どんなに節約してもどうしても今月はお金が足りない!消費税が10%になり、物価も値上がり続き、住宅ローンもあるし…こんな人は多いのではないでしょうか。背に腹は代えられませんから、どうしても足りないときは少々借金しなければならないこともあるかもしれません。
そんな場合は、自分が加入している生命保険の契約を見直してみましょう。生命保険は契約内容によっては今まで積み立てた保険料を担保にお金を借りることができる「契約者貸付制度」という制度があります。
ここでは日本生命を例にとって「契約者貸付制度」を詳しく説明します。
生命保料は、解約したさいに「解約返戻金」が戻ってくる契約内容の商品があります。生命保険には加入者が支払った保険金を財源とする「死亡保険料」、加入者が生存中に受け取れる保険金の財源になる「生存保険料」、手数料の「付加保険料」の三種類があります。
また、契約者貸付制度を利用できるのは、保険の契約者のみです。配偶者や被保険者であっても制度を利用することはできませんから、注意が必要です。
契約者貸付制度を利用しする場合、保険を解約する必要はありません。解約返戻金は、保険料の支払いが終了すると、ほぼ同額が返済されます。
途中で解約してしまうと解約返戻金もかなり減額されてしまいますから、将来のことを考えると、解約はしない方が賢明なのは言うまでもありません。
また、保険は一度解約して、再び入り直すと年齢が原因となってが保険料が上がってしまったり、健康状態によっては加入することもできなくなるので、万が一病気になったときの備えが充分にできなくなる可能性もあります。
契約者貸付制度の金利は、保険会社や保険金額によって違ってきますが、利息は2~6%程度に抑えられています。金利が低い分、返済する金額も小さくなるので子育て中の家庭は大助かりですね。
毎月決まった額を決まった日に返済する必要はなく、返済額、返済時期を自分で決められるのも契約者貸付制度のも魅力です。自分が今まで積み立ててきたお金を担保にするので、銀行のローンのように時間のかかる審査もありません。
日本生命で「契約貸付」制度のある商品は以下になります。
保険の名称 | 保険の内容 | 解約返戻金の注意点 |
---|---|---|
ニッセイみらいのカタチ | 終身保険・養老保険・年金保険 | 契約内容によっていは契約者貸付制度は利用ことがあるので注意 |
ニッセイこどもの保険 げ・ん・き | こども保険 | 契約時に解約返戻金がつかない場合もある。こども祝い金の金額によって解約返戻金の額は変動するため、契約者貸付制度が利用できないこともある |
ニッセイ学資保険 | 学資保険 | 契約時に解約返戻金がつかない場合もある |
貸付利率は基本的には3.75%ですが、金融情勢によっては変動することもあります。
正確な金利が知りたい場合はこちらも窓口で確認をとりましょう。
契約者貸付を利用するなら、自分がどの種類の保険に加入しているのかを事前に調べる必要があります。契約時から何年も経っていて、保険の内容を忘れてしまったという人は保険の契約書や保険證券を探し出して、日本生命の契約者窓口で問い合わせてみましょう。
また、日本生命は契約者に「ご契約内容のお知らせ」という郵便物を定期的に送付していますから、その書類でも保険の内容を確認することができます。
生命保険は契約内容、契約年数で借入可能金額が違ってきます。正確な借入可能額を知りたいのであれば、
の手順で借入可能額を確認することができます。
ただし「ご契約者さま専用サービス」は、事前に住所、証券番号や取引口座(送金口座)、保険料の支払い方法などの契約者の情報を登録しておかなければ利用できません。利用するまえに登録に抜けがないか確認しておきましょう。また、日本生命のアプリをスマートフォンにダウンロードしておけば、そこからも確認が可能です。
電話での自動取引サービス(はいっ!TEL)でも利用残高の確認が可能ですが、2020年9月19日でこのサービスは終了します。
今後のためにも登録はしっかりとしておいたほうがいいでしょう。
契約者貸付も「ご契約者さま専用サービス」で手続きできます。ただし利用可能時間、引き出し限度額があるので注意が必要です。
申し込みした曜日、時間によって着金日は違ってきます。月曜日~金曜日(日・祝日を除く)の8時~14時30分までに手続きした場合は、当日中に登録口座に振り込まれます。14時30分以降の手続では翌日の振り込みとなります。
土日祝日に手続きした場合は、翌営業日の振込となります。また、ゆうちょ銀行を利用する場合は、手続き時間に関係なく翌日の振込となります。土日祝日に手続きした場合は3営業日後に振り込まれます。
返済方法はインターネットバンキング、ペイジー、コンビニエンスストア、クレジットカードから選ぶことができます。一回の返済限度額は1円~100万円まで(コンビニエンスストアの場合は30万円まで)で、一円単位で返済することができます。自分にあった返済額、返済方法をあらかじめ決めておいて、少額でもいいので定期的に返済するようにしましょう。
自分が積み立ててきたお金を担保にするといっても、お金を借りていることに変わりはありません。きちんと返済しないと思わぬ損失につながることもあります。たとえば、長い間返済を放置すると、利息が増え、最悪な場合、借入残高が解約返戻金を上回ってしまう可能性があります。
そうなると一括返済を求められるばかりでなく、保険そのものも解約されてしまう危険性があります。
利息分だけでも返済は毎月行うようにしましょう。
また、契約者貸付制度を利用している最中に保険金が支払われる事態になった場合、保険金と借入金が相殺されることがあります。
たとえば500万円の保険金が受け取れる場合でも、100万円を借りていると500万円から100万円と利息が差し引かれてしまい、満額を受け取ることができません。
上記のことは日本生命の契約者貸付制度ばかりでなく、すべての生命保険の契約者貸付制度に当てはまります。返済時期、返済金額が自分で決められるという自由がある分、自己責任が大きく問われることになるのです。
将来自分の大事な人に十分なお金を残してあげられない、という事態を避けるためにも、返済計画は事前にしっかりと立てておきましょう。