金融機関などでお金を借りる場合、収入を証明できるものを提出しなければいけません。では、無職の人は収入がないのでお金を借りれないのでしょうか。
答えはNOです。無職でもお金を借りれる場合があります。「失業中だから」「専業主婦だから」とあきらめることはありません。
本記事では、お金を借りれる無職はどういう条件の人なのか、どこで借りれるのかを解説していきます。ぜひご参考にして下さい。
同じ「無職」というカテゴリーであっても、お金を借りれる無職と借りれない無職がいます。「会社が倒産して失業中です」という無職の人もいれば、専業主婦、年金受給者、学生、ニートなど、無職にも理由はいろいろあります。
では、無職であってもお金を借りれる人はどういう人で、どこで借りれるのでしょう?解説していきます。
失業が理由で無職の人は、公的機関の支援制度を利用すればお金を借りることができます。
銀行や消費者金融などでは、基本的には収入がなければお金を借りれません。
ところが、公的機関の制度である「生活福祉資金貸付制度」であれば、収入がなくてもお金を借りれます。生活福祉資金貸付制度は、所得の少ない世帯や障害者・介護を要する高齢者のいる世帯に対して、貸付けを行う制度です。
ハローワークからの失業手当受給中や、シングルマザー・シングルファザーなど、生活福祉資金貸付制度よりも優先されるべき公的制度を利用している場合には、この制度は利用できません。
公的な制度を何も利用していない失業者は、生活福祉資金貸付制度の利用を検討してみてはいかがでしょうか。住民票住所のある市町村の社会福祉協議会で相談できます。
生活福祉資金貸付制度の詳細は後述しておりますので確認しておいてください。
専業主婦で無職の場合は、配偶者の収入が証明できればお金を借りれます。銀行や消費者金融などで、カードローンを利用した借入が一般的です。
パートやアルバイトなどの収入も一切ない専業主婦でも、配偶者の収入証明書を提出する、あるいは、それすら必要なく、カードローンを利用できる場合があります。
ただ、過去に金融事故と呼ばれるクレジットカードの支払い延滞などがなく、審査に通った場合に限ります。
詳細は後述しておりますので、カードローンを利用したい専業主婦の方はご確認ください。
年金受給者は年金を担保にして、公的機関でお金を借りれます。銀行や消費者金融などでは、年金収入だけでは貸付けをしてくれません。
年金は定期的に得られる安定収入だと考えられますが、金融機関が基準とする安定収入は給与所得だからです。では無職の年金受給者はどこでお金を借りれるのか?それは、公的機関です。
「独立行政法人福祉医療機構」「日本政策金融公庫」では年金を担保にして貸付を行っています。どちらも、仕組みは同じですが、担保とする年金の種類が異なります。
詳細は後述しておりますので、年金受給者で貸付制度を利用したい方はご確認ください。
学生であっても、就職が内定しており証明ができればお金を借りれます。地方の銀行や信用金庫、労働金庫などを中心に、就職内定済みの学生向けに「学生ローン」などの貸付商品を展開しています。
金融機関によって条件は異なりますが、「借入金融機関の拠点や圏内に居住または勤務していること」を条件の1つに挙げているところがほとんどです。その他、20歳〜30歳未満など年齢制限などもあるようです。
学生でも、生活費や社会人に向けての準備資金などお金が必要となることがあります。内定者であれば借入可能なケースがほとんどですので、頭に入れておいて下さい。
一方、大学入学間もない学生や、就職先が内定していない学生は、近い将来の安定収入が見込めないため、お金は借りれません。
ニートはお金は借りれません。ニートの定義は義務教育卒業後〜34歳の若年層で、病気や介護などの特段の理由がないのに、労働・家事を行わない人です。
もし、ニートでない時期にクレジットカードのキャッシング枠などを設定していればキャッシング借入が可能な場合もありますが、自力での返済が困難であればおすすめできません。
ニートで、就職活動などのためにお金が必要な場合は、家族から借りるのが最も無難でしょう。
審査はありますが、無職にお金を貸してくれるところについて、具体的に解説していきます。前項で解説した「生活福祉資金貸付制度」「年金担保貸付制度」「カードローン」の詳細です。
生活福祉資金貸付制度を利用するには、社会福祉協議会の審査に通らなければいけません。制度にはいくつか種類があります。
総合支援資金 |
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福祉資金 |
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教育支援資金 |
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不動産担保型生活資金 |
