生活に苦しい人が区役所でお金を借りる4つの方法

生活が苦しいのでお金を借りたいが、金利が高くて逆に生活の負担になってしまたっり、審査が厳しくてそもそも借りられないと悩んでいませんか。

もし上記の悩みがあるのであれば、市役所や区役所でお金を借りれる生活福祉資金貸付制度の利用をオススメします。

自治体などの公的機関では、金融会社よりも低金利でお金を借りることができ、銀行などで審査に落とされていたとしてもこの制度でなら審査に通る可能性があります。

生活福祉資金貸付制度では連帯保証人を立てると無利子で借りられるので、金利を気にせずにお得に利用できることもあります。

今回はこの生活福祉資金貸付制度がどんな制度なのかから、申込から貸付の流れや審査での注意点などを徹底的にご解説していきます。

区役所や市役所でもお金を借りれる「生活福祉資金貸付制度」について

生活福祉資金貸付制度は、低所得・障害者・高齢者などの方の生活を経済的に支えるために、市役所や区役所で低金利での貸付をする制度のことです。

目先の資金不足への援助だけでなく、将来を見据えて自分一人の力で生活ができるようにサポートをしてくれます。就職で役立つ知識や技術の習得の際の資金、たくさんの問題を抱えている方のための相談支援など幅広く活動をしています。

もちろん貸付なので、いつかは返済をしなくてはいけません。

ですが、金利は1.5%〜3.0%と低金利なので、他の金融会社でお金を借りるよりも負担が少なくできます。

また、連帯保証人をつける無利息で借りれるのも嬉しいポイントです。

銀行や消費者金融との違いとは

一番の違いは区役所や市役所は公共機関に対して、銀行や消費者金融は民間企業であることです。

銀行や消費者金融などは企業であるため、どうしても利益が必要です。なので、生活が苦しいくても審査基準を満たしていないと借りることができません。

利益を得るには貸した金額を回収しなくてはならないので、生活が苦しいため返済が困難な方にはそもそも貸付をしないのです。

逆に区役所などから公的支援を受ける場合は、生活が苦しいことが条件になります。

なので、生活の負担にならないために金融会社で借りるよりも低金利で貸付をしています。

生活保護との違いは何か

生活保護で支給されるお金は給付なので返済をしなくてもいいのに対して、生活福祉資金貸付制度は貸付なので必ず返済をしなくてはなりません。

それと生活保護では、医療費や介護サービスの費用は本人負担がなくなり、アパートなどの家賃も決められた範囲内でいくらか支給されます。

ですが、その反面で自動車など資産となるもの所有している場合は売却して生活費にしないといけません。その他にも生活の指導や調査が担当者により行われるので、生活保護中はある程度の自由を制限されます。

また、生活保護では借金が禁止されているため、他の金融機関での貸付ができません。生活福祉資金貸付制度に関しては生活が苦しい方の支援が目的なので、社会福祉協議会に相談をすることで利用できる可能性があります。

もし、生活保護だけでは生活が苦しいのであれば、生活福祉資金貸付制度の利用も考えてみてはいかがでしょうか。

「生活福祉資金貸付制度」の種類について

金融会社での貸付では利用目的が事業資金でなければ自由に使えることが多いですが、生活福祉資金貸付制度では利用目的が制限されています。

その利用目的や対象者に応じてそれぞれ違いがあり、その種類は以下の4つに分けられます。

  • 総合支援金
  • 福祉資金
  • 教育支援金
  • 不動産担保型生活資金

上記についてを一つずつご紹介していきます。

総合支援金

総合支援金は失業などで、家賃・公共料金・生活が安定するまでに必要な生活費などが用意できずに生活に支障が出てしまう方が利用できるものです。

総合支援金に関しては他の支援金で適用される条件に加えて、以下の四つの条件を満たす必要があります。

  • 現在失業中であり、半年以上継続して勤務していた職場を失業してから2年以内
  • 申請時の年齢が65歳未満
  • 自営業者・会社経営者ではない(貸付後も認められていない)
  • 生活保護・失業保険や公的年金などを受給していない

年齢に関しては65歳以上の場合、1年以内の勤務経験・就労意欲・初回貸付から3ヶ月以内に返済ができるのかが条件として付け加えられます。

また、他の支援金では申請した都道府県に住んでいることが条件にありますが、総合支援金では住民票に登録されている都道府県で住居を確保できる見込みがあれば申請ができます。

