給料ファクタリングとは?給料の前借りとの違いを解説

「給料ファクタリング」や「給料の前借り」という言葉を聞いたことがあるでしょうか。

どちらも給料日よりも先に給料を受け取れるサービスのことです。

しかし給料ファクタリングの利用には注意点が必要です。

なぜなら給料ファクタリング業者に装ったヤミ金や高額な手数料を請求する悪徳な業者が存在するなど多くの問題点があるからです。

今回は冠婚葬祭や突然の病気などで急な出費ができ、給料を事前に受け取りたいと考えている方へ給料ファクタリングと給料前借りサービスの違いや利用する前に知っておきたい注意点について解説していきます。

給料ファクタリングと給料の前借りの違いを解説

給料ファスタリングと給料前借りの大きな違いは貸し手が異なることです

  • 給料ファクタリング:ファクタリング業者
  • 給料の前借り:給料前払いサービスと提携したお勤めの会社

それでは2つの詳しい違いについて見ていきましょう。

給料ファクタリングとは

給料ファクタリングとは毎月会社から個人へ支払われる給料を債権として、その給料債権を事前に給料ファクタリング業者に買い取ってもらい、給料日前に現金化するという仕組みです。

給料ファクタリング業者は、給料債権の買取の際に手数料を受け取ることで収入を得ています。

 この手数料が問題となることが多く、給料ファクタリング業者にグレーな形態の業者が生まれる原因となっています。詳しくは後ほど解説します。

給料の前借り

続いて給料の前借りについて解説します。

給料の前借りは労働基準法第25条にも定められており、非常時に給料を給料日前に受け取ることができる仕組みのことです。

しかし、この給料の前借り制度は働いた給料に対して適応され、これから行う分の労働は対象外です。

そんな問題点を解決するために誕生したのが給料前払いサービスです。給料の前借りは会社と個人とのやり取りでしたが、給料前払いサービスは会社と契約した給料前払いサービス業者が給料を給料日前に支払うサービスのことです。

給料ファクタリングの特徴

給料ファクタリングには一般的な借入や給料前借りとは違う特徴があります。

ここでは給料ファクタリングの特徴について見ていきましょう。

審査はほとんどなく即日振込

給料ファクタリングは企業に勤めていれば、ほとんど審査なく利用できます。

また即日入金もできるため、緊急でお金が必要な際には便利なサービスです。

また、給料ファクタリングはカードローンとは違い会社への在籍確認がないのも特徴です。面倒なやり取りをせずに利用できる面で優れているように見えます。

個人信用情報がブラックリストでも利用可能

給料ファクタリングは給料債権を買取って事前に現金化するサービスであり、借入れではありません。

そのため過去にクレジットカードの滞納やカードローンの返済でトラブルがあり個人信用情報がブラックリストに登録されている場合でも利用可能です。

個人信用情報機関に履歴が残らない

通常お金を借入れると個人信用情報に最大5年間記録されます。先ほども説明しましたが、給料ファクタリングは借入れではありません。

そのため給料ファクタリングの利用履歴は個人信用情報機関には残りません。

グレーゾーン?給料ファクタリングの問題点を解説

給料ファクタリングの特徴をみるとメリットばかりのように思えますが、ファクタリングサービスには問題点があります。

給料ファクタリングについてはまだ法律が整備されていません。

そのためグレーゾーンの悪質な業者も存在しているのが現実です。給料ファクタリングの問題点を見ていきましょう。

手数料が高額

 通常カードローンや銀行ローンで借入を行う場合は利息制限法という法律の上限金利によって、金利の上限は年利20%と定められています。

しかし給料ファクタリングは借入れではないため、利息制限法の上限金利が適応されません。

給料ファクタリングの手数料の相場は10%〜20%です。これを年利に置き換えると上限金利をはるかに上回る150%〜200%になります。

 中には年利が600%という事例もあり利用する際は注意が必要です。

給料ファクタリングについての規制がないため、自主規制機関として日本ファクタリング業界がファクタリング被害110番を立ち上げ注意を呼びかけています。

3社間ファクタリングの場合は会社への連絡がある

給料ファクタリングには、2社間ファクタリング、3社間ファクタリングという2つのタイプのファクタリングがあります。

2社間ファクタリングは利用者とファクタリング業者とのやり取りで完結するタイプのファクタリングの仕組みです。

一方で3社間ファクタリングとは利用者とファクタリング業者と会社との3社間でやり取りをする仕組みです。そのため3社間ファクタリングの場合はファクタリング業者とお勤めの会社が契約を結ぶ必要があるため、会社にバレてしまうというデメリットがあります。

ヤミ金が運営している

給料ファクタリング業者にはヤミ金が関わっていることが少なくありません。

給料ファクタリングは貸金業に当たらないため、貸金業法が適応されません。

通常の貸金業の場合は参入に条件がありますが、給料ファクタリングの場合は参入に対して明確な規制がないため、高額な手数料やひつこい取り立てなどヤミ金が運営する業者が存在します。

また給料ファクタリングの被害による相談も年々増加しているため、原則として利用は避けた方が良いでしょう。

どうしても給料の前借りをしたい場合の対処法

ここまで給料ファクタリングについて解説してきましたが、給料ファクタリングは限りなく違法に違いグレーなサービスです。そこでどうしても給料前にお金が必要な際に安全にお金を借りる方法を紹介します。

給料ファクタリングではなく給料の前払いサービスを利用

給料を事前に受けたりたい場合は、給料ファクタリングではなく給料の前払いサービスを利用しましょう。

給料の前払いの申請やサービスを利用すれば手数料は0円〜年利5%ほどで利用でき、ヤミ金などが関わってくる給料ファクタリングとは違い安全に利用することができます。

カードローンやクレジットカードのキャッシングを利用

カードローンやクレジットカードのキャッシング機能を利用すれば、前払いのサービスに比べると金利がかかってきますが、法律のもと安全に借入れを行うことができます。

給料の前払いサービスを利用する場合は、借入できる金額は給料分になります。しかしカードローンを利用すると年収の3分1まで借入れができるため、必要な金額が多い場合はカードローンの利用も検討すると良いでしょう。

ただし返済のことまで考えて無理な借入れには気をつける必要があります。

家族や友人に相談して貸してもらう

少額の借入れならば、家族や友人に相談して貸してもらうという方法もあります。

ただし個人間でのやり取りは問題に発展しやすいです。そのため親しい間柄でも書面での契約書を結び、返済期限はしっかり決めるなど管理は徹底するようにしましょう。

個人でのお金のやり取りは信頼と管理能力が試される方法でもあるため、日頃の関係性や信頼がないとできない方法でもあります。

給料ファクタリングと給料の前借りの違いまとめ

給料ファクタリングと給料前借りの大きな違いは貸し手が異なることです。

  • 給料ファクタリング:ファクタリング業者
  • 給料の前借り:給料前払い業者と提携したお勤めの会社

一見すると給料ファクタリングは融通が効き便利なサービスのように見えますが、規制がないことから悪質な業者も多いため利用はおすすめできません。

緊急で給料日前にお金が必要な時は、給料の前借りや給料前払いサービスを利用しましょう。また少額であればカードローンやクレジットカードのキャッシング枠の利用も検討してみてください。