的の融資をしていないため、金利が低く抑えられているというメリットがある一方で、手続きが遅いというデメリットがあります。
銀行や消費者金融のローンは遅くとも申込から数日、早い時は即日融資も可能ですが、ろうきんのローンは種類を問わず、審査から借入まで1~2週間かかってしまいます。
また、インターネットから申し込めるローンでも、手続きのために少なくとも2回は店頭に行かなくてはならず、そのために時間を作らなければいけません。
緊急にお金が必要な人には向いていないローンと言えます。
すぐにまとまった額のお金を借りたい場合は、金利は高くなりますが、銀行や消費者金融などのカードローンを利用したほうがいいでしょう。
ローンを借りる前に、まずは支出額を把握して、月いくらまでの返済が可能なのかしっかり計算しましょう。ろうきんは返済計画の相談にものってくれます。
また、住宅、車など一生を左右するような大きな買い物は日頃から少しずつでも貯金をして、頭金を準備しておきましょう。
低金利でも、借りる額が多くなれば返済期間が長くなり、それだけ金利も多く支払うことになるので家計への負担が大きくなります。
教育ローンの場合は、可能であれば子ども本人にも在学中にいくらか返済させるようにしましょう。子どもが学校を卒業したあとは、親の老後資金も必要になります。現実にいくらまで借りられるのか計算して、家計を圧迫しない範囲での借り入れを心がけましょう。