カードローンは利用時に必ず「利用上限額」が決められ、それを超える借り入れは出来ないようになっています。
これはカードローン利用者の収入や他社借入の履歴などを審査したうえで決められます。
そのため申し込み時に希望した借り入れ金額より少なくなってしまったり、利用するうちに「もう少し借りたい」と思う方もいらっしゃると思います。
そんな時はカードローンの利用上限額を増やす増額申請をすれば、利用額を増やすことが出来ます。
ここでは、そもそも利用上限額はどのように決まるのか、増額申請をする際のポイントやそのメリットなどを詳しく解説していきます。
カードローンは各会社の商品ごとに約300~800万円の上限金額が決められています。
その金額を超えての借り入れはもちろん不可能ですが、その他にも利用者ごとに利用できる「利用上限額」というものがあるのです。
利用上限額は、利用者が返済能力を超える借り入れをして返済が出来ないようにならないため、利用者の年収などを元にカードローン会社が個々に設定するものです。
利用上限額はカードローン申し込みの審査の際、様々な要素を元に決められます。
審査の基準や参照される情報などはカードローン会社によっても異なりますが、主に以下のような情報は利用限度額を決める際に重要になってきます。
ではこれらの項目のうちどういった人が利用限度額が上がりやすいのか、以下より詳しく解説していきます。
まず「年収」ですが、これはもちろん年収が高いほど返済能力があると見なされ利用限度額が高く設定されやすいです。
しかしただ年収が高ければよいというわけではなく、同時に年齢も重要視されます。
カードローンは主に20~65歳の社会人であれば借りることが出来ますが、この上限の年齢に近づくほど利用上限額は少なくなりがちです。
と言うのも、65歳は一般的に定年を迎える年齢であるため現在の収入を元に返済能力を決めてしまうと、年金生活などになった際返済できない恐れが出てくるからです。
最近は定年を迎える年齢も伸びていますが、長期の借り入れになりがちな高額な融資はどのカードローン会社も避ける傾向にあり、あまり高額な借り入れは期待できないとみていいでしょう。
また、逆に若すぎても働き始めてからそれほど年数がたっていないこともあり利用限度額はそこまで上がりません。
年収などと並んで重視されるのが「勤続年数」と「職種」です。
勤続年数は当然、長ければ長いほど安定した収入があると見なされ審査には有利に働きます。
カードローン会社によっても違いはありますが、主に3年以上の勤続年数があれば良い印象を与えられる可能性が高まります。
また、転職をした方の中には審査にどう響くか気になると思いますが、実は転職が必ずしも不利に働くとは言えません。
と言うのも、最近では転職も珍しいものではなくなり、1・2回転職をしていてもその後の勤務年数が十分であれば審査に影響しないこともあるからです。
もちろんカードローン会社の審査基準にもよりますので、不安な方は申し込み前に電話な窓口などに相談をしてみてください。
職種も重要で一般的にリストラや倒産の心配が少ない公務員や大企業の正社員、特殊な資格を必要とする弁護士や医師などの職種の方は利用上限額が高くなりやすい傾向にあります。
逆にフリーターや契約社員などの方は勤続年数が長くとも、上記の商業に比べるとどうしても利用限度額は低くなりがちです。
また、不労所得やパートなどの収入がない無職や専業主婦の方は、配偶者の年収や職業にかかわらずカードローン自体を利用できない場合が多いです。
中には「配偶者に安定した収入があれば利用可能」と言うカードローンもありますが、その場合も利用上限額は10~50万円未満となるケースがほとんどです。
次にカードローンを利用する場合、必ず「信用情報」を調べられます。
信用情報とは、ローンやクレジットカードなどの分割払いを利用した際、その会社の所属する信用情報機関に集められ、借入・返済などの利用履歴のことです。
カードローン会社は信用情報機関から利用者の信用情報を見ることが出来、これを元に利用者の返済能力を計ります。
また、日本国内には「全国銀行個人信用情報センター(KSC)」、「日本信用情報機構(JICC)」、「株式会社シー・アイ・シー(CIC)」の3つの信用情報機関があり、どこに所属している会社が登録、照会をするかで参考にされる信用情報も変わってきます。
