お金借りるのに市役所は利用できる?市役所でお金を借りる方法

生活をしていく上で何か困ったことがあれば、よく市区役所に相談に行く、という方もいらっしゃるのではないでしょうか。

このため、お金に困っている場合も「市役所で借りられる?」と考えている方もおられると思いますが、市役所ですぐにお金を借りる、ということはできません。

しかしながら、お金を借りる相談をすることはできます。今回の記事では、市役所でお金を借りる相談をすると、どのような借り入れ方法があるのか?ということについて紹介していきます。

「お金を借りたい、でも消費者金融や銀行からの借り入れでは返す自信がない」というような方は、ぜひ一度チェックみてください。

市役所でお金の相談をしたい!どうすれば良い?

何でも相談できる市役所…とは言え、市役所でお金の相談をしなくてはならないような方は、かなりお金に困っている状態かと思います。

このような状態の方を支援できる、公的な借り入れ制度があるのをご存知しょうか?状態によって様々な公的制度があるので、代表的なものを紹介していきます。

市役所には様々な窓口がありますが、特に金銭的な支援について相談をしたい場合、窓口はどこを選べば良いのでしょうか。…この窓口については自治体ごとに異なります。

自分の自治体では窓口はどこなのか、厚生労働省のwebサイトでは各自治体の相談窓口を紹介していますので、いきなり市役所に相談に行く前に一旦落ち着いて調べてみましょう。

「元号○年度 自立相談支援機関窓口情報」で検索することができます。検索すると厚生労働省のリンクがありますので、そこにアクセスしスクロールすると全国の窓口情報を見ることができます。

窓口情報には、自治体名、事業実施者、窓口名、住所、電話番号、FAX番号、メールアドレスが記載されていますので、自分の自治体を調べて連絡してみましょう。

事業実施者によっては、事務所などのサポートセンターが住所になっていたり、市役所内の生活支援課などが住所になっている場合も多くあります。

窓口が市区役所内なら、市区役所へ行けばお金の相談をすることができる、ということになりますね。

窓口で相談するとどんな制度が受けられる?


このような窓口で相談を行うと「生活困窮者自立支援制度」という制度で金銭的な支援を含む様々な手助けをしてもらえる場合があります。

生活困窮者自立支援制度には、以下のような事業があり、お金に困っている方はどれかに適用できないか、専門の支援員が一人ひとりに合わせた支援プランを提案します。

  • 自立相談支援事業
  • 住居確保給付金の支給
  • 就労準備支援事業
  • 家計相談支援事業
  • 就労訓練事業
  • 生活困窮世帯の子どもの学習支援
  • 一時生活支援事業

「自立相談支援事業」は、お金がなくて住む場所がない、働きたいのに働けないなどで生活に困っている方のために、専門の職員がその方に合った具体的な支援プランを提案し、自立を支援します。

「住居確保給付金の支給」では、失業などで住む場所がなくなってしまった、またはなくなってしまうかもしれない、という方のためのものです。

就職できるように努力することなどを条件に、一定期間、家賃相当額を支給してもらえます。家賃の心配をせずに就労の訓練を受けられるので安心です。

「就労準備支援事業」は、引きこもりなどで社会と関わることに不安があったり、自閉症などでコミュニケーションをとるのがうまくできないなど、すぐに就労するのが困難な方のための事業です。

半年から1年の間プログラムに沿って段階的に、就職するための基礎能力を鍛えます。それと同時に、就労に向けた支援や機会の提供が行われ、スムーズな就職を応援してもらえます。

「家計相談支援事業」は家計の立て直しをアドバイスしてもらえます。相談者の状況に応じて、専門の職員が支援計画を作成します。

最終的には相談者が自分で家計を立て直すことができるように支援を行い、必要なら貸付の斡旋なども行っていますので「お金を借りたい」という方も頼ることができそうですね。