詳細な条件に関しては自治体ごとに変わってくるので、申請をする前に区役所などで相談をするのがいいでしょう。

利用目的や限度額については以下の表を参考にしてください。

名称 目的 限度額 金利
生活支援費 生活再建までの間に必要な費用 単身世帯(最大月15万)
2人以上の世帯(最大月20万円)
貸付期間:原則で3月(最長12月)
年1.5%(保証人あり無金利)
住宅入居費 敷金、礼金等住宅の賃金契約を結ぶために必要な費用 最大40万円を一括 年1.5%(保証人あり無金利)
一時生活再建費 生活を再建するために一時的に必要かつ生活費で賄うことがこんなんである費用(公共料金・就職や転職・債権整理など) 最大60万円を一括 年1.5%(保証人あり無金利)

どの費用も据置期間は最終貸付日から6ヶ月以内であり、返済期限は据置期間から10年以内で設定されています。

福祉資金

福祉資金はこれから購入・発注・着工・などを予定している場合や療育費や介護費用などで、まとまった資金が用意できない方が利用できます。もちろん利用できる対象者は、低所得者・障害者・高齢者に限られます。

総合支援金と比べて早急にまとまった資金が必要な方が利用できるようになっています。ですが、決められた利用目的以外では利用できないので注意していください。

また福祉資金は利用目的や限度額によって、「福祉費」「緊急小口資金」で分けられます。

それぞれの特徴については以下の表を参考にしてください。

資金の目的 貸付上限額の目安 償還期間
生業を営むために必要な経費 460万円 20年
技能習得に必要な経費及びその期間中の生計を維持 技能を習得する期間
6月程度 130万円
1年程度 220万円
2年程度 400万円
3年以内 580万円
8年
住宅の増改築、補修等及び公営住宅の譲り受け 250万円 7年
福祉用具等の購入 170万円 8年
障害者用自動車の購入 250万円 8年
中国残留邦人等にかかる国民年金保険料の追納 513.6万円 10年
負傷又は疾病の療養に必要な経費及びその療養期間中の生計を維持 療養期間が一年以内:170万円
1年以上1年6ヶ月以内であって、世帯の自立に必要なとき:230万円
5年
介護サービス、障害者サービス等を受けるのに必要な経費及びその期間中の生計の維持 介護サービスを受ける期間が1年以内:170万円
1年以上1年6ヶ月以内であって、世帯の自立に必要なとき:230万円
5年
災害を受けたことにより臨時に必要 150万円 7年
冠婚葬祭 50万円 3年
住宅の移転等、給排水設備等の設置 50万円 3年
就職、技能習得等の支度 50万円 3年
その他日常生活上一時的に必要 50万円 3年

上記の目的に応じて据置期間は全て6月に設定されています。

緊急小口資金については以下の通りです。

利用目的 緊急かつ一時的に生計の維持が困難となった場合に貸し付ける少額の費用
限度額 10万円以内
据置期間 貸付日より2ヶ月以内
返済期間 据置期間後の12ヶ月以内
金利 無利子
連帯保証人 不要

教育支援金

低所得世代の子供で就学をしたい子供がいる場合に、入学・通学に必要となる費用を貸し出してくれう制度です。

この制度で注意しておきたいのが、入学費や学費に使いたい時には納付期限後の申請はできないことです。

また、法律で決められた修業年限を超えての貸付もしていません。

もし利用を考えているのであれば、早めの申請をするのがいいでしょう。

教育支援金では子供に進学の意思があるのなら進学先が決まらなくても申請ができます。

申請をするか悩んでいるのなら、自治体によってはも内容が変わってくるので事前に相談をしておきましょう。

利用目的や限度額については以下の表にまとめてあるので、参考にしてください。

教育支援資金 目的 限度額
教育支援費 低所得世帯に属する者が高等学校、大学又は高等専門学校に修学する 高校:月3.5万円以内
高専:月6万以内
短大:月6万円以内
大学:月6.5万円以内
(必要と認められたら、各上限額の1.5倍まで貸付可能)
就学支度費 低所得世帯に属する者が高等学校、大学又は高等専門学校に入学する際に必要 50万円以内

不動産担保型生活資金

自宅などの担保となる不動産を持っている方が利用できる制度です。この制度では担保を設定するので、利用時の推定相続人を連帯保証人しなくてはなりません。

この制度では限度額に達するまで返済をする必要がありません。ですが、以下のようなデメリットもあります。

  • 許可がないと、改築・増築・同居人を増やすことができない
  • 市街地調整区域外の不動産は貸付できない可能性がある

所有している土地が一定の基準を満たしている必要があり、査定額が基準値を上回っていないと利用できないこともあります。もし、利用できるかを知りたいのなら、事前に区役所などで相談をするようにしましょう。