何故かというと、信用情報機関の間で信用情報のやり取りは原則行われないからです。
しかし、返済の遅延や滞納、自己破産などの「金融事故」と呼ばれる情報は3つの信用情報機関全体で共有され、約5~10年保存されます。
そのため、過去にカードローンやクレジットの支払いで遅延や延滞をしてしまった経験がある方はカードローンを利用出来ても、利用限度額が大幅に下げられる可能性があります。
そして、逆に今まで全くカードローンなどを利用したことがない人も利用限度額が低めに設定されることがあります。
と言うのも、カードローン初心者に最初から大きな金額を貸し付けてしまうと、借入額の加減や返済の勝手が分からず、滞納や返済遅延につながってしまう恐れがあるからです。
何度か返済を行えば問題なしとみなされて利用上限額を上げることも出来ますが、カードローンの初めての利用する際は利用上限額が抑えめになる可能性があるので注意してください。
また、消費者金融系のカードローンを利用する場合、「総量規制」にも注意をしなければいけません。
総量規制とは、2010年6月より施行された、『貸金業者よりキャッシングで借り入れできる金額は、原則年収の3分の1まで』という貸金業法の規則のことです。
例えば年収300万円の方は、以下の借り入れ全てを合わせて合計100万円を超える借り入れは法律で規制されているのです。
総量規制は貸金業法が適用される消費者金融やクレジットカードのキャッシングなどが対象で、銀行のカードローンや有担保型のリーンは対象外となっています。
例えば、年収300万円の方がA社で利用上限額80万円のカードローン契約を結んでいた場合、たとえ完済していても追加で借り入れをする可能性もあるため、2社目のB社では利用上限額20万円までの契約しか出来ません。
さらに、この総量規制も「年収の1/3までの貸し付けであれば問題なし」としているだけなので、実際に借りられる金額は年収の1/3より少なめになる場合がほとんどです。
なので、カードローンの利用を考えており、今は使っていないカードローンやクレジットのキャッシング契約がある場合、利用上限額が下がる可能性があるため解約をしておくことをオススメします。
また、銀行のカードローンで総量規制は適用されませんが、銀行でも返済能力を超える借り入れを防ぐため「年収の1/3」というのを利用上限額の基準にしているところも多くなっています。
そのため、どのカードローンを利用するにしても利用上限額はおおよそ「自身の年収の1/3ほどが限界」と見積もっておくと良いでしょう。
最初の審査で上記の項目などを元に利用上限額が決まったら、その利用額の範囲でカードローンを利用していくことになります。
ただし、これはあくまで最初の審査で決まった利用上限額なのでカードローンの利用をしていく上で利用上限額を増やすことも可能です。
では、利用限度額を増やしたい場合どうすればいいか見ていきたいと思います。
カードローンの利用上限額の増額審査を通過できる一番手っ取り早い条件は、年収の増加です。
年収が増えれば返済能力も上がったと見なされるので、昇進したりして役職手当などで収入が増えたと言う方は、よほど極端な増額でもない限り希望が通る可能性が高いです。
しかし年収が増えなくても利用限度額を増やせる場合があります。
それがカードローンを利用していく上で「信用実績」を積むことです。
カードローン会社は利息で収益を立てていることもあり、どちらかと言うとあまり利用しない人よりは頻繁に利用してくれる人を重視します。
その上でカードローンを無理なく利用し返済を滞りなく行っていれば、カードローン会社としても利用・返済実勢のある顧客に利用してもらいたいため、利用限度額が上がりやすいのです。
そのため、信用実績を着実に積み重ねることが利用限度額増額へのポイントになります。
ただし、信用実績はある程度の利用や返済を繰り返さないと分からないため、カードローンを利用し始めてすぐに増額と言うわけにはいきません。
カードローン会社にもよりますが、契約から最低でも半年は利用しないと利用限度額の増額は難しいでしょう。
利用限度額の増額を申し込む方法はカードローンにもよりますが、大体の以下2通りの方法で申し込むことが出来ます。
