給料ファクタリングとは何か?カードローンとどう違うのか知りたい!

給料前なのにどうしてもお金がたりない!SNSで給料ファクタリングという方法ですぐお金が借りられるって見たことがあるけど、申し込んでみようかな?と思ったあなた!給料ファクタリングの仕組みをちゃんと理解していますか?

売掛債権が何かわかりますか?ファクタリングは売掛債権を担保にした企業向けの事業資金調達の一つです。ファクタリング業者がどうやって利益を得ているか説明できますか?

そこがわからないまま借りると、後でとんでもないことになりますよ!とくにSNSだけで契約しようとしている人は悪徳業者のいいカモになっていることを知ってください。

そもそもファクタリングとはどういうものなのか

本来ファクタリングは、銀行に融資を申し込むほどではないけれど、少しまとまった額の資金が欲しい零細企業や個人事業主が利用する金融サービスです。お金の必要な零細企業や個人主がファクタリング業者に売掛債権を買い取ってもらい、ファクタリング業者はその手数料をもらうことで利益を上げています。

比較的新しいサービスですが、最近では申込総額が100億円を突破するファクタリング業者も出てきており、利用者が急激に増えています。ファクタリングは自社とファクタリング業者で取引する2社間取引と自社・ファクタリング業者・取引会社で契約を取り交わす3社間取引の2種類があります。

2社間ファクタリングの契約の手順は、

①現金の欲しい企業・事業主がファクタリング業者に売掛債権を売却
②ファクタリング業者が手数料を差し引いた残り額を支払う
③売掛金が入ったらファクタリング業者に支払いをする

となります。

3社ファクタリングの場合は請求書の支払先がファクタリング業者になります。ただし、取引先が支払先をファクタリング業者にすることを同意しなければ、契約は成り立ちません。

給料ファクタリングはどういう人が利用するケースが多いのか

このサービスをそのまま個人向けに転用したのが給料ファクタリングです。

給料ファクタリングはその名の通り、給料をもらう権利をファクタリング業者に買い取ってもらうことで現金を融通してもらうサービスです。ここ数年給料ファクタリングを利用する人が急増しているといわれています。個人がお金を借りる方法は銀行のカードローンや消費者金融でのキャッシングなどがありますが、何が違うのでしょうか?

カードローンやキャッシングは審査があります。身分証明書などの書類をそろえる必要がありますが、最近は自己破産件数が増えたため、銀行の審査は厳しくなってきています。パートやフリータなど収入が不安定な人は審査に通ることが難しくなってきました。

給与ファクタリングにも審査はありますが、給料をもらっていることを証明すればいいので、銀行の審査よりもハードルはかなり低くなります。また、ファクタリングは借入ではないため、信用情報を調べられることもありません。過去に自己破産や任意整理など金融事故を起こしている人でも一定の給料をもらっていることが証明できれば、利用することが可能です。

給料ファクタリングは、カードローンの審査に通る見込みのない人が急な現金が必要になったときの資金調達先として重宝されているようです。また、在籍確認ない業者も多いので、お金に困っていることを周囲に知られずに済むことも人気のようです。

給料ファクタリングも仕組みは企業向けと変わらない

給料ファクタリングも企業向けファクタリングも仕組みはほとんど同じです。ファクタリング業者に売るのが売掛債権になるか、給料になるかの違いだけです。企業向けファクタリング同様、2社間給与ファクタリングと3社間給与ファクタリングの2種類があり、三社間ファクタリングを申込む場合は、勤め先に給与の振込先をファクタリング業者にすることを同意してもらう必要があります。

給料ファクタリングの手数料はどのくらい?借入上限額は?

給料ファクタリング業者は全国で80社ほどあるとみられています。中小の消費者金融が給料ファクタリング業に手を広げたり鞍替えしていることも珍しくありません。手数料の設定額は幅広く、最低では5%代のところもありますが、1桁の手数料ではほぼ利用することができません。

20%~40%くらいが相場になっています。

利息ではなく、手数料となっているのでわかりにくいですがこの手数料はカードローンの手数料に直すとかなり高額です。そのためか、借入上限額もカードローンやキャッシングに比べるとかなり控えめで、1万円~10万円までが一番多くなっています。業者によっては給料の20%~40%までなど独自の基準を設けているところもあります。手数料が高額な割には借りられる額はかなり定額です。

総合的に見て、給料ファクタリングは資金調達の方法としてはあまりおすすめできません。

注意!3社間給料ファクタリングは違法行為の可能性がある

また、給料ファクタリングは法的にかなり黒に近いグレーな部分もあります。

3社間ファクタリングは給料の支払先をファクタリング業者に認めてもらう必要がありますが、労働基準法では、給料の支払いは原則直接支払いと定めているので、債権譲渡したとはいえ、従業員以外の第三者に支払うことは禁じています。

もし給料ファクタリング業者に企業が支払いをしたことが明るみに出ると、企業が労働基準法違反に問われることになります。

このため、企業によっては雇用時に給与の譲渡を雇用契約時に明記しているところもあります。

契約に譲渡禁止が入っていなくても借金の事実が勤め先にばれたら、やはり印象が悪くなってしまうのは否定できませんし、万が一トラブルに巻き込まれたら懲戒免職など社会的信用を失う事態にもなりかねません。

また、ファクタリングの手数料はカードローンなどの利息のように法できちんと規制されていません。

そのため、給料ファクタリングは法の抜け穴をついた悪質な行為と明言する弁護士が多いのも事実なのです。

要注意!SNSには悪徳給料ファクタリング業者がはびこっている

ファクタリング業界は一般社団法人「日本ファクタリング業協会」が自主規制機関があり、給料ファクタリングを巡る相談が2000年ごろから多く寄せられるようになったそうです。

6万円を借りた女性会社員がわずか1か月ほどで返済額が月13万円になり、半年後にはついに自己破産してしまったケースもあります。

また、法の目が届きにくいため、SNSでは違法業者が様々なうたい文句で「融資」をもちかけています。パチンコが原因で信用情報のブラックリストに載り、借入ができなくなったある若い男性は即日融資の言葉につられて借りたものの、すぐに返済に行き詰るようになりました。

そのときの借入額は10万円でしたが、融資の条件は一か月後には手数料を含む15万円の返済でした。ほどなく彼は返済に行き詰り、弁護士に助けを求めました。彼の支払っていた手数料は利息に換算すると600%。にもなりました。利息制限法の上限20%をはるかに超える額でした。もちろん違法業者です。

カードローンのように煩わしい審査もなく短時間で借りられるので、前借感覚で手を出してしまい、後で支払いができなくなる人が続出しているのです。

ファクタリング自体は合法的な資金調達です。企業や個人事業主が事業を回すための資金調達としてファクタリングを利用するには、何の問題もありませんが個人が高額な手数料を払うファクタリングを頻繁に利用するのはやはり無理があります。

個人向けでも合法的に適正な手数料で融資している業者もありますが、違法業者も数多く存在します。SNSで「即日融資可」「最短5分で借入可能」などのうたい文句で近づいてくる業者には絶対に近づかないようにしましょう。