クラウドソーシングサービスといえば、個人や企業から、不特定多数のプロアマを含むフリーランスの受注者へ仕事を依頼してもらえるサービスです。
仕事のカテゴリーは、記事の作成からイラスト、ロゴやwebサイトのデザインなど幅広く、仕事を受注する方は会社に勤めていなくても、自宅で収入を得られるのが魅力の一つですね。
そんなクラウドソーシングでは「翻訳」の仕事もあります。今回の記事では、「翻訳が得意で仕事にしてみたい」という方へ、クラウドソーシングの翻訳の仕事について紹介していきましょう。
クラウドソーシングサービスと一言に言っても様々なサイトがあり、イラストの受注に特化したものや、webサイトなどのデザインに特化したもの、記事作成に特化したものなどがあります。
そのような中で、特に翻訳の仕事が多くあるクラウドソーシングサービスといえば、以下のようなサイトが挙げられます。
これらのサイトについて、ちょっと詳しく紹介していきましょう。
まず「Conyac」では、翻訳する言語は英語をはじめ、スペイン語、中国語、ベトナム語、マレー語にトルコ語、珍しいものではクメール語にウェールズ語など、70か国語以上の中から選択できます。
なので「こんなマイナーな言語でも翻訳の仕事ってできる?」という方も、一度チェックしてみると良いかもしれませんね。
また、ビジネス用の文書であるか、娯楽の記事であるか、などを選べたり、翻訳できる対象の文字数もあらかじめ選べるので、無理のない仕事が可能です。
そして、このような翻訳のサイトに翻訳者として登録を行うには大体のところではテスト(翻訳試験)があるのですが、Conyacではそれがありません。
「とりあえず始めてみたい!」という初心者の方におすすめのサイトであると言えます。ここまでの内容をまとめておきましょう。
サイト名 | Conyac(コニャック) |
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翻訳試験 | なし |
選べる言語 | 70か国語以上 |
翻訳単価 | 案件による |
その他 | 翻訳する文章の内容や文字数が選べて無理なく働ける |
次に「Yaqs」ですが、Yaqsは日本語、英語の他、中国語、タイ語、ベトナム語など、13か国語から言語を選ぶことができます。
翻訳する文章も、施設や観光地の掲示物や館内説明文、ビジネスシーンでの社内メール文、取引先とのメール文、インターネットでの商品説明分、SNSの情報発信文など様々な文章があります。
自信のある方はもちろん、ない方も「落ちても良いからまずは挑戦してみよう!」という気持ちでテストを受けてみると良いかもしれませんね。
サイト名 | Yaqs(ヤックス) |
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翻訳試験 | あり(合格率は10%未満) |
選べる言語 | 13か国語以上 |
翻訳単価 | レベルによってアップ |
その他 | 翻訳する文章の内容は様々 |
そしてgengoは、英語を含め、セルビア語、タイ語、スペイン語、トルコ語、ウクライナ語など40か国語以上の言語から選択できます。
興味のない文章を翻訳するのは苦痛だ、という方は多いと思いますが、翻訳する文章は自分の興味のあるものだけを選ぶことができるので、苦手な分野の翻訳を避けられます。
またこちらの一番の特徴は、gengoに登録している他の翻訳者に、アドバイスをもらえたり情報交換ができるところです。
1人で翻訳するのはまだまだ不安がいっぱい、という方には心強いですね。テストは選択試験と筆記試験の二種類を受ける必要があります。
翻訳者へのサポートが手厚く、またレベル分けもされているので、プロレベルのテストを受け翻訳のレベルが上がると、報酬も高くなります。
サイト名 | gengo(ゲンゴ) |
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翻訳試験 | あり(選択試験と筆記試験の二種類) |
選べる言語 | 40か国語以上 |
翻訳単価 | レベルによってアップ |
その他 | 登録者同士で情報交換できる |
最後にスピード翻訳ですが、こちらでは英語や中国語をはじめ、フランス語やポルトガル語など世界143カ国の言語に対応中で、様々な言語の翻訳者を募集しています。
