平均寿命が延び、老後は2000万円の貯蓄が必要だといわれていますが、一方で給料の上げ幅は減少しています。
高度経済成長期にバリバリ働いていた世代やバブル期に働いていた世代と比較すると、老後の蓄えは多く必要で、収入は低いという矛盾した時代です。
若者は働けどお金がない状況の中、どのようにして貯蓄を増やしていくかが大きなポイントとなっています。
ここでは、若者が「どのようにしてこの状況を活かしていけばよいか?」を詳しく解説していきたいと思います。
働き盛りの40代、50代と比較するのはナンセンスです。
入社間もない若者たちは給料や賞与も少ないため、お金があるわけがありません。
さらに、働き方も様々になってきているので「仕事よりプライベートを充実させたい」という考えから、あえて非正規雇用を選んでいる人たちもいます。
親世代の働き方をみながら、若者なりに落とし込んで学んでいるのではないでしょうか。
平成30年に内閣府が発表した世論調査によると、今の生活に満足しているという若者が、40代、50代に比べて多いことがわかりました。
年齢 | 満足している(%) | まあ満足している(%) |
---|---|---|
18歳~29歳 | 22.7 | 60.5 |
30歳~39歳 | 15.1 | 63.8 |
40歳~49歳 | 11.0 | 62.9 |
50歳~59歳 | 8.8 | 63.6 |
このデータは「お金がある=満足、幸せ」ではないことを示しています。
子育てをしている世代は子どもを育てなければならないので、自分にかけるお金が少なく、満足度もやや下がっているのではないでしょうか。
一方で、独身であれば自分にお金を使うことができるので、生活に満足を与えてくれるきっかけが多くあります。
また、今の人生に満足していれば、あえて「責任が大きくなる正規雇用で働く意味もない」と考えるのも、なるほどといった感じがします。
高度成長期では、白黒テレビ、冷蔵庫、洗濯機の「三種の神器」と呼ばれる家電が普及し、物質主義的な世の中になってきました。
加速したのは、やはりバブル期ではないでしょうか。
高級車やタワマン、ハイブランドのバッグなど、有形資産こそ全てのような風潮になってきた時代です。
ガンガン稼いで、お金を湯水のごとく使うことこそがかっこいい大人というイメージは、私も小さい頃に持っていました。
しかし、残念ながら今は給料も上がらず、ブランド物に手を出したくても出せない状況です。
物価も上がり、円の価値も下がってきている中で、若者たちは「知識」や「スキル」といった無形資産の形成を始める人が多くなっています。
今では、ネット学習でも月額1000円程度でいろいろなことが学べますし、You tubeでは無料で有料級の情報が流れています。
お金をかけなくても学べる機会の増加が、無形資産形成を手助けしてくれる時代背景もあり、若者たちのモノ離れが加速しているように思えます。
You tuberなどでも、とにかくモノを所有しないミニマルな生活をする「ミニマリスト」と呼ばれる人も出てきました。
極端な例では、洗濯機や冷蔵庫も持たない暮らしをしている人もいます。
また、大原扁理氏やpha氏など、ほとんど働かないで生活を成り立たせている人もいます。
Kintoやマイカーリースなど、自家用車も所有からリースへと価値観がどんどん変化しているのも、稼がなくて生活していける時代への対応なのではないでしょうか。
お金はそこまでなくてもいいとはいえ、貯蓄がほとんどないのでは、万が一のときに精神的に辛くなってしまうでしょう。
ここでは、収入の少ない若者たちが、貯蓄のために実践すべきことを学んでいきましょう。
まずやってほしいのは、毎月必ずかかってくる固定費を減らしていくことです。
一般的に家賃は収入の25%以下に抑えなさいといわれています。
月収が手取りで16万円なら4万円以下の家賃で暮らしていけるといいです。
都心ではなかなか難しいかもしれませんが、ちょっと離れたところや地方なら、このくらいのアパートはたくさんあります。
また、スマートフォンなどの通信費も、大手キャリアを使えば月に1万円近くはかかってしまいますが、今は、格安SIMで通信費を大幅に下げることができます。
月々2000円台で使えるので、年間8万円ほど貯蓄にまわすこともできます。
格安SIMのデメリットもよく調べたうえで、大手キャリア以外も選択肢に入れてみてはいかがでしょうか。
私もかつては、仕事帰りに毎日コンビニでコーヒーを買っていました。
コーヒーなので日々の支出が少ないのですが、長い目でみると大きな支出になります。
コンビニでは、商品の価格が定価で売られているので、ドラッグストアやスーパーと比べるとやや割高になっています。
また、ホットスナックやデザート類もレジ付近に置かれているため、ついつい買ってしまいがちになります。
お弁当やデザート類も、お店のものと変わらないくらいのクオリティなのも魅力ですから、なるべく近寄らないことです。
今の仕事に満足が得られなのであれば、転職することも選択肢のひとつです。
業界的にだいたいの年収相場が決まっていますので、おもいきった決断が必要になります。
しかし、時事的な問題は避けられない時代ですので、安定した業種などほとんどないといっても過言ではありません。
AIの参入もほぼ決まっているので、今は良くても長い目でみる必要があります。
本やセミナーなど、自分が学んでみたいと思うものがあれば、自己研鑽のためにお金を使うのも良いでしょう。
これも無形資産形成ですが、1500円の本を購入し、それを実践したことで1500円以上のバックがあれば、有効な投資になってきます。
無理矢理転職をしたり、過度な節約をしたりすれば健康を害してしまう可能性があります。
年収を上げても、節約しても病院に通いっぱなしでは、医療費がどんどんかかってしまいますよね。
せっかく稼いだお金ですから、快適な生活のために使うところは使い、無駄だなと思ったところは削っていくという判断は大切です。
支出をノートに書き出してみて「見える化」してみると良いでしょう。
すでに上記のような実践をしている若者も少なくありません。
男性では月4.6万円、女性では2.9万円増えているといったものです。
物価の影響もあるかと思いますが、少なくとも可処分所得が減っているとはいえなさそうです。
ですので、バブル期にお金をどんどん使った世代と比較しても、実は若者にお金がないとはいえないのです。
月収が上がりにくくなっているとはいえ、初任給はバブル期に比べて上がっていて、非正規雇用を考慮しても男女とも2万円程上がっています。
また、近年では終身雇用の保証ができなくなっていて、副業を解禁する企業も増えてきました。
暇な時間にアルバイトなどでお金を稼げることも可能になってきたことで、今後、可処分所得は増えていくと予想されます。
お金がないのに高級車を購入したら、貯蓄はできません。
見栄を張るのも大切な時があるかもしれませんが、まずは等身大の自分を知ることです。
そして、お金が満足を与えてくれるのではなく、ないならないなりに満足できる方法を見付けだすことが、長い人生で大切になってきます。
お金に振り回されず、心身ともに健康な毎日を送っていきましょう。