カードローンの遅延損害金はを発生させないようにする返済計画とは

まだカードローンの返済が結構残っているのに会社が倒産して、収入が当面なくなりそう…。カードローンなど借金を滞納すると、次の日から遅延損害金が発生します。早めに支払えば大きな問題にはなりませんが、お金がないからといって支払いをしないでいると、後で大変なことになります。

遅延損害金の支払額が膨らむのはもちろんのこと、最悪の場合は財産の差押えにあう可能性もあります。

遅延損害金を発生させないためにはどうしたらいいか、また万が一発生してしまった場合はどう対処すればいいか、一緒に考えていきましょう。

そもそも遅延損害金とはどのようなものなのか?

民法では債務者が債務不履行を起こした場合は、債務者がこうむった損害を賠償する義務が定められています。このとき債務者が支払うお金を遅延損害金といいます。

銀行や消費者金融などの金融機関でお金をかりるさいの契約には遅延損害金に関する契約も必ず含まれています。

ただし、金融機関が無制限に利率を決めていいわけではなく、法律で定められた上限内での利率になります。遅延損害金の割合が年14.6%を超える場合は無効と定められています。

遅延損害金の利率は金融機関によって違い、かなりばらつきがありますが、貸したお金に対して14%~20%の間が相場となっているようです。延滞すると利息がかなり割高になるということは、肝にめいじておいたほうがいいでしょう。

遅延損害金はどうやって算出されているのか知っておこう

遅延損害金の支払額の算出は金融機関によって違いがありますが、算出方法は同じです。

借入残高×遅延損害金利率÷365×延滞した日数=遅延損害金額

遅延損害金が15%のカードローンで20万円を借入れ、20日延滞した場合を仮定してみましょう。

200,000×0.15÷365×20≠1644

となり、支払額は1,644円となります。

いうまでもありませんが、延滞日数が長ければ長いほど支払う遅延損害金も多くなります。万が一遅延損害金を発生させてしまったら、元金、利息も含めて一日も早く返済しなければなりません。

遅延損害金を発生させないためにやっておきべきこととは

カードローンを契約する前に必ずやっておかなくてはならないのは、総返済額の計算です。現在の収入と支出を把握し、いくらくらいまでなら生活苦を感じずに返済できるかを計算しておく必要があります。

滞ってしまうのは自分の身の丈に合わない金額を借りてしまった場合がほとんどです。

面倒くさがらずに、毎月の返済額と収入、支出をしっかり算出してから契約しましょう。

返済額は利率、返済期間、返済方式によって(ほとんどの場合はリボルビング方式)元金と利息の総額が毎月ちがってくるので、計算は少々複雑になります。毎月分を自分で計算するのはかなり骨がおれますし、返済期間が長いと計算違いをして、返済計画がくるってしまうことも考えられます。

そこで利用したいのが大手金融機関のWEBにについている、「返済シミュレーター」です。返済シミュレーターは借入金額と利率、返済期間を入れると、一瞬で計算して返済総額を算出してくれます。負担の少ない返済計画を立てるために大いに利用しましょう。金融機関によって少しずつ仕様が違っていますが、基本は同じです。

当然ながら返済期間が長いほど支払う利息も多くなります。

返済は可能な限り短期間で終わらせるようにしましょう。

そのためには、借りる金額もなるべく少なくして、自分で出資する金額を多めにするよう努力することが大事です。

遅延損害金を放っておくと大変なことに!なるべく早く支払おう

遅延損害金を一度発生させてしまったら必ず支払わなくてはいけません。支払期限に遅れてしまった時点で金融機関に損害を与えているからです。お金がないからといって放っておくと、どんどん悪い方向に転がっていってしまいます。

金融機関は支払いが滞っている顧客に対しては、まずは確認のメールを送ってくることが多いようです。カードローンは使用停止の措置がとられます。それを無視し続けると、今度は督促の電話をしたり、督促状を送付したりします。この時点では周囲の人に延滞の事実が知られることはありません。

延滞の目安は61日以上、または3か月以上返済が滞っている状態になります。前述したとおり、遅延損害金は延滞した日数で計算されるので、滞納が長引けば長引くほど遅延損害金もその分上乗せされることになります。

しかしそれも無視し続けていると、残りの借入金の総額、遅延損害金の一括払いを要求されます。さらにそれも無視し続けると、金融機関は裁判手続きをし、「貸金請求訴訟」を起こします。裁判で金融機関側の訴えが認められれば、借入額の一括返金と遅延損害金の全額の支払いが決定します。

それにも応じない悪質な場合は、「仮執行宣言付支払い督促」が決定します。

いわゆる「差押え」です。そうなると、否応なしに給料の一部や財産を差し押さえられてしまいますし、借金の返済をしていないことが周囲に知られることになり、社会的信用を失うことになります。

裁判になった段階で出廷して和解が成立すれば、利息の減免や分割払いが認められる可能性があります。しかし、ここまで来る前に何らかの対処はできるはずです。裁判に個人で対応するのは大変ですし、時間も気力も取られます。督促は絶対に無視してはいけません。

返済が間に合わないときの対処法とは

しかし、失業や急な病気や事故などで経済的に困窮してしまうことは誰にでもあり得ます。

どうしても支払いが間に合いそうにない!と思ったら、延滞する前に迷わず金融機関の相談窓口に連絡を入れるようにしましょう。

事情を話して支払いする意思があることを説明すれば、次の返済期限まで待ってもらえる可能性もあります。ただし、これは最初の一回きりで、何度も使える手ではありません。

どうしても支払えなくて遅延損害金が発生してしまった、これから当面支払いできそうにない場合でもやはり早急に相談窓口に連絡を入れましょう。そこで、

  • 遅延した理由
  • どのくらいの期間返済できないか
  • 支払う意志がある

ことを明確に伝えましょう。一時的に法的手続きを止めてもらえる可能性があります。

延滞で受ける損失はお金だけではなく社会的信用も失う

どうにか借金を返済したり、裁判で和解できたとしても、借金の延滞は大きな代償がともないます。まず、延滞した事実が信用情報にのこります。これがいわゆる「ブラックリストにのる」という状態です。

滞納や債務整理、自己破産など返済不能な状態のことを「金融事故」といいますが、一度金融事故の情報が信用情報に乗ってしまうと、最低5年は消えません。

自己破産など重大な金融事故は10年残ることもあります。

金融事故の事実が載っている間は、クレジットカードはまず作れませんし、住宅ローンや車のローンなど様々なローンの審査もまず通りません。携帯電話を分割払いで購入できなくなる可能性もあり、非常に不自由な生活を長く強いられることになります。

万が一、遅延損害金を発生させてしまった場合は一日も早く支払って、ダメージを最低限で食い止めましょう。延滞が一度だけなら、ローンの審査にはそれほど影響を与えることはありません。

遅延損害金は自己管理で防ぐことができる!返済計画は綿密に

しかし、何よりも大事なのは遅延損害金を発生させない返済計画を立てることです。また、本当にその金額が必要なのかもしっかり考えましょう。今の生活を見直して、無駄な出費を削る、不用品を売るなどすれば借入額を減らせる可能性もあります。

また、返済を滞らせてしまうと、返済のことで頭がいっぱいになり、普段なら絶対にひっかからないような悪質な闇金にひっかかってしまう可能性もあります。そうなると、借金がふえていくだけで、ますます生活が崩れてしまい、家族など身近な人にも迷惑をかけることになります。

分不相応の借入は何もいいことはありません。生活に支障のない金額を設定して借りるようにしましょう。