年末は何かとお金の出入りが激しくなるシーズンですが、お金がなくなる大きな原因の一つに「忘年会」があります。給料が上がらない上に物価の上昇、消費税値上げと懐事情が厳しい中、忘年会費は年々上がっていく傾向にあるといわれ、さらに懐事情が深刻な事態に…という人も多いようです。
忘年会は職場のコミュニケーションのために欠かせない場、と言われてきましたが、いまは忘年会に意義を見出せない人も増えています。忘年会とお金、どのように折り合いをつけたらいいのか考えてみましょう。
忘年会シーズン直前は、あらゆる新聞や雑誌が忘年会の予算にかんするアンケートを行っています。アンケートの結果からみてみると、4,000円~5,000円が相場のようです。ここ数年、忘年会の平均費用は少しずつ増えてきています。
理由はいろいろ考えられますが、人件費、材料費の高騰、消費税の増加が背景にあると思われます。
しかし、平均と理想にはかなりのギャップがあるようです。忘年会シーズンになるとSNSにこんな内容のコメントが後から後からあがってきます。
SNSでは忘年会費用5000円は高すぎる、という意見が圧倒的多数を占めています。仕事によっては、取引先の忘年会に参加せざるをえない人もいます。複数の忘年会に参加したら2~3万円くらい、あっという間に吹き飛んでしまいますから、嘆くのも頷けますね。では、忘年会の会費はいくらぐらいが理想なのでしょうか?
理想の会費は3000円という意見が多いようです。
忘年会の幹事になる人は、それを念頭においてお店を選ぶと喜ばれそうです。
ある企業がおこなったアンケートによると忘年会に2回以上参加した人は47%、1回は31%だったそうです。一方、一度も参加しなかったという人も22%と意外と多く、行きたくないのに無理に参加しないという姿勢を貫いている人も増えてきているようです。
忘年会の幹事を任された場合、参加する人の負担を考えると費用はなるべく抑えたいですね。3000円以内に収めることは無理でも、参加費をなるべくやすくする方法を考えてみましょう。
忘年会シーズンは飲食店にとってはかきいれどきです。団体客を少しでも多く呼び込むために、忘年会に特化したコースプランを提供している店が増えてきます。一般的なのは料理の品数で価格が決まっている飲み放題プランです。
ほかのコースより割引になっていることが多いようです。予約する前にどんな料理が出るのか、コースにどんなお酒が含まれるのかなど細かいところを確認しておきましょう。ネットより電話のほうが細かいことを聞けるので、後でトラブルになりにくいといえます。
忘年会ではゲームの景品など飲食代以外の費用がかかることがあります。あって悪いものではありませんが、費用を抑えたいなら、いっそやめてしまってもいいかもしれません。
やめられない場合は、景品数は参加者の3割程度になるようにしましょう。全員にまんべんなく当たるようにすると一つ一つの景品にかけられる予算が下がり、忘年会が盛り上がらなくなってしまいます。景品が多いと受け渡しにも時間をとられてしまいます。
かといって、景品が少なすぎてもやはり盛り上がりにかける忘年会になってしまいます。3割を目安にバランスを考えて準備する必要がありそうです。
最近はネットで手軽にお店を探すことができますが、行ってみると料金のわりに大したことがなかった、というのもよくある話です。ここは会社の人におすすめのお店を聞いてみましょう。個人で好みの差はあると思いますが、実際に行ったことのある人の意見なら信用に値します。ネットや雑誌には出てこない隠れた名店を探すことができるかもしれません。
忘年会を断ると職場で付き合いが悪いと思われて居心地がわるくなりそう…。と参加したくなくてもなかなか断れず憂鬱な気分でいる人も多いようです。相手を不快な気分にさせないような上手な断り方をすることはできないものでしょうか。
忘年会の断り方は、シチュエーションに合わせて少しずつ変える必要があります。
職場の忘年会を断る場合はメールやSNSですまさず、直接行けないということを伝えましょう。毎日顔を合わせている同僚や後輩からそっけない断りのメールが入ってきて、いい気分になる人はいません。
直接断るときに大事なのは、低姿勢をつらぬくことです。
たとえ忘年会自体が嫌でも、「参加できなくて申し訳ない」というニュアンスは伝わるようにしましょう。断る理由は、第三者が踏み込みにくいものを用意しましょう。例えば、「保育園のお迎えをしてくれる人がいない」「親が具合が悪い」といった理由であれば、相手の気分を損ねることはないでしょう。
ただし、そう何度も使える方法ではありませんので注意が必要です。職場の雰囲気にもよりますが、「人が集まるところは苦手なので…」と最初に思い切って断ってしまうと次から誘われることはないので楽にはなります。
普段から群れになるのが苦手な人という印象を作っておくといいでしょう。
職場での忘年会をかどをたてずに上手に断りたいなら、あくまで低姿勢で参加できない理由を明確にすることが肝になります。
今後の取引を考えると、ドタキャンは絶対にしてはいけません。断るなら、なるべく早めに相手の顔をたてるような断り方を考える必要があります。職場と違い、しょっちゅう顔を合わせるわけではありませんから、メールで済むのが救いです。
メールは、まず謝罪から入り、時間が取れれば参加したいという雰囲気が伝わるような文面にしましょう。
取引先の気分を害するような断り方になっていないか、内容をよく確認してから送信してください。
距離が近い分、嘘をついて後でばれると非常に厄介なことになります。ママ友になると、事情を知らない小さな子どもを通じてばれる可能性もあるので要注意です。
実際に出先を考える必要がありますが、「実家に行く用事があるので出席できない」「夫の親のお見舞いにいく」というのは、かどのたたない理由になります。実家との関係が良好であれば、実際に行ってもいいでしょう。
都合のいい出先が思いつかない場合は、「用事があっていつ帰れるかわからない。行けなかった場合、迷惑になるので欠席させてほしい」くらいが、当たり障りなく断りやすいかもしれません。
ご近所づきあいの場合でも、ドタキャンは避けて、なるべく早めに断るようにしましょう。
SNSに上がっている忘年会に行きたくない理由をみると、お金がないことだけが理由ではなさそうです。某雑誌のアンケートによると、アンケートに答えた人の8割強が「忘年会には参加したくない」と答えているそうです。
会社の課長や部長クラスになると、忘年会はコミュニケーションをとるための大切な場と考える人もまだまだ多いようですが、その一方で部下になる若者は
といった心情をSNSで吐露しています。物心ついた時からSNSで多くの人とつながっている若者には、お金を払って顔を合わせたくない人と一緒にいたくない、その時間を自分のために使いたいという考え方があるようです。
また、社会情勢の変化で非正規や派遣社員という雇用形態で働く人も多くなり、昭和のような会社への帰属意識が少なくなっているのも原因となっているようです。
忘年会自体は決して悪いものではありませんが、働き方が大きく変化している今、忘年会の在り方も変えていく必要があるのかもしれません。