貸付対象者が65歳以下の低所得者高齢者世帯か65歳以上の要保護高齢者世帯によっては、適用される制度が違うので以下の表で確認しておきましょう。

資金名 目的 利用条件
不動産担保型生活資金 低所得の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける ・土地の評価額の70%程度
・月30万以内
・貸付期間借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間
要保護世帯向け不動産担保型生活資金 要介護の高齢者世帯に対し、一定の居住用不動産を担保として生活資金を貸し付ける ・土地の評価額の70%程度(集合住宅の場合は50%)
・生活扶助額の1.5倍以内
・貸付期間借受人の死亡時までの期間又は貸付元利金が貸付限度額に達するまでの期間

「生活福祉資金貸付制度」の貸付の条件

生活福祉資金貸付制度の貸付条件は以下の通りです。

金利:年1.5%(連帯保証人を立てれば無金利
限度額:数万円〜580万円
借入までの期間:最低1ヶ月

上記を見るとわかる通り、銀行や消費者金融で借りるよりも低金利で負担が少ないのが分かります。連帯保証人を用意できるのなら、無金利で利用できるのも大きなメリットです。

ですが、他の金融機関よりも審査が厳しく借入までの期間が長いので、今すぐにお金が必要な方には向かない制度になります。

これから実際にどのような方が利用できるのか、申し込みに必要な書類についてをご紹介していきます。

利用できる対象者

最初に説明しましたが、生活福祉資金貸付制度を利用できるのは、低所得者・障害者・高齢者の方が利用できる制度です。

そして、これは個人ではなく世帯で利用できます。なので、同じ世帯に複数の利用適合者がいたとしても、適用されるのは1世帯分まとめてになります。

この制度では世帯にの人数により低所得の目安となる平均月収が変ります。それは以下の通りです。

世帯人数 平均月収
1人 19万1,000円
2人 27万2,000円
3人 33万5,000円
4人 38万5,000円
5人 42万5,000円

上記の平均月収の求め方は、世帯所得から自治体で定められた生活に必要とされる支出を引いた額になります。生活に必要とされる支出は自治体によって違いますので、各地域の社会福祉協議会の公式ホームページに問い合わせてみましょう。

障害者世帯

身体障害者手帳・療育手帳・精神障害者保健福祉手帳を交付されている人がいる世帯です。また、障害者世帯では「障害者福祉サービス受給証」を持っているのであれば利用できる可能性があります。

高齢者世帯

65歳以上の高齢者がいる世帯です。高齢者世帯だっとしても、世帯収入によっては制度を利用できない可能性があります。各地域の社会福祉協議会の公式ページで問い合わせて確認してみましょう。

申込みに必要な書類

生活福祉資金貸付制度では資金の種類や申込者の状況によって、以下の書類が必要になります。

本人確認書類(運転免許証、健康保険証など)
借入申込書(社会福祉協議会で用意)
住民票の写し(世帯分全員、発行から3ヶ月以内)
世帯の収入証明書(源泉徴収票、課税証明書など)
印鑑
印鑑証明書
通帳
資金種類ごとに必要な書類(必要な経費額がわかる見積書、障害者手帳などの各種証明書)

連帯保証人を付ける場合

連帯保証人の収入証明書類
連帯保証人の住民票の写し

上記の書類は最低限必要となる書類です。他にもどのような書類が必要になるのかは、都道府県ごとの社会福祉協議会で相談した時に説明されます。

申込みから貸付までの流れ

生活福祉資金貸付制度は種類が多く、それぞれによって申込みの窓口が違います。また、申込みから貸付までは審査に時間がかかるので長くて1ヶ月近くかかることもあります。

なので、余裕を持って行動するようにしましょう。主な申込みの流れは以下の通りです。

1社会福祉協議会で相談・借入申込み
2必要な書類の提出
3審査
4貸付契約
5貸付金交付

上記の流れの通り進むことが多いです。

ですが、就職先が決まらずに総合支援金・緊急小口融資を利用したいと考えている方は、先に自立支援相談機関に向かいましょう。

相談すると担当者が社会福祉協議会の窓口を紹介してくれるので、指示通りに行動してください。

福祉資金・教育支援金・不動産担保型生活資金の場合は社会福祉協議会とは別に、民生委員の自宅訪問を受ける必要があります。

貸付に関する質問をされるだけですが、実際に自宅をみて生活に余裕があるのではと思われる物を置いておくと疑われる可能性があるので注意しましょう。

貸付やその後の返済について

貸付金は申込みをした銀行口座に振り込まれ、手数料は社会福祉協議会が負担してくれます。

据置期間が過ぎると貸付られたお金を返済しなくてはなりません。口座振替による自動引き落としで返済されますが、返済が遅れてしまうと口座振替を利用できなくなり遅延損害金を支払うことになります。

