社会人2年目でお金がないのは仕方がない?打開策はあるのか

社会人2年目はようやく仕事も覚え、ボーナスも支給されるようになり生活にも余裕が出てくるときと思いきや、実際はそうでもないようです。社会人2年目は2年目特有の壁にぶつかり、お金がない人が多いのです。

とはいえ、まだ若いのですから何かしら打破する方法はあるはずです。社会人2年目のお金事情を見ていき、お金のない現状を打破する方法を考えてみましょう。

社会人2年目はいくらぐらい貯金しているのか

社会人2年目では、まだ経験も浅く収入が1年目から劇的に増えることはまずありません。社会人2年目の月収は18万円~30万円くらいといわれています。平均すると25万円前後くらいでしょうか。

貯金額は会社の業態、規模、業界の景気、一人暮らしか実家から通勤しているかによって大きく変わります。ある会社の調査によると、社会人2年目の約半数が25万円~50万円程度貯金できているそうです。100万円以上貯められた人は全体の20%前後でした。

ただ、全く貯められなかった人も20%ちかい数字になっているのは気になります。

貯められた人と貯められなかった人の差がかなり激しいようです。

社会人も2年目になるとボーナスが支給されるようになり、1年目よりもう少し貯金額がアップする人がいてもよさそうな気がしますが…。貯金がなかなかできない人にはどんな理由があるのでしょうか。

社会人2年目になってもお金がない理由とは

社会人2年目でお金がない理由の一つには「住民税」の支払いが発生することにあります。

住民税の納税額は前年度の1年間の収入をもとに算出されます。社会人1年目の場合は前年は学生だったので、住民税をとられることはありません。しかし、社会人2年目になると昨年の収入をもとに住民税を取られることになり、その額は前年の年収の約10分の1に相当します。仮に去年の年収が300万円だったとすると翌年にはおよそ30万円を支払わなければならないことになります。

実家暮らしならともかく、毎月の家賃や生活費に上乗せして30万円の税金を払うというのはかなりの負担です。給料が安いうえに税金がのしかかるため、思うように貯金できていない社会人2年目はかなり多いはずです。

就職先が決まって、一人暮らしを考えている人は2年目以降は大きな出費があることを覚悟しておく必要があるのです。そこのところを考えて物件を探した方がいいでしょう。

奨学金の返済が生活を圧迫している

なるべく家計に負担をかけたくないと奨学金を受ける学生は年々増えてきています。不景気がながびき、親の収入が低いまたは安定的でない家庭が多い中、これは当然のことと言えます。

奨学金の返済は10年以上に及ぶことも少なくありません。

返済が続いているうちはなかなかお金がたまらないのは仕方のないことといえます。奨学金を受けた人の中には18年もかけて返済する人もいます。奨学金の返済が滞って自己破産に追い込まれるケースも増え続け社会問題となり始めています。

なかなかお金がたまらないのはお金の使い方にも問題あり?

社会人2年目になると、社内でもそろそろひとり立ちを求められますが、それにともないストレスもかかってきます。このストレスが原因で散財してしまう人も多いようです。ストレス発散の手段として毎晩のように同僚たちと飲み歩き、交際費が嵩んでしまい、今月もお金が手元に残らなかった!という例はたくさんあります。

せっかくボーナスが出てもストレス解消で一気に使い込んでしまい貯蓄に回せなかったというケースも見受けられます。

また、職種や業種もお金の使い方を大きく左右します。コツコツとデスクワークの多い事務よりも、外で多くの人に会う営業など外回りの仕事になるとそのつながりでまた交際費が嵩んできます。人と会うことが多ければ服装などにも気を遣うようになり、ここでまたお金がかかってしまいます。食事も社内で手作りのお弁当を食べることができれば多少は節約になりますが、外回りではどうしても外食になり食費もかさんできます。

また、2年目以降は残業も多くなり、帰宅が遅くなる日が増えます。そうなるとスーパーは閉まっていますし、外食や出来合いの総菜や弁当を買うことになり、また支出が増えてしまいます。経験の浅い社会人2年目ではお金の管理と健康の管理の両方に気を配るのはなかなか大変なようです。

社会人2年目は貯蓄を考える必要はない?の意見も

その一方で、社会人になってから2~3年は貯金の心配はしなくていいという声もあります。というのも、これからの時代は自己投資してスキルアップしていかないと食べていくのが難しい時代だからです。

大企業に就職できたからといって一生安泰という保証はありません。

大企業であれば必要な技術を無料で習ったり補助が出る場合もありますが、中小企業であったり、社外で習おうとすれば当然費用は自腹ですから、それだけ出費がかさむことになります。若いうちはそういった自己投資にどんどんお金をつかうべきで貯金は収入が増えてから始めればいいという考え方です。

一見正論ですが、リスクもあります。今は40年以上続くビジネスモデルはなかなか出てこないといわれています。AIなどの発達で、今まで人の仕事とされていたものがAIにとってかわられ、せっかく取得した資格や技術が役にたたなくなる可能性も大きいのです。

AIの参入により、既存の職業の半数以上が消滅するという説も出ています。

これから生き残る仕事を見極めるのは至難の業といえます。あまり巨額なお金をつぎ込むのは危険です。

3年目になっても収入が上がらなかったら転職すべき?

新卒はまだ当然ながら社会人経験もなく、どんな仕事が自分に合っているのかわからないまま現在の業界に飛び込んでしまったひとも多いかと思います。入ってみたら自分に合わない仕事だと気づいたり、人間関係がうまくいかず悩むこともあります。社会問題化しているブラック企業に就職してしまった人も決して少なくないはずです。

職種や環境が自分に適したものでないと、仕事の能率が上がらず社内での評価が低いままで、収入アップはのぞめなくなります。仕事は7割が環境、3割が努力といわれています。つまり、仕事ができるかどうかは運に左右されているといっても過言ではありません。

3年目に突入してもうだつがあがらない、という人は転職も視野にいれたほうがいいかもしれません。いうまでもありませんが転職は若いうちのほうが成功率が高くなります。

新卒で入って3年目なら25歳前後ですから、それだけいい条件の仕事につけるチャンスは多くなります。30歳になると条件が悪くなります。35歳になるとさらに条件が下がってきます。40代になってから転職しようとしても収入は上がるどころか、低くなる可能性が高くなります。

若さは資源であり、限りあるものです。仕事内容、環境、給与面など今の自分の置かれている環境を多方面からチェックして、本当にこのまま今の会社にとどまっていいのか冷静に考えましょう。

本当にやりたい仕事に出会えたら今より給与が低くなってもストレスが減り、ストレス解消のための散財がなくなるためかえって貯金しやすくなる可能性もあるのです。とくにこれからは1社に長くつとめていることが安定につながるとはかぎりません。

社会人3年目以降になると結婚し、子どもが生まれる人も増えてきます。家庭が生活の中心になると思い切った転職もしずらくなります。転職をあおる気はありませんが、社会人2年目からはお金がない生活と決別する準備期間だと思って1年をすごすようにしましょう。