利用限度額の増額申請はカードローン申し込み時と異なり、本人確認の書類などを提出する必要はありません。
しかし、審査の際申請内容によっては申込時同様、在籍確認の電話がかかってくる場合があるので注意してください。
在籍確認の電話は必ずしもかかってくるというわけではありませんが、ここで勤務先の在籍確認が取れなければ増額はおろか、現在の融資も減額されたりストップする可能性があります。
さすがに即停止とはなりませんが、在籍確認がスムーズに済むように特に外部からの取次ぎや個人情報管理に厳しい職場の場合、「カードの審査で在籍確認の電話がかかってくるかもしれない」というようにあらかじめ話を通しておきましょう。
また、増額した利用限度額が50万円以上になる場合、収入を証明するための書類の提出が必要となります。
その場合、以下ような書類を提出する必要があります。
これらの書類は職場や役所から発行してもらうのに時間がかかる場合もあるので、利用限度額を50万円以上に増やしたい方は前もって準備しておくことをオススメします。
また、フリーランスか会社員かなどの職種によっても用意できる書類が異なりますので、どういった書類を提出すれば良いか分からない方は電話などで確認をしておきましょう。
増額審査は、利用実績や増額金額によっては早ければ1時間ほどで審査結果が出ることもあります。
しかし、申請内容やカードローン会社によっては3営業日~1週間ほどかかる場合もあるので時間に余裕をもって申し込みを行ってください。
さて、ここまで読んで「カードローンの増額って面倒くさそう。新しいカードローンを借りたほうが早いんじゃないの?」と思った方もいるのではないでしょうか。
確かに総量規制に引っかからなければ、新しいカードローンの申し込みをした方が手っ取り早いケースもあります。
しかし、現在利用しているカードローンの利用限度額を増やす方法には、メリットもあるのです。
ではどんなメリット以下で説明していきます。
まず利用限度額を上げる一番のメリットとして、現在返済している分も含め金利が安くなることがあります。
カードローンの金利は利用限度額と同じく最初の審査の際に決まり、この金利が安いほど利息が安くなります。
金利の決め方はカードローン会社によっても様々ですが、利用限度額に応じて金利を設定しているカードローンがあるのです。
何故かというと「利用上限額が高い=高額な借り入れの可能性がある」とみなされ、無理なく返済をしてもらえるよう利用金額が高いほど金利を下げる傾向にあるからです。
そのため同じ10万円を借り入れるにしても利用限度額100万円の契約と、利用限度額300万円の契約では後者の方が金利は安くなります。
公式ホームページで利用限度額ごとに適応される金利が確認できる場合もありますので、自身の利用限度額を見直してみて、金利が下がりそうであれば増額申請をしてみるのも一つの手です。
ただし、利用限度額を増やした分借りすぎて返済が厳しくなってしまった、と言う事態になると元も子もないため不必要に利用限度額を増やすのはあまりオススメしません。
あくまでも、自身が管理できる範囲で利用限度額を調整してみてください。
また、新しいカードローンを契約せず、現在利用しているカードローンのみを利用した場合お金の管理が簡単ということもメリットの1つです。
カードローンごとに返済日や金利は異なるので、契約しているカードローンの種類が多いほど「返済日を勘違いしてうっかり返済を忘れていた」「どこからどれだけ借りていたか忘れた」などのうっかりによるトラブルが増えてしまうからです。
カードローンの返済が遅延した場合、遅延損害金と言うものが発生し返済が遅れるごとに日割り計算で増えていきます。
遅延損害金の金利はカードローンに許されている実質年利20%を採用している会社が多く、1日返済が遅れただけでもかなりの金額を支払わなくてはいけません。
最後にこれまでの情報をまとめます。
このようにカードローンの利用限度額は最初の審査で決まりますが、後から増額をすることが可能です。
利用し始めてからコツコツと信用実績を積むことが利用限度額を上げる重要なポイントになるため、返済などの管理はしっかり行いつつ、計画的にカードローンを利用していってください。