翻訳する文章も短いメール文から、医学に関することや法律に関することなど、専門的な文章にも対応しているので「特にこの分野の翻訳に強い」という自分の武器を持っている方におすすめのサイトです。
その他、納期は文字数によって決まるため「今はあまり時間がない」という場合は短い案件を選んだりと、自分に合った時間の使い方ができます。
サイト名 | スピード翻訳 |
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翻訳試験 | あり |
選べる言語 | 世界143カ国に対応中 |
翻訳単価 | 案件による |
その他 | スピード重視のため直に依頼者とコンタクトを取る |
クラウドソーシングで翻訳を行うには、上記のように様々なサイトが挙げられますが、やはり「どれだけ収入があるのか?」というのは一番気になるところですよね。
一般的な翻訳の相場ですが、日本語から英語に訳す場合は一文字6~10円くらい、逆に英語から日本語にする場合は1単語10~15円くらいとなっています。
つまり、英語から日本語にする場合1単語10円とすると、一日に1,000単語訳すことができれば、一日で1,000×10で10,000円稼ぐことができる、ということになります。しかしながら、慣れるまでは一日500単語でもなかなか大変な作業となるようですよ。
また、一般社団法人日本翻訳連盟から公表されている翻訳料金(一単語当たり)の目安は、以下のようになっています。
翻訳の分野 | 英日翻訳(英文から和文)の場合 |
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コンピューターマニュアル | 28円 |
一般科学・工業技術 | 28円 |
金融 | 30円 |
経営管理・財務・契約書 | 30円 |
医学・医療・薬学 | 35円 |
特許明細書 | 26円 |
「単価がこんなに少なくてちゃんと稼げるの?」と不安になってしまった方もいらっしゃるかもしれませんね。
翻訳は単価自体は高くないため、多くの収入を得るには、より多くの案件をどんどんこなすことが、大きなポイントとなります。
というのも、難易度が高い専門分野の翻訳ができれば、それだけ高い収入を得ることができるからです。
例えば、医学に関することに強い、法律に関することに強い、ITのことなら詳しい、植物に関することなら色々なことを知っている、などですね。
その他、小さな案件を数多くこなすことでたくさんの経験を積み、実績ができてくれば小説、映画やドラマ台本、歌詞の翻訳など、一つで文字数の多い案件に挑戦できる機会に恵まれる場合もあります。
このような案件ができるようになれば、一度に何万という収入が得られるようになり、年収も500万円〜800万円ほどになります。
翻訳の仕事は最初のうちは収入が少なく、それだけでやっていくのは厳しいものがありますが、小さな仕事をどんどんこなし実績を積んでいけば、大きな収入を得られるようになります。
より多くの収入を得られるようになるには、翻訳のコツについて書いてある書籍などを読んで勉強したり、クラウドソーシングのサイトにある翻訳者向けのマニュアルを読んだり、吹き替えの映画などを見て学んだりすると言った、個人個人の努力も大切です。
今回の記事では、翻訳に特化したクラウドソーシングサービスの紹介と、翻訳という仕事について紹介してきましたが、いかがでしたか?
英語や海外に関することが好きで、翻訳して稼ぎたい!という方は多いと思います。
翻訳家として働くには、企業に属するという働き方もありますが、クラウドソーシングを利用すれば自宅にいながらにして収入を得ることができるのがとても魅力です。
特に、小さなお子さんがいて外で働くことができない、介護の必要な人が自宅にいてまとまった時間家を開けられない、というような場合に自宅で仕事ができることは助かりますね。
翻訳だけで食べていこうとすると、仕事が軌道に乗るまでは5年、10年とかかりますが翻訳の仕事が好きでやってみたい!という気持ちのある方は、まずはクラウドソーシングサービスから翻訳家として登録して、お仕事をしてみましょう。
翻訳試験に通るか心配な場合は、試験のないConyacなどに登録してみると良いですよ。小さな仕事を多くこなし、たくさんの経験を積んで大きな仕事をこなせるようになるよう、頑張ってみてください!