生命保険を担保にお金借りる方法が!契約者貸付制度とはどんな制度?

お金を借りる方法、と聞いてあなたならどんな方法を思い浮かべますか?銀行や消費者金融のカードローンで借りる、親に借りる、商品を質屋に持ち込んでお金に換える…など色々な方法があります。

中でもカードローンで借りるのが一般的な方法ですが「消費者金融などはあまり利用したくない」という方も多いと思います。

そのような場合には上記のように、親に借りたり質屋で借りたりするような方法がありますが、その他にも「生命保険を担保にお金を借りる」という方法があります。

この制度は契約者貸付制度という制度ですが、どのような仕組みなのでしょうか。今回の記事では、契約者貸付制度について紹介していきましょう。

契約者貸付制度ってどんな制度?申し込み方は?

契約者貸付制度とは保険の制度の一つであり、加入している保険の「解約返戻金」の範囲内で、保険会社から貸付をしてもらえる制度です。以下のような保険に加入していれば、利用できる可能性があります。

  • 終身保険(保障期間が一生涯続く、掛け捨てではない保険。終身払いと短期払いが選べる)
  • 養老保険(老後の生活資金の備えの1つ。万が一の場合は死亡保険金が受け取れるが貯蓄機能もある)
  • 学資保険(子供の教育資金を準備するものと、もしもの時のケガなどに備えるものがある)
  • 積立保険(貯蓄性のある保険。満期日に満期保険金を一時金や年金で受け取れる)
  • 個人年金保険(生命保険の一種。公的年金とは別に保険会社と私的に契約する年金保険)


契約者貸付制度は、「解約返戻金の一部を一時的に利用する」という方法をとるため、保険を解約した時に支払われる「解約返戻金」のない保険に加入している場合はこの制度を利用することはできません。

つまり契約者貸付制度を利用したい場合は、解約返戻金のある保険に加入していることが第一条件となります。

例えばどのような保険会社でこの制度を利用できるのか?というと、以下のような保険会社が挙げられますが、この他にも利用できる保険会社はもちろんあります。

自分の加入している保険会社が契約者貸付を行っているかどうか、コールセンターなどで一度確認してみましょう。

  • メットライフ生命
  • ソニー生命
  • かんぽ生命
  • 第一生命保険
  • プルデンシャル生命保険
  • 住友生命保険
  • 日本生命保険相互会社など

この制度を利用するには、保険会社によって様々な申し込み方法がある上、商品によっては制度に対応していないということもありますので、まずは問い合わせてから以下のような方法で申し込みをしましょう。

  • 担当者に問い合わせる
  • 店舗へ来店して申し込む
  • コールセンターで依頼する
  • インターネットから
  • 保険会社のスマホアプリ
  • 書類を郵送して手続きをする
申し込む前には、自分の保険の証券記号番号の確認をしておくと、スムーズに申し込みができますので、忘れず手元に準備しましょう…申し込む際は、まずは「契約者貸付制度を利用したい」という連絡をします。

申し込みを行うと、必要書類が送られてくるので、こちらに必要事項を記入し、提出します。

…以上で手続きが完了となります。借り入れまでは大体、申し込み後の手続きから、一週間前後です。どのように借りるかというと、指定の口座に振り込みが行われる形となります。

借り入れ限度額に関しては、解約返戻金の7割から9割を上限とする場合が多いようです。このため限度額は人それぞれ異なります。

なお、スマホアプリのある保険会社では、以上のような手続きが申し込みから借り入れまで、全てネット上で行える場合もあります。

スマホアプリなら、ネット環境さえ整っていれば、場所や時間も選ばずに自分の都合の良い時間に申し込みや問い合わせが可能なので、とても便利です。

「スマホアプリで手軽に申し込みたい」という方は、問い合わせの際に、アプリが用意されていないか?ということも合わせて確認しておくと良いでしょう。

手続きには以下のような書類が必要となります。申込書や請求書については、保険会社の所定のものがあるので、送ってもらうようにしましょう。

  • 契約者貸付申込書
  • 契約者貸付金請求書
  • 本人確認書類(運転免許証、パスポート、健康保険証など)
  • 印鑑証明書など
貸付は無利息ではなく、所定の利息がかかりますので要注意です…利息の割合は1%台〜7%台と保険会社によって幅があり、会社によっては消費者金融のカードローンなどで借りるより安い場合もあります。借りる際にはよく貸付条件などを確認しておくことが大事です。