一回目では振込用紙が送られ、二回目には電話か手紙による督促が入ります。三回目になると自動引き落としが利用できなくなり、電話により直接窓口に来るように連絡がきます。

また、返済中には社会福祉協議会の相談をしなくてはいけません。

頻度は毎月一回ほどであり、時間は15分〜30分程度で終わります。

面談では生活についてや毎月の支出が分かる家計簿などの書類の確認をしたり、返済や就職活動の状況についてを質問されます。

審査で落とされてしまう方に共通すること

生活福祉資金貸付制度が利用できるかは社会福祉協議会の審査によって決まり、審査の基準は以下の通りです。

  • 融資をすることで生活が安定する
  • 貸し付けたお金を回収できる

この制度の目的は申込者の生活を安定させることです。なので、多額の借金があったり、制度を利用しても生活が安定しないと判断されたら審査に落とされてしまいます。

また、貸し付けたお金を回収できそうにない場合も融資はしてくれないでしょう。生活が苦しいとしても無職で収入がない場合やこれから働いて稼ぐ意思がない場合だと審査を通過するのは難しいでしょう。

たとえ収入があっても、借入限度額が高く返済が難しくなると判断されても審査に落とされることがあります。

上記の基準以外にも審査で落とされてしまう方にはいくつかの共通点があります。この共通点についてを一つずつご紹介していきます。

他の公的制度を利用している

自治体では生活福祉資金貸付制度以外にも様々な給付や貸付制度が用意されており、他の制度を利用しているか制度を利用できる場合はそちらを優先的に受けさせる場合があります。

生活福祉資金貸付制度は貸付なので必ず返済をしなくてはならず、少なからず生活に負担がかかります。

なので、返済の必要がない給付金制度を利用できるのなら、負担がないのでそちらを優先的に進めるのです。

以下の制度を利用していないか確認してみてください。

制度名 内容
生活保護 生活困窮世帯に対して必要最低限の生活を保証
傷病手当金 病気や怪我で会社を休む人に手当金を支給
失業保険 失業者に一定のお金を支給する
住宅支援給付 失業者に対して家賃を補助する
高額療養費制度 月額の医療費が一定額を超えた場合、超えた分を返還してくれる
奨学金 経済的に厳しい学生に無金利・低金利で学費を貸し出す

住民登録されている住所と現住所が違う

生活福祉資金貸付制度は、住民票で登録されている都道府県での自治体でのみ利用できます。

実家が栃木県であり実際には東京に住んで暮らしている場合は、住民票を東京に移すか栃木県に戻ってから手続きをしなくてはなりません。

他の制度や給付金や貸付制度でも、自分の住民票が登録している自治体でのみ利用ができないので注意してください。

他人の生活福祉貸付制度の連帯保証人になっている

他の人の連帯保証人になっているとその人と一緒になって制度を利用していることになるので、すでに公的支援を受けていると判断されて審査に落とされてしまいます。

連帯保証人を立てることで無利子で利用できるので無理に頼んで来る方もいますが、安易に引き受けてしまうと自分が利用できなくなります。

他の契約でも連帯保証人になると、申込者が返済できなくなってしまった場合は保証人に返済の義務が発生します。なので、他人や友人の頼みであったとしても、安易に引き受けるのはやめておきましょう。

借り換え目的や多額の多重責務者である

借金がある状態でも生活福祉資金貸付制度は利用できますが、借り換えをするために利用することはできません。この制度では利用目的が定められているので、その目的以外の利用だと審査に落とされます。

また複数の金融会社に借金があったり、この制度の資金ではまかなえない金額の借金の場合でも資金の回収が難しいとされて審査に落とされてしまいます。

どこよりもお得にお金を借りたいなら生活福祉資金貸付制度

時間と手間はかかってしまいますが、金利が1.5%〜3.0%と低金利であり連帯保証人を立てると無利子で利用ができます。

貸付の条件はどこの金融会社よりもお得に利用できます。ですが、誰でも利用できるわけではなく、利用するには低所得者・障害者・高齢者であり実際に生活が苦しい状態でなくてはなりません。

申込の際は生活の状態などを相談したり、申込者の状態によって申請する窓口も違ってくるのでやはり大きな手間がかかってきます。

それぞれの地区の自治体によっても対応が変わってくるので、時間や手間がかかってもいいのであれば、自分の住民票のある区役所で必要になる書類や流れを問い合わせておきましょう。