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このように、大きく4つの制度に分けられます。4つの制度の中で、資金用途によってさらに細かく分類されているので、生活福祉資金貸付制度の利用を検討される場合は、住民票住所のある市町村の社会福祉協議会に相談してみて下さい。
ただし、以下の公的制度の対象者である場合は、生活福祉資金貸付制度を検討する前に市役所の福祉課などに相談をしてみて下さい。以下の制度は、生活福祉資金貸付制度より優先され受けることができます。
年金受給者は年金担保貸付制度が利用できますが、審査に通らなければいけません。年金担保貸付制度は現在2つの機関に分かれています。
「独立行政法人福祉医療機構」と「日本政策金融公庫」です。後者は、労災年金の受給者や元公務員を対象としており、担保となる年金も恩給や共済年金など限定されています。
独立行政法人福祉医療機構の年金担保貸付制度では以下の年金が主に対象となります。
これらの年金を担保とした貸付制度を利用する場合は、それぞれの機関に申込をし審査に通過しなければいけません。公共料金を頻繁に滞納していたり、クレジットカードの返済滞納などの経歴がある人は、審査に落ちる可能性もあります。
独立行政法人福祉医療機構の年金担保貸付制度は、令和4年3月末の予定で申込受付を終了するそうです。
代替措置はなく、HP上では前項で解説した生活福祉資金貸付制度を案内しています。
年金担保貸付制度の利用をお考えのかたは、必ず各機構に問い合わせをしましょう。特に独立行政法人福祉医療機構の制度利用の場合は、申込受付の日程が変わる場合もあるので注意して下さい。
カードローンは銀行や消費者金融で申込、審査が必要です。基本的に無職は利用不可ですが、配偶者の収入が証明できる専業主婦であれば申込可能です。
パートやアルバイトをしていない無職の専業主婦は、カードローンによる借入がおすすめです。申込基準や貸付条件は各金融機関により異なりますので、確認しましょう。
基本的には返済能力がなければ借入はできませんが、専業主婦の場合、収入を得ている配偶者の返済能力を考慮し借入が可能です。
配偶者の収入証明や、勤務先への在籍確認電話などのほか、過去の延滞事故履歴などの審査が行われます。
金融機関によっては、収入証明すら不要のところも。専業主婦であればカードローンの利用が便利ではないでしょうか。
無職でも、審査なしでお金を貸してくれるところがあります。闇金…?ではありません。そういうところは危険ですので利用しないで下さいね!
審査不要ですが、条件はあります。条件を満たしていれば、お金を貸してくれます。それは、「生命保険貸付制度」と「質屋」です。
生命保険契約者貸付制度では、契約している生命保険を担保に貸付を行っています。かけ捨て型の生命保険で将来解約返戻金が発生しない契約には、この貸付制度はありません。
積立型の生命保険には解約返戻金があります。この解約返戻金の範囲内でお金を借りることができるのです。万が一返済の延滞が重なれば、保険契約が解除されてしまう可能性もあるので、注意が必要です。
しかし、比較的低金利で、審査不要で借入ができる便利な制度です。保険契約書を確認し、生命保険契約者貸付制度が付いているか確認しておくと、いざというときに慌てずに利用できるでしょう。
質屋でも「物」を担保に、審査不要でお金を借りることができます。品物を査定してもらい、査定額の範囲内で貸付けをしてくれます。
本人確認書類と担保の品物を持参するだけです。品物は、高品質、ハイブランド、箱付き、保証書付きなど、状態が良好なものほど高額な借入が可能になります。
万が一、返済ができなくなった場合には、担保としていた品物を返してもらえないだけです。ブラックリストに上がってしまうなどのペナルティを受けることもありません。
大手の質屋では、来店しなくてもメールなどで査定もしてもらえます。一度、家に眠っているバッグや時計など、探してみてはいかがでしょうか。
無職でも、家賃収入や投資の配当金などの定期的な収入があればお金を借りれる可能性があります。毎月、給与や年金以外で収入がある人は確認してみましょう。
マンションの一室を賃貸で貸している、アパートを経営している、駐車場を経営しているなど、毎月の安定した収入はありませんか?
株や投資信託など、資産運用で毎月配当金のような定期収入はありませんか?
このように、不労所得とも言われる所得が安定的にある場合、貸付を行ってくれる金融機関もあります。基準や審査内容なども含めて各金融機関の判断です。お金を借りたい方は、一度、銀行などに相談してみましょう。
失業者、専業主婦、学生、年金受給者など、無職で給与収入がない場合でも、お金を借りれることがお分かりいただけたと思います。
無事にお金を借りれたら、次は返済です。失業者は新しい就職先を見つけなければいけません。学生の内定者は就職後に計画的に返済できるようお金の使い方を考えなければいけません。
このように、借金を返済し、またお金を借りる必要がなくなるよう、生活の再建も忘れずに!