さて、返済方法ですが以下のような方法が挙げられます。いくつかの方法がありますので、自分の返済しやすい方法で返済をしましょう。

  • コールセンターへ電話する
  • 保険会社へ来店
  • ATMから返済
  • 保険会社のサイトなどから返済
  • インターネットバンキング
  • 銀行振り込み
  • 振り込み用紙に記入して銀行や郵便局の窓口から


ちなみに、利息は長期間借りているほど、また借りている金額が大きいほど膨らみます。元金(借りた金額)の他に余計なお金を支払いたくない、という方はなるべくこまめに返済し、早めの完済を目指しましょう。

契約者貸付制度の利用はよく考えて!注意すべき点は?

以上のように、解約返戻金のある保険に加入していれば利用できる契約者貸付制度ですが、利用する際の注意点について紹介しておきましょう。注意点は大きく分けて2つ挙げられます。

  • 保険金が必要になった時に必要な金額が受け取れない可能性がある
  • 返済が滞ると保険契約が失効する


この制度は解約返戻金から借りるため、長期に渡って貸付を受けている場合や、大きな金額を借りている場合、解約返戻金が必要になった時や保険金が必要になった時に、予定していた金額が受け取れないという場合もあります。

このような状態を避けるためには、借り入れは計画的に行い、借りたものはなるべく早めに返済をする…ということがとても大切です。

また、返済が滞ってしまうと保険契約自体が失効してしまうこともあります。特に借り入れ金が解約返戻金の額を超えてしまうような場合は要注意です。

その他、「お祝い金」などが用意されている商品の場合、お祝い金から返済額が差し引かれてしまうこともあります。

以上のような様々なデメリットが挙げられるため、契約者貸付制度を利用するならごく短期間での利用がおすすめです。

長期に渡る利用をすると、上記で紹介した通り、もし保険金が本当に必要になった時「これだけしかもらえないの?足りない!」という危険性が出てきます。

契約者貸付制度を利用する場合、借りたらなるべく早めに完済する、ということを常に心がけて、ダラダラとした利用は避けるようにしましょうね!

ちなみに、契約者貸付制度の利用には審査はなく、個人信用情報にも記録が残りません。本人確認書類の提出はありますが「審査がない、信用情報に記録が残らない」という点だけは、カードローンを利用するのとは一番の大きな違いと言えます。

契約者貸付制度で借り入れをする場合の特徴…

借り入れ限度額 解約返戻金の7〜9割が上限
年利 保険会社によって1%〜7%
担保 不要
審査 なし
信用情報機関への登録 なし
申し込み方法 ネットや窓口、郵送などで一週間程度で借り入れ可能

契約者貸付制度を利用するなら短期間で計画的に

今回の記事では、契約者貸付制度について紹介してきましたがいかがでしたか?契約者貸付制度は便利な制度ではありますが、様々なデメリットもあります。

まずは、長期に渡って利用していると予定していた金額がもらえない場合があること、そして、返済が滞ると保険が失効してしまう場合があることです。

利用する際はなるべく短期間で計画的に利用するようにし、できるだけ早めに完済するように心がけましょう。

利用方法については、保険会社によって申し込み方法が異なりますので、コールセンターなどに問い合わせをして確認する必要があります。

保険会社によっては、インターネットやスマホアプリなどで申し込みから借り入れまでの手続きが全て完了できることもありますよ。

返済を行うにも、インターネットバンキングからの返済や銀行振り込み、ATMから返済するなど様々な方法があり、便利に返すことが可能です。

契約者貸付制度は商品によってはカードローンを利用するよりも、利息が低い場合もあり、お得に利用できる商品です。

しかしながら、ダラダラと長期に渡る借り入れなどを行っていると、様々なデメリットもあります。

利用するなら一時的な利用にとどめ、返済は自分の返しやすい方法で、なるべく早く完済するようにしましょう。