「就労訓練事業」では、すぐに就職するのが難しいような状況である方に対して、就労支援プランに基づき、その方に合った就労訓練を行います。

必要に応じて個人に合った作業機会を提供してもらえますので、よりスムーズでより良い就労を目指すことができます。

「生活困窮世帯の子どもの学習支援」では、お金がなくて子供を学校に通わせられない、など金銭的な理由で子育てが困難な状況の方のための支援です。

進学や就学などに関する支援をしてもらえます。子供と保護者、双方に必要な支援をしてもらえるので、子供だけではなく保護者の方も安心です。

「一時生活支援事業」は住まいがない方、インターネットカフェなどに住んでいて住所が定まらないような方のための事業です。

退所後は、就労できるように就労支援も行いながら、一定期間、泊まる場所や衣食を提供してもらえます。

以上のような生活困窮者自立支援制度の具体的な支援メニューは、例えば以下のようなものが挙げられます。

分野 関係する機関/支援メニューの例
福祉相談窓口 自治体本庁・福祉事務所・社会福祉協議会/各種福祉制度などの相談、年金、障害者手帳取得のための各種申請・生活保護制度の相談・生活福祉資金貸付事業、日常生活自立支援事業、ボランティア活動
仕事や就労 ハローワーク、地域若者サポートステーション、職業訓練機関など/求人情報の提供、職業相談、職業紹介、職業訓練、就労の場を提供
家計 家計改善支援機関、日本司法支援センター、消費生活センターなど/多重債務の問題解決、家計からの生活再建を支援
経済 商店街・商工会議所、農業者・農業など/就労の場を提供、職業体験、インターンシップ
医療や健康 保健所、保健センター、病院、診療所など/健康課題の把握、解決
高齢 地域包括支援センター、居宅介護支援事業所/高齢者の相談支援
障害 障害者相談支援事業所、障害者就業・生活支援センターなど/障害者の生活および就労に関する相談支援
子育てや教育 家庭児童相談室、児童家庭支援センター、児童相談所など/虐待・DVの相談支援、子育て支援、ニート・ひきこもりの相談支援
刑余者 更生保護施設、自立準備ホーム、地域生活定着支援センター/刑余者や非行のある少年等に対する自立更生のための相談支援
地域 民生委員・児童委員、地域住民、町内会・自治会、社会福祉法人など/見守り活動、社会参加支援、居場所の提供など

申し込み方法は?支援が中断されることもあるの?

これまでに紹介してきたような窓口から、公的な借り入れなどを利用したい場合、まずは自分の自治体の窓口に相談をするところから始めましょう。

相談をして、いずれかの制度が適用できる場合、利用のための申し込みを行います。申し込みは、本人が「相談受付・申し込み票」に必要事項を記入することで申し込みが行えます。

(本人が記入することが難しい場合、相談支援員が記載を手伝ったり、聞き取ったりしながら代行してくれます。)

なお、支援中は「支援経過記録シート」に支援プロセスの記録が行われます。記録には、行ったこと以外にも本人の気持ちや状態なども記録します。

どのような些細なことでもメモしておくことで、現在の状態がどのように改善していくかを「見える化」できるので、その後の自分のやる気にも繋がります。

こういう時は支援が中断されることもある!

以上のような流れで支援が行われますが、次のような状況によっては、支援が中断されることもあります。

  • 困窮状態から立ち直ったわけではないが支援がなくても問題がなさそうな場合
  • 連絡が途絶え音信不通になった場合

お金がなくてとてもやっていけない、または身体的な理由や精神的な理由で働けない、という状態から改善したわけではないが、これまでの支援によって大方改善され、支援がなくても大丈夫そう…

と判断される場合、支援を中断する場合もあります。しかしながら一方的に中断されるわけではないので、安心してください。

支援の続行、中断は支援員と充分に相談を交えながら行われます…または、支援中に連絡が取れなくなった場合や、訓練などに来なくなってしまった場合、支援が中断されてしまいます。

支援中の就労訓練などは、しっかり受け、もしも体調などが優れず参加できない場合は、きちんと連絡を入れるようにしましょうね。

また、支援されることを辞めたい、という場合も一方的に辞めるのではなく、一旦支援員の方に相談してみましょう。何か良い解決策があるかもしれませんよ。

その他、一定の資産収入に関する要件を満たしていない場合は、支援を受けられないこともあります。窓口での相談は無料なので、まずは一度相談に行ってみましょう。

公的な借り入れは金利も低い!利用できるなら利用しよう

今回の記事では、市役所で金銭的な相談をした場合、どのように借り入れをする流れになるのか?ということについて紹介してきましたが、いかがでしたか?

市役所ですぐにお金を借りることはできませんが、窓口で相談をすることで、具体的な支援プランを提案してもらえたり、公的な借り入れ制度の申し込みを行うことができます。

公的な借り入れは、金利が低い、または無利子な場合も多いため、銀行や消費者金融などで借り入れをするよりも返済が楽にできます。

本当に生活に困っている、お金がなくて暮らしていけない、働きたいのに働けないなど、暮らして行くのが困難な場合は、自分の自治体の相談窓口を調べ、相談に行ってみましょう。

市役所では、あなたに最適な何らかのプランを提案してくれるはずです。公的な支援を利用できる場合はぜひ積極的に活用し、生活の立て直しに役立てましょう。